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glee/グリー ザ・コンサート 3Dムービー [映画感想−か]

ドラマ『glee(グリー)』のキャストが今年アメリカ、カナダ、イギリス、
そしてアイルランドの4カ国21都市で44日間にわたり行ったコンサートを収録。
glee大好きな私にとってはもしかしたら今年一番待ち遠しかった作品だったかも!?

映画は各地でものすごい盛り上がりをみせるコンサートの映像をたっぷり見せながら、
合間にgleeのファン三人の"ドラマ"が描かれます。
番組では通常口パク(というか歌別録り)なので、
キャストが実際に歌い踊る姿は見応えがあり、改めて彼らの実力がよくわかりました。
ブロードウェイ経験者であるリア・ミシェル(レイチェル)はさすがの堂々とした歌いっぷりだし、
ヘザー・モリス(ブリタニー)、ハリー・シャム・Jr.(マイク)のダンサー二人、
ダレン・クリス(ブレイン)とウォーブラーズのステージなどはさすがに上手い!
一方、コリー・モンティス(フィン)やディアナ・アグロン(クイン) 、
クリス・コルファー(カート)などはこんな風に人前で歌うことには、
あまり慣れてないんじゃないかなあと思える緊張感も伝わってきて、
そこがかえって初々しくもあり、本当に純粋に感動してしまい、
出来ることなら会場の観客のように声援を送り一緒に歌いたい気持ちでいっぱいでした。


glee3dconcert_1.jpg


一方、ステージシーンの合間合間に挟まるファンのパート。
いずれも身体的、精神的に少し"人とは違う"三人が、その違いにどう接し、
立ち向かったのかが、かなり長い時間を割いて描かれます。
彼らがgleeという番組に出会ったことでいかに乗り越えたのかが語られるのですが、
これはgleeの、いわゆる「人は、みんな違ってみんないい」(ちょっと違いますが)
というテーマに沿っているわけで、確かにまるでどれもgleeのエピソードのようだし、
特にゲイの男性の話はそのままカートの物語にもなりそうなものでした。
このパートがあることが、作品を単なるコンサート映画ということではなくしています。

gleeというドラマの一貫した主張である、マイノリティだとか負け犬だとか言われる、
いわゆる学園内ヒエラルキーの底辺にいる者たちが、
どうやってそこから立ち上がるか、あるいはどうすれば輝けるのかを、
この映画でもテーマとして掲げて作られているわけで、
そこはなるほどと感心してしまうのですが、
ただ私やおそらくこの作品を楽しみにしていた多くのgleeファンは、
コンサートを体験した人たちはその興奮をもう一度と思い、
体験出来なかった私のような人たちは観ることが出来る喜びでいっぱいで、
劇場に足を運んだのではないかと思うので、その意味ではやや肩すかしというのか、
ファンのエピソードはもうちょっと少なくていいから、
1曲でも多くステージを見せて欲しい、聴かせて欲しいと思ったんじゃないかと思います。


glee3dconcert_2.jpg


各地のコンサートの様子はネットでいろいろと情報が入ってきていたので、
あの曲がなかった、あのシーンがなかったと不満に思う点も少なくなかったです。
それに、もし出来るならもっとステージ裏やリハーサルの様子など、
見せてくれても良かったんじゃないかなと、ミーハーなファンとしてはとても残念に思うのでした。

3Dに関しては、考えてみると完全実写の3D映画を観るのは初めてだったんですが、
キャストがずらっとステージに並んでいるところなどは、
なんだか紙芝居のような不思議な映像で面白くはありましたが、
別に3Dじゃなくてもよかったかなあという印象。
キラキラした照明や紙吹雪が空中に舞う映像は確かに美しく、
エンドロール前のスラッシー(glee部が顔にかけられちゃうジュースですね)の、
カラフルなしぶきを模した映像の鮮やかさは3D映像として成功していると思いましたが、
それだけだったら・・・と。
ステージ上のキャストに大接近したカメラは迫力満点、
歓声が大きくてもうちょっと歌声がちゃんと聞こえて欲しかった気もしましたが、
何にしても彼らの演奏は大満足で、ああやはり、1公演フルに見せて欲しかったです。
お馴染みの『Don't Stop Believin'』や『Empire State Of Mind』
『Somebody to Love』などは本当にゾクッとして、涙も出そうになりました。


glee3dconcert_3.jpg


終わってみて思うのは、ドラマを観ていない人がいきなりこの世界に入るのは、
設定の説明もキャスト紹介があるわけでもないので、
さすがにあまり楽しめないんじゃないかなと思うし、
番組のファンとしてはちょっと物足りなさを感じてしまう。
どっちつかずになってしまった気がします。
少ない上映館での2週間限定公開(何館かは上映延長されましたが)など、
観ることが出来るハードルも高くて、3Dなんかじゃなくていいから、
単純なコンサート映画としていろんなところで上映してくれたら、
ノンクレジットのあのハリウッド女優さんも登場しますよ!と宣伝したりしたら、
興味を持って観ようとする人もいたかも知れないし、
そうしたらこれをとっかかりでドラマに興味を持つ人もいたんじゃないかなあと思ったり。

今はもう、映画に入らなかったアレやコレやや、予告編には登場していたのに、
なんで出てこないの!?のスー先生(ジェーン・リンチ!)のシーンなどが、
もれなく特典映像になってるであろうDVDの発売を楽しみに待ちたいと思います。


Glee: The 3D Concert Movie(2011 アメリカ)
監督 ケビン・タンチャロエン
出演 ディアナ・アグロン リア・ミシェル ダレン・クリス
   ヘザー・モリス クリス・コルファー ハリー・シャム・ジュニア
   コリー・モンティス ナヤ・リヴェラ コード・オーバーストリート
   マーク・サリング ケヴィン・マクヘイル アンバー・ライリー
   ジェナ・アウシュコウィッツ アシュリー・フィンク


glee/グリー ザ・コンサート・ムービー 3枚組3D・2Dブルーレイ&DVD&デジタルコピー〔初回生産限定〕

glee/グリー ザ・コンサート・ムービー 3枚組3D・2Dブルーレイ&DVD&デジタルコピー〔初回生産限定〕

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD



Glee: the 3d Concert Movie

Glee: the 3d Concert Movie

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2011/08/12
  • メディア: CD



glee/グリー DVDコレクターズBOX

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD




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ガリバー旅行記 [映画感想−か]

タイトルのアタマに"ジャック・ブラックの"と絶対に付けるべき!
それぐらいこれは、まさにジャック・ブラックの映画!


ニューヨークの新聞社のメール室で働くレミュエル・ガリバー(ジャック・ブラック)は、
何をやってもダメ男。新聞記者になる夢もいつしか諦めダラダラとした毎日を送っています。
ある日彼は、何年も片思い中の新聞記者のダーシー(アマンダ・ピート)に、
成り行きで自分の書いた文章を読ませることを約束してしまいます。
しかし何を書けばいいのかまったく思いつかず困り果てたガリバーは、
ネットで拾った記事をまるパクリの紀行文を書きますが、そうとは知らないダーシーは、
ガリバーの文才に驚き、彼にバミューダトライアングルの取材を任せます。
意気揚々と一人ボートで海へ出るガリバー。しかし突然の嵐に巻き込まれてしまい、ある島へ漂着。
目覚めた彼は何故か浜辺で縛り付けられていて、その周囲にはとても小さな人々が。
そこは小人たちが住む"リリパット王国"だったのでした。


カラダもデカイが態度もデカイ
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本当に今作はジャック・ブラック以外のキャスティングが考えられない!
元々、ジャック・ブラック主演作品にはそういうのが多くて、
今作の主人公ガリバーも予想をまったく裏切らない、いつものジャック・ブラック。
仕事はいい加減、デブでサエない見た目を恥じるでもなく、プライドだけはやたら高い。
そして音楽的センスはなぜか良かったりするところもお約束。
それは『スクール・オブ・ロック』や『ハイ・フィデリティ』『テネイシャスD』
(それに『カンフー・パンダ』ですらも!)などなど、
彼がこれまで演じてきた役柄とまったく同じなのです。
でも、だからつまらないかというとそんなことはなくて、
(・・・あ、このジャック・ブラックのキャラが苦手だったらダメかもですが)
大好きな私のような者には「よっ、待ってました!」の世界なのでした。

ガリバー旅行記は子どもの頃に読んだはずですが、
全部読んだわけではないし、実は記憶もほとんどありません。
ガリバー旅行記と聞くと"小人の国"でガリバーが浜辺で縛り付けられてるといった、
いわゆる"ガリバー"という言葉でまず想起されるあの情景ぐらいしか思いつかないのですが、
今作でもまったくそのまんまのシーンが登場しますし、
パンフレットによるとストーリーも意外にもかなり原作に忠実なのだそうです。
大勢の小人たちがガリバーの背中の上を行進してマッサージしたりとか、
大砲の弾がガリバーの身体に命中したところでなんでもなかったりとか、
そういった小ネタはどれも楽しく、とてもバカバカしい。
どれもジャック・ブラックのだらしない身体を十分に活かしていて、
これが普通の体型の人ではこの可笑しさは物足りないだろうなあと思うし、
こういうところもやはりジャック・ブラックならではの映画だと思います。


ノッてます
gulliver'stravels_2.jpg


ガリバーと小人たちの縮尺の違いはCGによって、
まったく違和感なく描かれていて"怪獣映画"としても十分楽しめます。
ジャック・ブラックは映画『キング・コング』では、キング・コングを捕らえ、
孤島から都会へと連れて行き見せ物にしましたが、
今作での彼はそれとはまったく逆で、彼の方がまさにキング・コング状態。
ガリバーがメアリー王女(エミリー・ブラント)を手で掴んで助け出し、
そっと安全な場所に置く仕草は、どうしてもキング・コングを思い出さずにいられませんでした。
ただこれだけ巨大なものが動き回っていれば、何より振動とか、
風圧とかもスゴイことになって、小人たちなんて簡単に吹っ飛ばされるんじゃないの?
なんてこともつい思ったりしたんですが、まあ大きなお世話です。

ところでこの巨大な人間と小さい人間たちの対比というのはどうしても、
『ナイトミュージアム』でのベン・スティラーとローマ帝国軍やカウボーイらとの、
人間対ミニチュア人形を思い出させます。
今作はこの『ナイトミュージアム』と同じ製作スタッフが関わってるらしいし、
アイディアはアレから来たんだろうなあと容易に想像されるのですが、
というわけで『ナイトミュージアム』を楽しめた人は絶対楽しいはず!
(アレが好きって人、あんまりいないかもなあとも思うんですが・・・)


イザというと弱気
gulliver'stravels_3.jpg


物語ではさらにガリバーが"呪いの島"という、今度は大小が逆転した国に行き、
巨大かつものすごく乱暴な女の子にいたぶられるのですが、
ジャック・ブラックの女装というキワドさも併せてバカバカしくて面白かったです。
随所に散りばめられた『スター・ウォーズ』ネタも楽しいし、
ラストは意外な対ロボット合戦になったりもして、
とにかく盛りだくさんだった気がするのですが、驚くことに上映時間は85分!
お得意のロックで盛り上がろうぜー!なシーンもきちんと挟みつつ、
(エドウィン・スターの『War』で踊るエンディングとか!w)このまとめ方はお見事!
いや、これ以上長いとちょっと飽きちゃったかもなあとは正直思うんですが。

エミリー・ブラントとアマンダ・ピートの2人のヒロインはどちらもチャーミング。
何かとガリバーの助けになったり助けられたりのホレイショ役ジェイソン・シーゲルも、
エミリー・ブラントに合わせてここはもうちょっと若くて普通にイケメンな役者にしてもいいのに、
そうしないところが個人的にはすごく嬉しかったり。
(いや、あの界隈でジェイソン・シーゲルはまだ若くてイケメンな部類なのか?
・・・って、それはないな。)

ちなみに今作は3D作品として公開されたのですが、私は2D字幕版で鑑賞しました。
ガリバーの巨体や、矢や銃弾が飛び交うところとか3Dだと飛び出して来るのでしょうか?
オープニングのニューヨークの景色がチルトシフトな映像でミニチュアのように見えて、
一足先にガリバー気分を味わえる演出なのですが、これが3Dだと楽しかったかな?
と思ったりしましたが、2Dでも十分楽しめました。


Gulliver's Travels(2010 アメリカ)
監督 ロブ・レターマン
出演 ジャック・ブラック ジェイソン・シーゲル エミリー・ブラント
   アマンダ・ピート ビリー・コノリー クリス・オダウド T・J・ミラー



ガリバー旅行記 4枚組3D・2Dブルーレイ&DVD&デジタルコピー〔初回生産限定〕 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD


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キック・アス [映画感想−か]

思えばこの『キック・アス』の予告編、それも年齢制限のあるレッドバンド版を観て、
あの『(500)日のサマー』では主人公トムのちょっとナマイキだけど愛らしい妹を演じていた、
クロエ・グレース・モレッツちゃんがとんでもない大殺戮を繰り返すという異様さに、
なんだコレ!?と思ったのがもう一年近く前のこと。
日本公開がなかなか決まらず、署名活動〜イベントでの限定公開を経てようやくの公開となったわけで、
そのためこの一年、あらゆる情報と妄想(!)に頭の中がいっぱいになった状態での鑑賞。
このパターン、ちょっとイヤな感じかな?と思ったわけですが・・・さて。


コミックおたくの高校生デイヴ(アーロン・ジョンソン)は、
憧れるだけではダメだと本物のヒーローになることを思い立ち、
ネットでヒーロー風スーツを購入、さっそく人助けを始めます。
しかし、何のスーパーパワーも無い彼はあっさり暴漢に襲われ負傷。
全身に金属を入れられ、痛みに少しだけ鈍感になったのをいいことに懲りずに活動を続けていると、
彼のヒーローぶりがネットで広まり、一躍有名人となってしまいます。
ある日、勘違いながらも親しくなった憧れのケイティ(リンジー・フォンセカ)のために、
彼はある麻薬の売人のアパートに乗り込みますが、当然ピンチに陥ります。
するとそこへヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)と名乗る少女と、
その父親のビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)が現れ、彼を助けますが・・・。


おれの名前はキック・アス!
kickass_1.jpg


これは確かに面白い!映像や音楽の使い方、全体のテンポの良さ、
あらゆる部分で刺激的だし、アメコミファンのマニア心をくすぐる部分も多そうだし、
これを熱狂的に支持する人が多いことも頷けます。
でも・・・正直に言うと私には心からのめり込むことは出来ませんでした。
予告編でヒット・ガールの殺戮シーンやビッグ・ダディとの掛け合いを観ていたので、
改めてビックリすることもなく、もしこれらを予備知識無くまっさらな状態で観ていたら、
それは驚いただろうし興奮もしたかも知れません。
また、その予告で観た血しぶき飛び散るかなりリアルな残酷描写や、
ビッグ・ダディにヒット・ガールが思いっきり銃で撃たれる"訓練"シーンに、
これはいったいどういう経緯でこうなるのかと、その答えを期待していたのですが、
そのことに対する理由が私の理解力不足かも知れませんがハッキリと伝わらず、
終始、何かモヤモヤしたままで終わった感じです。
何がいけないのか・・・このヒット・ガールという存在が何しろ引っかかってしょうがなかった。
面白いとかカッコイイとかいう以前に、彼女のことがどうしても不憫で悲しくて。
何故このいびつなモンスターが作り出されてしまったのか、
そこが自分内でクリアにされないことには、どうしても彼女の存在を受け入れられないままだったのでした。

子どもが殺戮を繰り返すことの倫理的なことをどうこう言うつもりはないのですが、
ヒット・ガールがあらゆる武器を駆使して戦う姿を手放しでカッコイイ!と思えない。
一見、普通のどこにでもいそうな少女なのにキタナイ言葉遣いで器用にバタフライナイフを操り、
ひとたびヒット・ガールの扮装をし、敵を倒していく姿はまるで殺人ロボットか、
あるいはよく飼い慣らされた犬のようにも見えてしまうのでした。
じゃあ男の子だったらいいのかとか、もっと分別の付く年頃にでもなっていればいいのかとか言うと、
そのあたり自分でもよくわからないのですが、とにかく最後まで居心地の悪い気分でいたのでした。


武器お手入れ中
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すべてはビッグ・ダディの復讐という目的を果たすためというのはわかります。
このビッグ・ダディのアタマがイカれすぎ、と結論づければ、
単にイカれたオヤジの話として受け入れられるのかも知れませんが、
そのあたりの理由やイカれっぷりはわりとサラリとしてるというか、
もうちょっと狂気とかダークさを強調して欲しかった。
また最後のヒット・ガールの戦いも仕方ないことだとは思うのですが、
これを単純に親子愛みたいなことで片付ける気にもどうしてもなれませんでした。

また、悪人は死んで当然、というのもこういう世界の中ではアリなのかも知れませんが、
ビッグ・ダディの標的はボスのフランコ(マーク・ストロング)ほか数人だけなんじゃないのか、
まあ彼の下で働くギャングたちも悪と言えば悪だし、ボスを倒すためには、
下を倒していかないとボスに到達しないのはわかるけど、まあ殺し過ぎる。
フランコのアパートのドアマン(ジェイソン・フレミング)なんて大して悪くないのでは?
・・・私はストームトルーパーにも家族はいるのよねえ、と思ってしまうタチなので、
おそらく最初からこういう作品を心から楽しめない不幸な人間なのかも知れません。
(でも『スカーフェイス』とか全然OKなんですけどね!)
それに、復讐のために組織や関係者たち皆殺しなら、
フランコの息子クリス(クリストファー・ミンツ=プラッセ)もあの場にいたんだし、
殺されてもしょうがなかったのでは?なんてことも思ってしまうのでした。
クリスは事情を知らなかったとはいえ結果的にいろいろ加担していたわけだし。


悪い人とその息子
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この作品の実際の主人公はタイトル通りキック・アスで、
何のパワーも持たないサエないオタク男子高校生が、ヒーローに憧れるだけじゃダメなんだと、
世のため人のために自らがスーパーヒーローになるという、
言ってみればある1人の少年の"成長譚"のようなものにもなっていて、
そこはまあ、無茶な話だなと思いながらもなかなか面白く観ることが出来ました。
ただ、成長したのかというと何も変わっていないのでは・・・と思うのですが。

キック・アスのリアルなダメっぷりはスパイダーマンのピーター・パーカーのようであり、
また、何のパワーもないのに訳あってスーパーヒーロー?レッドミストとなるクリスは、
お金にあかせてコスチュームやクルマを用意するあたりバットマンやアイアンマン?のようでもある。
スーパーヒーローものはあまり詳しくないのですが、そういうあらゆるアメコミの要素が、
うまい具合に散りばめられ、上手なパロディにもなっているのかなと思いました。
スーパーヒーロー論、スーパーヒーロー批判、
そしてスーパーヒーロー愛に満ちたものになっているのかも知れないので、
そのあたりに詳しい人は楽しめるのかも知れません。
この世に本当のスーパーヒーローなんていないという事実、
ではそんな世界でスーパーヒーローになるにはどうすればよいのか。
それをキック・アス、レッド・ミスト、そしてビッグ・ダディとヒット・ガール父娘という、
それぞれまったく異なる出自で異なる理由を持たせて登場させる。
ただそんな彼らのそれぞれの物語がうまく噛み合っていたかというとどうなんでしょう?
普通過ぎる少年とまったく普通じゃない少女。
人助けという目的を持ちながら(おそらく)その目的は一生遂げられないキック・アスと、
復讐という目的以外に何も持たないヒット・ガール。
どう考えてもお先真っ暗な気がしてしまう2人をどんなダークな未来が待ち受けているのか。
でも、どうもそんなに切実な感じでもないんですよね・・・。


可愛いのでなおさら
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映像は全体を通して本当に無駄な、ヘタクソなカットは1つもないと言ってもいいし、
携帯やYouTubeやMySpaceといった現代的キーワードをうまく使っているし、
音楽の使い方もものすごく上手い。
またイケてない男子高校生の日常、憧れの女子とのアレやコレやは、
実に普遍的な描き方で微笑ましかったり爆笑させられるところもある。
それらと、そんな普通の男子高校生が目にすることになる大殺戮、
キック・アスのコスチュームだったばかりに間違えられてしまう少年とか、
リンチ映像生中継のものすごく薄気味悪いけどものすごくありそうな感じとか、
それらのバランスがうまく取れていない気がして、
そんな無責任な世界観こそアメコミらしさなのかどうかわからないけれど、
その無茶なところこそ、面白いところなのかも知れませんが、
でもどうしても私のアタマには「?」が浮かんでしまうのでした。

きっと、私がここまでツラツラと不満を挙げた部分こそが面白いところであって、
そこを純粋に受け入れられる人こそ楽しめる作品なのかも知れません。
たまに世間では大絶賛なのに私は・・・という作品があって、そういうのに出会うと、
自分の映画鑑賞センスとか知識や理解力の無さを思い知らされるようで非常に落ち込んでしまいます。
でも、劇場で観ることが出来たのは良かったし、続編もおそらく観ると思います。
このモヤモヤがどう展開するのか、その行く末をキチンと見届けたい。
レッド・ミストも併せて、3人の若きスーパーヒーロー(もどき)たちが、
この先どこへ向かうのかを続編ではきちんと説明して欲しいし、
アタマの堅い私のような者も納得させてくれることを期待しています。


Kick-Ass(2010 アメリカ)
監督 マシュー・ヴォーン
出演 アーロン・ジョンソン ニコラス・ケイジ クロエ・グレース・モレッツ
   マーク・ストロング クリストファー・ミンツ=プラッセ リンジー・フォンセカ
   クラーク・デューク エバン・ピーターズ デクスター・フレッチャー ジェイソン・フレミング



キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: Blu-ray



キック・アス DVD

キック・アス DVD

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD



原作コミックは設定やオチがかなり違うそうですが・・・それもなあ。

キック・アス (ShoPro Books)

キック・アス (ShoPro Books)

  • 作者: マーク・ミラー
  • 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
  • 発売日: 2010/11/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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紀元1年が、こんなんだったら!? [映画感想−か]

ジャック・ブラック、マイケル・セラ、クリストファー・ミンツ=プラッセ、
ハンク・アザリアにカメオでポール・ラッドと来たら観ないわけにはいかない。
・・・どんなに評判悪くとも。


紀元1年、ゼド(ジャック・ブラック)とオー(マイケル・セラ)は、
狩猟生活をしながら仲間たちと暮らしていました。
狩りはヘタクソなのに口だけは達者なゼドと、気弱なオーは村でも浮いた存在。
そんな暮らしに嫌気が差したゼドは、みんなを見返そうと禁断の果実に手を出します。
しかしそれを仲間たちに知られてしまいゼドは村から追放されることに。
ゼドの後を追って来たオーと共に、2人は放浪の旅へ出ることになりましたが・・・。


こんな古代人・・・
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そう、どんなに評判が悪く評価が低くても実際に観てみたらそうでもないじゃん!
ということはよくあることです。
しかし・・・これは確かにダメでした。いえ、そんなにヒドイわけではないんですが、
なにをどうしたかったのかがいまいちよくわかりませんでした。
邦題があまりにあんまりなんですが、でもコレまったく内容を言い当てていて、
(つまり工夫のない邦題とも言えるのですが)
要するに紀元1年という舞台でありながら台詞回しは現代口調で、
まあそこがおそらくまずはひとつ笑うところ・・・なのかも知れないんですが、
それに特別目新しさは感じられないし、何というか単なるもしもコントの域を出ていないような。
いや、これが本当に「もしもこんなだったら」というお題で進むコント集だというなら、
それなりに楽しめたかも知れません。
旧約聖書を元にしているのでそのあたりの知識があればもう少し楽しめたのでしょうか。
何か『幸せになるための10のバイブル』の悪夢が思い出されますが、
まああれよりは1本のストーリーになってて筋は通ってる(?)だけマトモかもです。


カイン?
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私がわかる範囲だとカインとアベルとか、アブラハムとイサク父子の割礼ネタ、
ソドムの町でひたすらゲイネタとか。ゲイネタ、ホント好きだなあ。
でもどれも想像の範囲だしどれもスベリ気味。
いっそのことゼドとオーが実は現代人で、紀元1年にタイムスリップしちゃって・・・とか、
そういうことだったらなんとなく許せたかも知れません。
あるいは現代風なのがセリフだけじゃなくて、もっと現代的なもの、
例えばマクドナルドやスタバっぽいものが登場するとか、
みんなで野球したりケータイみたいなモノを持ってるとか(無理?)、
・・・まあそんなのも全然目新しくはないのですが、
そんなことでも見せてくれたほうがコメディとして潔かった気がします。
初めて車輪の付いた乗り物に乗って興奮!みたいな小ネタがもうちょっと欲しかった。
結局最後はありがちな、暴君を倒してヒーローになるみたいな話にしかならないし。
禁断の木の実を食べたゼドに知識は身につかなくても不思議な力がついて、
どんな目に遭っても助かったり、あるいは特別な存在となって悪を倒し国を助けるとか、
そういう展開も期待したんですが・・・きっとそうする気もなかったのでしょう。
つまり、いったいどうしたかったのか謎。笑わせたいなら徹底してバカやって欲しかったし、
真面目に古代ドラマにしたいなら一本筋を通して欲しかったです。


誰?
yearone_3.jpg


お馴染みのジャド・アパトー組がたくさん登場するのも楽しみにしてたんですが、
ストーリーがそんななんで物足りなさもひとしお。
でも、ジャック・ブラックは毎度お馴染みのオレ様ぶり全開だし、
マイケル・セラとの組み合わせも悪くない。マイケル君は女の子みたいでとにかくカワイイ!
長髪で一瞬誰かわからないデヴィッド・クロスのカインと、
ノンクレジットで出演のポール・ラッド演じるアベルの兄弟ゲンカは面白かった。
当然アベルはさっさと死んでしまうのでポール・ラッドの出番もちょっぴり。
一方カインは最後までずっと出っぱなしの準主役なのもヘン。
ハンク・アザリアとクリストファー・ミンツ=プラッセの父子も良いキャスティング。
マイケル・セラとクリス・ミンツ君が揃ったのだから、そこにジョナ・ヒルも出して、
まさかの『スーパーバッド』の再現とかいうのがあったら嬉しかったかも!?
メイクでまったく誰かわからない司祭役オリヴァー・プラットはすさまじい怪演。
メイクと言えばもっと誰かわからないのがシャーマン役で登場するビル・ヘイダー。
え、どこにいたの?と終わってから探してしまいました。
ジャック・ブラックの相棒、カイル・ガスもちょっとおいしい役で出てます。
監督のハロルド・ライミスもアダム役で出演してますが、
芝居してる場合じゃないだろ!という気がします。
そういえば監督としての前作は『アイス・ハーヴェスト』だったんだな。
あれもかなりイマイチな出来だったし。どうしちゃったんでしょう。
次は『ゴーストバスターズ3』かしら?なんだか心配になってきました。


Year One(2009 アメリカ)
監督 ハロルド・ライミス
出演 ジャック・ブラック マイケル・セラ オリヴァー・プラット デヴィッド・クロス
   クリストファー・ミンツ=プラッセ ヴィニー・ジョーンズ ハンク・アザリア
   ジュノー・テンプル オリヴィア・ワイルド ジューン・ダイアン・ラファエル
   ハロルド・ライミス カイル・ガス ビル・ヘイダー




紀元1年が、こんなんだったら!? コレクターズ・エディション [DVD]

紀元1年が、こんなんだったら!? コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


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恋のからさわぎ [映画感想−か]

ヒース・レジャーのハリウッド進出作として知られるコレ。
ずーっと観たかった作品で、やっとやっと観ることが出来ました。
今作は若い若いジョセフ・ゴードン=レヴィット君も登場、ということで、
図らずも(いや、多少図ったのですが・・・)ひとり勝手に開催中の、
「ジョセフ・ゴードン=レヴィット祭り」にもうまく絡められました!


転校生のキャメロン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、
登校初日にビアンカ(ラリサ・オレイニク)に一目惚れしてしまいます。
彼女をデートに誘おうと思いますが、彼女の父親(ラリー・ミラー)は、
高校卒業までデート禁止令を出していました。そんな父親に抗議するビアンカ。
すると父は「姉のキャット(ジュリア・スタイルズ)がデートしたら」という条件を出します。
しかしキャットはフェミニストで学園中から嫌われていて、本人もデートなどする気は一切なし。
キャメロンはなんとかキャットのデート相手を探そうとしますがなかなか見つからず、
最後にワケありのはみ出し者パトリック(ヒース・レジャー)に目を付けます。
友だちになったばかりのマイケル(デヴィッド・クラムホルツ)はパトリックを雇い、
キャットをデートに誘わせようというアイデアを思いつきますが、払うお金がありません。
そこで、同じようにビアンカに目をつけているジョーイ(アンドリュー・キーガン)にお金を出させ、
なんとかパトリックにキャットをデートに誘うように仕向けますが・・・・。


フェミニスト
10thingsihateaboutyou_1.jpg


いいですね。こういうのは無条件に大好き!
1999年の作品ですが80年代ぐらいの学園ドラマのような懐かしさもありつつ、
でも、キャットのキャラクターなんかはちょっとひとひねりあるというか、
単に「モテない女の子が恋をしてキレイになってプロムに誘われるまで」みたい話ではないので、
いわゆるよくある恋愛モノとはちょっと違っていて、でもそこがとても好ましかったです。
キャットはとても扱いにくいタイプとして描かれていて、同級生からも教師からも嫌われている。
私などから見たら彼女がそこまで嫌われる理由がわからないんですが、
アメリカの高校内カーストに於いて彼女のようなタイプは嫌われるんですね。
キャットは顔はまあいわゆる美人とは言い難いけれどスタイルはいいし、
(でもアメリカ人の好みとしては胸もないし痩せすぎかな?)
音楽的趣味とかクラブでノリまくっている感じとか普通に「イケてる」と思うんですが、
いわゆる女子高生的なキャピキャピしたところは皆無なんで、同性の友だちも少ない。
それにしても、どう見てもモテなそうなおたく風なヤツにまで、
「この世にオレとキャットとヤギしかいなくなったら迷わずヤギを選ぶ」
とか言われちゃうんですが、エエそこまで!?と思ってしまいます。


ワケあり
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パトリックは最初のキャットへ近づいていく動機こそ不純なものでしたが、
彼もいろいろワケありで変わり者の一匹狼として周りから恐れられていて、
そんなだからか、自分を貫いているキャットの姿に何か感じるものがあったのかも知れないし、
彼女の素顔が徐々に見えてくるにしたがって、本当にキャットに惹かれていきます。
一方キャットはパトリックのことを周りほどヘンな色眼鏡で見てはいませんでしたが、
彼女も最初からパトリックに好意を持ったわけじゃなく、
とりあえず妹のビアンカのためということのほうが大きかったんだと思います。
それでも彼女も徐々にパトリックに心惹かれていきます。
でも誤解があったりでなかなか関係は発展せず、そこでパトリックがある計画を立てます。
それはキャットのために大勢の見ている中で『君の瞳に恋してる』を歌い踊る!
これやられたらそりゃあどんなにカタクナな心も動かされるよなあという、
ヒース・レジャー大熱演の必見シーンです。これはタマリマセン!

もう一組、ビアンカとキャメロンの恋愛も同時に進行していきます。
ビアンカに一目惚れして、彼女のためにあらゆる手を使って動き回るキャメロン。
キャットとは正反対に、恋やオシャレやデートやパーティに夢中のビアンカは、
恋に恋してるような、本当に普通の高校生。
転校生のキャメロンの学校案内を担当するマイケルが、彼女のことをキャメロンに、
「学園のアイドル」「高嶺の花」とかなんとか紹介するんですが、
確かにビアンカは美人なんだけど、別にチアリーダーでもないし、
プロムクイーンに選ばれるような感じでもないので、
なんでマイケルはそんなこと言ったんだ?とそこはちょっと気になりました。
キャメロンとジョーイ以外にデートに誘われるようなこともなさそうだったし。
でも、キャメロンにとっては彼女こそが真のクイーン。
この一途さ、キャメロン君はもう絶対に『(500)日のサマー』のトム君の10年前の姿に違いない!
愛しのビアンカのためなら一生懸命、でもちょっと彼女に冷たくされるとドップリ落ち込んだり、
こんな純な高校生、今時いる!?って感じです。
とにかく誰よりも幼くて、学年は違う設定だけどヒース・レジャーと同じ高校生には見えない。
まあヒース・レジャーがまずは高校生に見えないんですけどね。
デヴィッド・クラムホルツもひどくオッサンくさいし。でも彼の恋物語もあるんですよ。
今作はシェークスピアの『じゃじゃ馬ならし』がモチーフになっていて、
シェークスピア的なセリフが随所で出てきたりするんですが、
そんなシェークスピアに絡んだ、ちょっと唐突なカップル成立なんですが、
こちらのカップルもなかなかチャーミングです。


お年頃
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ビアンカは最初ジョーイに惹かれちゃったりもしてちょっと危なっかしいのですが、
でも早々にジョーイのダメっぷりに気付くところがエライ。
とにかくみんなしっかり自分を持っていてちゃんとしてるところが観ていてイヤな感じを受けません。
キャットとビアンカと父親とのやりとりもすごく良くて、こういう親子話にも単純に弱いです。
父親は母親がいない家庭で、かつ自分は産婦人科医なんていう立場から、
本当に娘たちのことを心配してるのがわかります。
なんでお母さんが家を出て行ったのかの説明がなかったのがちょっと不満でしたが、
こんなにオーバーに心配しまくる夫じゃあね、と思わせるようなところもありました。

あまり過激な表現もなく、下ネタにも走らず、出演者がみんな愛らしく、
父親や教師などが憎まれ役にまわることもなくいい味出してくれるし、
ホント、こういうのはずっと観ていたいと思ってしまうぐらい心地よいです。
確かに若干の物足りなさはあります。
演出としてもうちょっと盛り上げて欲しいなと思うようなところもあるし、
キャットやパトリック、ビアンカがそれぞれどんな風に心が動いていくかが、
わりとあっさりと描かれているというか、特にパトリックが、
どのタイミングで本気になっていったかがちょっとわかりにくかったです。
私がその辺の機微に気付かなかっただけかな。
それぞれなるようになることはわかっているんですが、
もうちょっとドラマがあってもいいかなという気はしました。


一途
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主にドラマ畑の演出家であるジル・ジュンガーの初映画作品ということで、
そう聞くと全体に"慣れてない"感なのかなと思ったりしましたが、
でもそれがかえって物語自体の初々しさに一役買ったような気もします。
今作は監督自身の手により、数年前にテレビドラマ化もされてるんですね。
全然知らなかったし、あまり評判もよくなかったみたいですが、
監督自身、それほどこの作品に思い入れがあるということなんでしょう。
キャストではヒマさえあればポルノ小説を書いているカウンセラー役のアリソン・ジャネイを、
もうちょっと後半にも出して欲しかった。すごくイイキャラクターなのに!
メイキングを観ると彼女のシーンはだいぶカットされちゃったようで、残念。
イケスカナイ奴っぷりが最高のジョーイ役のアンドリュー・キーガンも笑わせてくれます!
靴下や痔の薬なんかに出てる安いCMモデルなのにスター気取りというイタさがホント可笑しい。
もっとみんなに殴られちゃえ!鼻炎薬のCM撮影前に鼻折られちゃえ!

これをリアルタイムで観ていたら、ヒース・レジャーをアイドル的に好きになったかも知れません。
まあ、私はこの後の『ロック・ユー!』でしっかりクラッと来たんですが。
本人はこういう軽い路線はやりたくなくて、以降暗めの作品ばかりを選ぶようになったそうですが、
彼のロマンチックコメディなんて、もっと観たかったです。
ジュリア・スタイルズは最近はジェイソン・ボーンシリーズぐらいでしか見かけてないんですが、
もうちょっと活躍を見たいなあ。すごくイイ女優さんだと思うんですが。
終盤に登場する、彼女が詩を朗読するシーンには強く強く胸を打たれます。
その姿を見つめるヒース・レジャーも、またなんとも言えない良い表情を見せています。
十代の頃の恋する気持ち、親とか教師とか周りの友だちとか、
そんなもので世界がすべてだった時代にグググッと引き戻される、
イヤになるくらい、学園モノはやっぱりいくつになってもいいものです。



10 Things I Hate About You(1999 アメリカ)
監督 ジル・ジュンガー
出演 ジュリア・スタイルズ ヒース・レジャー ジョセフ・ゴードン=レヴィット
   ラリサ・オレイニク デヴィッド・クラムホルツ アンドリュー・キーガン
   スーザン・メイ・プラット ガブリエル・ユニオン ラリー・ミラー
   ダリル・ミッチェル アリソン・ジャネイ



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