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ガリバー旅行記 [映画感想−か]

タイトルのアタマに"ジャック・ブラックの"と絶対に付けるべき!
それぐらいこれは、まさにジャック・ブラックの映画!


ニューヨークの新聞社のメール室で働くレミュエル・ガリバー(ジャック・ブラック)は、
何をやってもダメ男。新聞記者になる夢もいつしか諦めダラダラとした毎日を送っています。
ある日彼は、何年も片思い中の新聞記者のダーシー(アマンダ・ピート)に、
成り行きで自分の書いた文章を読ませることを約束してしまいます。
しかし何を書けばいいのかまったく思いつかず困り果てたガリバーは、
ネットで拾った記事をまるパクリの紀行文を書きますが、そうとは知らないダーシーは、
ガリバーの文才に驚き、彼にバミューダトライアングルの取材を任せます。
意気揚々と一人ボートで海へ出るガリバー。しかし突然の嵐に巻き込まれてしまい、ある島へ漂着。
目覚めた彼は何故か浜辺で縛り付けられていて、その周囲にはとても小さな人々が。
そこは小人たちが住む"リリパット王国"だったのでした。


カラダもデカイが態度もデカイ
gulliver'stravels_1.jpg


本当に今作はジャック・ブラック以外のキャスティングが考えられない!
元々、ジャック・ブラック主演作品にはそういうのが多くて、
今作の主人公ガリバーも予想をまったく裏切らない、いつものジャック・ブラック。
仕事はいい加減、デブでサエない見た目を恥じるでもなく、プライドだけはやたら高い。
そして音楽的センスはなぜか良かったりするところもお約束。
それは『スクール・オブ・ロック』や『ハイ・フィデリティ』『テネイシャスD』
(それに『カンフー・パンダ』ですらも!)などなど、
彼がこれまで演じてきた役柄とまったく同じなのです。
でも、だからつまらないかというとそんなことはなくて、
(・・・あ、このジャック・ブラックのキャラが苦手だったらダメかもですが)
大好きな私のような者には「よっ、待ってました!」の世界なのでした。

ガリバー旅行記は子どもの頃に読んだはずですが、
全部読んだわけではないし、実は記憶もほとんどありません。
ガリバー旅行記と聞くと"小人の国"でガリバーが浜辺で縛り付けられてるといった、
いわゆる"ガリバー"という言葉でまず想起されるあの情景ぐらいしか思いつかないのですが、
今作でもまったくそのまんまのシーンが登場しますし、
パンフレットによるとストーリーも意外にもかなり原作に忠実なのだそうです。
大勢の小人たちがガリバーの背中の上を行進してマッサージしたりとか、
大砲の弾がガリバーの身体に命中したところでなんでもなかったりとか、
そういった小ネタはどれも楽しく、とてもバカバカしい。
どれもジャック・ブラックのだらしない身体を十分に活かしていて、
これが普通の体型の人ではこの可笑しさは物足りないだろうなあと思うし、
こういうところもやはりジャック・ブラックならではの映画だと思います。


ノッてます
gulliver'stravels_2.jpg


ガリバーと小人たちの縮尺の違いはCGによって、
まったく違和感なく描かれていて"怪獣映画"としても十分楽しめます。
ジャック・ブラックは映画『キング・コング』では、キング・コングを捕らえ、
孤島から都会へと連れて行き見せ物にしましたが、
今作での彼はそれとはまったく逆で、彼の方がまさにキング・コング状態。
ガリバーがメアリー王女(エミリー・ブラント)を手で掴んで助け出し、
そっと安全な場所に置く仕草は、どうしてもキング・コングを思い出さずにいられませんでした。
ただこれだけ巨大なものが動き回っていれば、何より振動とか、
風圧とかもスゴイことになって、小人たちなんて簡単に吹っ飛ばされるんじゃないの?
なんてこともつい思ったりしたんですが、まあ大きなお世話です。

ところでこの巨大な人間と小さい人間たちの対比というのはどうしても、
『ナイトミュージアム』でのベン・スティラーとローマ帝国軍やカウボーイらとの、
人間対ミニチュア人形を思い出させます。
今作はこの『ナイトミュージアム』と同じ製作スタッフが関わってるらしいし、
アイディアはアレから来たんだろうなあと容易に想像されるのですが、
というわけで『ナイトミュージアム』を楽しめた人は絶対楽しいはず!
(アレが好きって人、あんまりいないかもなあとも思うんですが・・・)


イザというと弱気
gulliver'stravels_3.jpg


物語ではさらにガリバーが"呪いの島"という、今度は大小が逆転した国に行き、
巨大かつものすごく乱暴な女の子にいたぶられるのですが、
ジャック・ブラックの女装というキワドさも併せてバカバカしくて面白かったです。
随所に散りばめられた『スター・ウォーズ』ネタも楽しいし、
ラストは意外な対ロボット合戦になったりもして、
とにかく盛りだくさんだった気がするのですが、驚くことに上映時間は85分!
お得意のロックで盛り上がろうぜー!なシーンもきちんと挟みつつ、
(エドウィン・スターの『War』で踊るエンディングとか!w)このまとめ方はお見事!
いや、これ以上長いとちょっと飽きちゃったかもなあとは正直思うんですが。

エミリー・ブラントとアマンダ・ピートの2人のヒロインはどちらもチャーミング。
何かとガリバーの助けになったり助けられたりのホレイショ役ジェイソン・シーゲルも、
エミリー・ブラントに合わせてここはもうちょっと若くて普通にイケメンな役者にしてもいいのに、
そうしないところが個人的にはすごく嬉しかったり。
(いや、あの界隈でジェイソン・シーゲルはまだ若くてイケメンな部類なのか?
・・・って、それはないな。)

ちなみに今作は3D作品として公開されたのですが、私は2D字幕版で鑑賞しました。
ガリバーの巨体や、矢や銃弾が飛び交うところとか3Dだと飛び出して来るのでしょうか?
オープニングのニューヨークの景色がチルトシフトな映像でミニチュアのように見えて、
一足先にガリバー気分を味わえる演出なのですが、これが3Dだと楽しかったかな?
と思ったりしましたが、2Dでも十分楽しめました。


Gulliver's Travels(2010 アメリカ)
監督 ロブ・レターマン
出演 ジャック・ブラック ジェイソン・シーゲル エミリー・ブラント
   アマンダ・ピート ビリー・コノリー クリス・オダウド T・J・ミラー



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コメント 4

堀越ヨッシー

こんにちは。
ジャック・ブラックは何をやってもジャック・ブラックなのですね(苦笑)。そういった意味でいうと、「キングコング」での彼の演技は、ある意味貴重なのかもしれません。
 
ところで、ブラック繋がりで「ブラック・スワン」の話を(無理矢理ッ!)。こちらが本題でして、ちょっとお聞きしたいことがありましてコメントしております。
実はオイラも見に行こうとは思っていたのですが、ここにきてひとつの懸念が生じてしまったのです。それはCM上で流れた映像。黒鳥を演じるナタリー・ポートマンの手が翼に変化する場面がありますよね?。アレを見た時「かっちょいい〜!」と素直に感動した訳ですが、同時に「ひょうっとして、アレこそがこの映画における最高の見せ場だったのでは!?」とも思った訳です。最近よくある「予告編でその場面を魅せるなよ〜!」のパターンです(^皿^)。
で、dorothyさんの見解を是非お聞かせ頂けたらなと思いまして。
お手数でなければ、是非そのあたりについてご意見をお聞かせ下さいませ。よろしくお願いしまっす!(^口^)/。
by 堀越ヨッシー (2011-05-21 19:42) 

dorothy

ヨッシーさん、こんにちは。
えーっと、言っちゃっていいんですよね?あの黒鳥部分は確かにクライマックスに近いです。ネタバレじゃん!と怒ってる人もいました。だからといってストーリーや結末に影響するということでもないんですが。
で、おそらくヨッシーさん的には黒鳥の造形に興味がおありなんでしょうけど、どれぐらいああいうシーンがあるのか、ということなんでしょうか?
難しいなあ...これは観てくださいとしか言えないですねー。彼女がどんな風に黒鳥と化していくかはなかなか見応えがあるし、翼だけじゃなく○○とか●●とかも...と言ってもいいかもだし(うわあ、バラし過ぎてる!?)。ただそういうのがメインではなく、ぶっちゃけ私はホラー映画だと思ったので、怖いのとかイタイのとかがお好きだったらきっと満足されると思いますよ。なんにしても観てソンはない作品だと思います。
で、私の感想は...すいません、なるべく早く書きたいと思ってます。(最近コレばっか!)

by dorothy (2011-05-22 02:45) 

堀越ヨッシー

変な質問にも関わらず、回答ありがとうございます!(^皿^)>。
なんとなく劇場で見なくてもいいかなあ?...と最近は思ったりしてたんですが、やはりナタリー・ポートマンの頑張りを見とくべきなのでしょうか?....ムムッ、検討してみます。
でも、今や心は「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」に傾いているオイラです(^皿^)。
by 堀越ヨッシー (2011-05-22 17:52) 

dorothy

ヨッシーさん、ふたたびこんにちは!
確かに大きいスクリーンじゃなきゃダメ!みたいな作品ではないんでDVDでもいいかなあ。
微妙に鳥肌(本当の意味の鳥肌!)になる絵なんかも別に大きい画面じゃなくてもいいかも。
でも、とても万人向けじゃないこの作品が興行成績1位になってるという「事件」を体験しておくのも話のタネとしてはいいかなあと思ったりします。
by dorothy (2011-05-23 01:19) 

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