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ファニー・ガール [映画感想−は]

子どもの頃に観たはずなのですが、ほとんど記憶になく初見に近い状況。
序曲やインターミッションもある150分の超大作!
実はドラマ『glee(グリー)』にすっかりハマっているもので、
だから観なくてはいけない作品だったのです!
その説明は後ほど。


下町のボードビルショーの踊り子ファニー・ブライス(バーブラ・ストライサンド)は、
なぜかいつも失敗ばかり。しかしある日この彼女の失敗が観客に大受けし、
彼女は劇場の看板スターとなります。
そんな彼女の前に現れたのはギャンブラーのニック(オマー・シャリフ)。
二人は惹かれ合いますが、互いに気持ちを表せないまま別れてしまいます。
そんな時、ブロードウェイの大興行師ジーグフェルド(ウォルター・ピジョン)が、
ファニーをスカウト、彼女は一躍トップスターとなりますが・・・。


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ドラマ『glee』で、ミュージカルスターを目指す女子高生レイチェルが、
この映画の中の1曲『パレードに雨を降らせないで(Don't Rain On My Parade)』
を歌うエピソードがあります。
この曲の入った『glee』のサントラを繰り返し聴いているので、
これはすっかりお馴染みの曲となっているのですが、
昨年のトニー賞でもレイチェルを演じるリア・ミシェルが、
ステージでこの曲を披露したりということもあって、
私の中ではすっかりレイチェルといえばコレ!という曲になっているのです。
ほかにもレイチェルは別のエピソードで『マイ・マン(My Man)』を歌ったり、
ライバル校グリー部の顧問シェルビー(イディナ・メンゼル)が、
『ファニー・ガール(Funny Girl)』を歌うエピソードがあったりと、
『glee』を楽しむためにこの作品は観ておいてソンはない作品と言えると思います。

オリジナルであるバーブラの歌うシーンはYouTubeで観たりもしていたのですが、
今回観ていて劇中でこの曲が始まるとさすがにぞくっと鳥肌が立ってしまい、
なるほどこういう展開でこの曲が歌われるのかあと感心というか感動に近いものがありました。
この作品は実在したミュージカルスター、ファニー・ブライスの生涯を題材にし、
バーブラのために書かれたブロードウェイ作品で、これはその映画化であり、
彼女の映画初出演作品でもあります。
モデルとなったファニー・ブライスのことはまったく知らないのですが、
この通りの人であったのだとしたらかなり個性的で勝ち気、歌の才能は言うまでもなく、
おそらくバーブラはまさに適役だったんだと思います。
実在の人物をモデルにしていながらも、物語としては確かにドラマチックで波瀾万丈。
・・・ですが、私はどうもお話自体にいまひとつ乗り切れませんでした。


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というのも、この主人公ファニーの行動や性格がどうしても好きになれないのです。
まだ新人の立場でありながらステージでいきなり勝手なアドリブを加えてみたりして、
結果的に観客からは喝采を浴び、周囲は彼女を認めざるを得なくなるのですが、
いかにも映画的ありがちな展開ではありますが、何かスッキリしないものを感じてしまいました。
スターになってからも恋人のあとを追ってステージをキャンセルしたりと、
仕事より恋を選んだとかなんとか言えなくもないのですが、
周りからみたらたまったもんじゃないだろうなあとどうしても思ってしまったのでした。
まあステージ上のことは結果オーライだし、恋愛を優先するのもドラマとしてはアリですが、
それがなんかなあと思ってしまうのは、脚本や演出にミュージカル特有のあっけらかんさというか、
基本的な明るさとかいい意味の脳天気さのようなものが少なくて、
長尺のせいもあってかどこかテンポの悪さを感じてしまい、
前半はまあまだあれやこれやで明るくテンポ良く進みはするのですが、
後半になると、物語の暗い展開どおりに深刻になっていくのです。

一番のハマれないポイントは、だいたいあんな胡散臭い男を好きになってしまう時点で・・・と、
それを言ったらオシマイなことかも知れないのですが、どうもここに乗れない点があった気がします。
事実だから仕方ないのかも知れないし、イマイチな男に引っかかってしまったのならそれはそれで、
それでも彼女の芸の肥やしとなりそして彼女たちは舞台へ向かった・・・オシマイ、
でいいはずなのですが、中途半端に深刻な方向に持って行ってしまった感じだし、
ここはジーン・ケリーやダニー・ケイの作品のように、もう少し泣き笑いな感じで終えて欲しかったです。
あるいは、全体を短めにテンポ良くしてドラマチックさを減らしても良かったかも。
それと、ニックを演じているオマー・シャリフがどうも精彩に欠けるというのか、
何かひとつ物足りなさがあって、この人もう少し魅力的な人じゃなかったかなあ、
『ドクトル・ジバゴ』とかもうちょっとステキだった気がするんだけど、
なんてことも思ったりしました。


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歌われる曲はバーブラの歌唱力もあってどれも魅力的ではあるのですが、
特別印象的なものがあるかというと微妙な気もしました。
それこそ『glee』のことがなければ曲そのものにはあまり関心を寄せなかったかなと思います。
ただ『パレードに雨を降らせないで』は確かに前半のクライマックスで、
ロケ撮影も交えた映像はなかなか見応えはあります。
こんな風にドカンと見せるシーン、聴かせる曲がもうちょっとあると良かったかな。
こういう超大作ミュージカルは思いっきり夢を見せて、聴かせて欲しいと思うのです。
しかしバーブラの歌は本当に素晴らしいし、演技もルックスも若くてカワイイ。
今回観ていてつくづく思ったのは、彼女は本当にジェニファー・アニストンに似てるなあということ。
いや逆かな?ジェニファー・アニストンのコメディ演技は絶対にバーブラから来ていると確信。
しゃべり方や表情、身体の動きからヘアスタイルまで本当にそっくりで驚きました。


Funny Girl(1968 アメリカ)
監督 ウィリアム・ワイラー
出演 バーブラ・ストライサンド オマー・シャリフ アン・フランシス
   ウォルター・ピジョン


ファニー・ガール [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


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