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ウォーリー [映画感想−あ]

以前、こんな記事を書いてぼやいたんですが、
やーーーーーーっと観ました。ウォーリーに会えました!


汚染された地球から人間たちが去って700年経った29世紀。
そんな誰もいなくなった地球で、量産型ゴミ処理ロボットのウォーリーは、
それでもただ1人黙々とゴミ処理を続けていました。 
ところがある日、ウォーリーの目の前に巨大な宇宙船が着陸、
白く輝く最新型ロボットを置いていきます。
地球探査を目的としたそのロボットの名前はイヴ。
彼女に一目惚れしたウォーリーはあの手この手で彼女の気を惹こうとします。
少しずつ打ち解け合う2人、しかしウォーリーが差し出したあるモノを見た瞬間、
イブは動かなくなってしまい、翌日、再びやって来た宇宙船が彼女を回収してしまいます。
慌てたウォーリーは宇宙船を追いかけますが・・・。


充電中
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『トイ・ストーリー』以降、こういったフルCGアニメを観るたびに、
こんなスゴイ映像を観て育つ今の子どもたちは、
確実に私なんかとは違う脳みそを持って大人になるんだろうなあといつも思います。
どう見たって実写。私が今子どもだったらウォーリーは絶対実在すると思うでしょう。
というわけでこの作品は、ウォーリーの愛らしい仕草やわかりやすいストーリーで、
子どもにも理解しやすい作りとなっていますが、
そうは言っても完全にお子さま向けとは言えない、
むしろ大人が観てニヤリとしてしまう仕掛けがたっぷりです。
ゴミ処理の合間にウォーリーが集めるお宝?は大人ゴコロをくすぐるものばかりだし、
ウォーリーが自分の家にイヴを連れて来て、長年集めたそんな宝物を、
イヴにこれ見て!これはどう?みたいに次々見せていく、その落ち着かない様子とか、
実に愛らしくわかりやすく、言ってみればベタな恋物語の雰囲気です。
ハッキリ言ってハリウッド的お約束というのか、
こういう場面では登場人物がこう動くだろうというのを、
裏切ることなくウォーリーたちに演じさせている。
そのあたりが絶妙で上手いなあと思うし、映画的楽しさで溢れています。
ネタ切れと言われ、なかなか面白い映画が作れなくなってしまったハリウッドで、
それを逆手に取るかのように"お約束"に満ちた話を作る。
しかもそれを、今まで誰も観たことのない想像力溢れる素晴らしい映像に乗せる。
これは素直にスゴイとしか言えません。


悲しいけど、ちょっぴり幸せ
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最初の30分は各所での評判通りの完璧な出来。
映像の美しさ、ストーリー展開、どこを取っても完璧だと思いました。
この前半が素晴らし過ぎるせいで、後半も十分良い出来なのにちょっと・・・と思ってしまう。
いっそ宇宙船にイヴが回収されたところでオシマイという、
短編作品にしてしまっても良かったかも、とすら思ってしまいました。
映画『ハロー・ドーリー!』の部分と、フレッド・ウィラード演じるBNLのCEOの映像、
宇宙船のプロモーションビデオや、船長がコンピュータに調べさせる地球の検索結果など、
何ヶ所かで実写の部分が登場します。
これが不思議に違和感がないのは、やはり風景やウォーリーたちの質感のリアルさ、
先ほども書いたようにどう見ても実写に見えるせいかも知れません。
それだけに、後半登場する人間たちにはどうしても違和感を感じてしまいます。
この手のアニメーション作品ではどんなに映像がリアルになっても、
人間の表現だけはやはり難しいのかも知れません。
だからいっそのこと最初からアニメーションとして描くか、
人間は登場させない(昔からよくある、足だけしか見せないとか)、
あるいは実写にするのがいいんじゃないかと思います。
未来の人間たちは自分でマトモに歩けないぐらい肉体的に変化しているのだから、
あのアニメーションとしての表現は、あれはあれで良いと思うのですが、
それなら最初からCEOなんかも実写じゃなくアニメで良かったんじゃないかな、と思いました。
そうすると『ハロー・ドーリー!』の映像が浮いてしまうとか?・・・うーん、微妙。

それにしても未来の人間の描写はかなり強烈。
今でも十分アレに近い人or予備軍はいっぱいいそうですが。
あんな生活を700年もやってたら、もっといろいろ退化しちゃってるんじゃないかと思うし、
どこかで気が付くだろうとも思うんですが、まあそういうツッコミたくなる部分はたくさんあります。
でも細かいツッコミは無粋というもの。主題はウォーリーとイヴのラブストーリーだし!(キッパリ)


行けーーー!
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個人的にはウォーリーの充電完了音にマイッタ!
観る前にウォーリーがMacの進化形と聞いて、それってどういうこと?と思ってたのですが。
あの起動音はマカー心をくすぐります。
ほかにも、確かイヴと頭をコンッとした時にMacの警告音の"Ping"が聞こえたし、
そういう細かいことがいちいちウレシイです。
エンドロール最後のピクサーロゴでのルクソーJr.とウォーリーの共演も感動してしまいました。

誰もいない地球に1人ぼっち(お友だちのゴキちゃんはいますが)って、
しかも700年って、当然想像できない状況なのですが、
『アイ・アム・レジェンド』の時も思ったのですが・・・ちょっとだけ楽しそう!
でももし自分だけが地球に1人取り残されたとしても、
ウォーリーは最初から1人ぼっちのロボットだから孤独の感覚は違うと思うし、
まわりの人間が死に絶え、恐ろしい敵に狙われ・・・の、
ウィル・スミス的状況はこれまた意味が違って来ちゃうし、
何にしてもおそらく3日で耐えられなくなるとは思うんですが。
でもお友だちのゴキちゃんや賢い犬が一緒なら、
いろいろモノ集めに行く日々というのは楽しそうだなあと思う私はヘンでしょうか?
とは言っても、手を繋ぐ相手がいない孤独はやはり切ない。
このところちょっと心が弱っていたので、
ウォーリーの健気さ、イヴとの恋の成り行きは胸を締め付けっぱなしで、
かなり早い時点からうるうるしながら観てしまいました。
今さらですが、今頃観た私が言うのもナンですが、
観てない人、観てください!アニメだと敬遠してる人、観て損はない!
胸キュン必至のラブストーリー、信じられないぐらい美しい映像、
本当に良くできた作品です。どうぞDVD or ブルーレイで!


WALL·E(2008 アメリカ)
監督 アンドリュー・スタントン
出演 フレッド・ウィラード 
声の出演 ベン・バート エリサ・ナイト ジェフ・ガーリン ジョン・ラッツェンバーガー
     キャシー・ナジミー シガニー・ウィーバー



ウォーリー 初回限定 2-Disc・スペシャル・エディション (初回限定) [DVD]

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堀越ヨッシー

こんにちは(^皿^)。
遂に見られたのですね!。dorothyさん的には人間の実写部分とCG製の人間が混同する点が今イチだったようですが、オイラ的にはさほど気にはなりませんでしたね(「ハッピー・フィート」も同じ感じでしたが、オイラ的には無問題でした)。
物語の素晴らしさは言わずもがなですが、一方でマックの起動音に代表されるような小ネタが満載で、そういう部分でも楽しい作品でした。
 
dorothyさんの記事の中の一文〜“ウォーリーは最初から一人ぼっちのロボットだから...”という部分を読みながらふと考えてしまいました。
ウォーリーも最初は仲間のロボットたちと一緒に働いていたから孤独ではなかったですよね。それが一台、また一台と壊れ始めて徐々に仲間が少なくなっていく...そんな中で目覚めた自我。きっと最後の方はとっても切なかったんじゃないでしょうか?。そこから更に孤独な生活が始まる訳ですから、寂しさもひとしおです。
でも、その割りには壊れた仲間のキャタピラやいろんな部分をちゃっかり拝借したりしてるんですけどね(^皿^)。
 
長文、失礼致しました〜(汗)。
by 堀越ヨッシー (2009-05-26 08:18) 

dorothy

ヨッシーさん、こんにちは。
実写が登場すること自体はそんなに気にならなかったんですが、
実写映像があってそのあとに登場するのがあの未来人というのがどうも・・・。
かといってあの太った人たちを実写(風)にしたらもっとヘンかもと思うんですけどね。

>ウォーリーは最初から一人ぼっちのロボット
このあたりは実はよくわからなかったんですよ。
ウォーリーが感情を持つようになったのは1人になってからなんですよね?
700年前は人間やほかのロボットのことをどう思ってたのか、
コミュニケーション能力があったのかとかわからなかったし、
最後の、イヴを認識出来なくなった時のウォーリーの様子が元々の姿なのかな、と。
そうそう、仲間の部品をもらっちゃうのもどんな気持ちなんだろう?と思いました。
長年の間に身についたサバイバル意識?元々そういう風にプログラムされてた?
・・・というわけで『ハロー・ドーリー!』を観て他者という存在を知り、
そこから孤独という意識も芽生えたかな、と思ったんです。
う〜む悩む!もう一回じっくり観ます。特典映像もまだ観てない(涙)。


by dorothy (2009-05-26 23:40) 

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