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コーチ・カーター [映画感想−か]

落ちこぼれ生徒が熱血教師の指導の下、勝利する、成功を収める、大学に受かる、デビューする、
お金持ちになる、カワイイ彼女もゲット・・・なんて話は、
これまでにいくつもいくつもいくつも作られた話で、
これもそういう仲間に入れていい作品なんですが、
この作品に於いては、サミュエル・L・ジャクソンが主役である、という点に、
かなりのプラスポイントが付くところがほかとは違う作品だと思います。

バスケットの強さはそこそこ。でも、チームワークやメンバーの性格的に難はあるし、
学校の成績はみんなまるでダメだし、家庭や地域の環境もかなり悪い。
そんな高校のバスケット部のコーチを依頼されたスポーツ用品店主ケン・カーター。
就任したらいきなり生徒たちと契約書を交わします。
成績を上げる、授業には必ず出て一番前の席に座る、試合の時はネクタイ締めてこい・・・などなど。
ほかにも、お互い尊敬して"サー"を付けて呼び合う、"ニガー"は使わない、
練習に遅刻したら腕立て伏せ、なんてのもどんどん追加されます。

とにかく説教先生サミュエルのスピーチが聞いていて心地よい。ほとんど独演会です。
話だけ聞くとデンゼル・ワシントンあたりがやってもいいような役ですが、
この演説っぷりはサミュエルでないと!と思わせるものがあります。
デンゼル・ワシントンだとスマートすぎて、やってることにも筋が通っていて、
あっという間に生徒たちを優勝に導きそうですが、そうならないのがさすが。
途中これでいいのか、というカーターの苦悩も見せますし、本当にこれは100%サミュエル映画です。


この眼差しにもシビレます・・・
Coach Carter1.jpg


過去にかなりの活躍をしたOBとはいえ、
今はただのスポーツ用品店の社長でしかないのにエラソー過ぎないか?と思うのですが、
この高校の校長もそう思ってか、最初はあまり相手にしません。
この校長や、親たちの言う「生徒たちはバスケをやってるときだけ輝ける」
「彼らには今しかいい時はない」といった主張はもっともなことです。
日本でもそういうことは多少なりともあるでしょう。
アメリカの場合それはもっと顕著なようで、バスケットに限らず野球やフットボールなど、
高校時代にどんなに活躍してもプロになれるのはほんの一握り。というかひとつまみ以下。
ほとんどの選手たちは大学にも行けず、地元でそのまま地味な一生を終えるのです。
そしてそれが黒人であれば、かなりの確率で犯罪者となってしまうということも劇中で語られます。
そこをカーターはなんとか、今の目先の栄光だけじゃなく、先を見据えた生き方をして欲しいと願います。
自分の息子を名門校に入れていたのもそういう理由でしょう。

このカーターという人は実在する人だそうで、ラストには生徒たちのその後も説明されます。
その「実話」であることがネックでもあるのか、全体的に深みがないというか、
それぞれの生徒たちのエピソードに、もう一歩突っ込んで欲しい部分も多かった。
妊娠したガールフレンドとか、クスリの売人との関係などがわりとあっさり描かれていて、
本当はもっとドロドロしてたり血みどろだったり、ダークな部分があっても良いと思いました。
その辺はちょっとなまぬるく見えて、かえって真実味をなくしてるように思いました。


こちらが本物のケン・カーターさん。なかなかカッコ良い
Coach Carter2.jpg


それはそれとして、何度も言いますが、これはサミュエルを堪能する作品。
まあ、得意の"F**K"がまったく出てこないのがちょっと寂しい気もしました・・・。


Coach Carter(2005 アメリカ)
監督 トーマス・カーター
出演 サミュエル・L・ジャクソン リック・ゴンザレス ロブ・ブラウン ロバート・リチャード アシャンティ



コーチ・カーター スペシャル・コレクターズ・エディション

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  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • メディア: DVD


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