タロットカード殺人事件 [映画感想−た]
『それでも恋するバルセロナ』もうすぐ公開!・・・と、その前に、
すっかり見忘れていたウディ・アレンの前作をようやく鑑賞。
アメリカ人女子大生サンドラ(スカーレット・ヨハンソン)は、
夏休みに友人のヴィヴィアン(ロモーラ・ガライ)を訪ねてロンドンに遊びに来ていました。
ある日、ヴィヴィアンと一緒に訪れたマジックショーでサンドラは、
マジシャンのスプレンディーニことシド(ウディ・アレン)の舞台に上がり、
人間を消すマジックボックスに入ります。
するとそこに、3日前に急死した新聞記者ストロンベル(イマン・マクシェーン)が現れ、
近頃ロンドン中を震撼させているタロットカード殺人事件の犯人が、
貴族のピーター・ライモン(ヒュー・ジャックマン)であると告げられます。
ジャーナリスト志望であるサンドラはこの世紀の大スクープの裏を取るため、
シドと共にピーターに近づくことにしますが・・・。
とりあえず親子
『マッチポイント』に続いて再び舞台をロンドンにし、
アレンの新ミューズ、スカーレット・ヨハンソンを再び主役に迎えた今作。
でも今回は、重苦しさすら感じられた『マッチ〜』とは一転、
ウディ・アレンお得意の軽やかさが心地よくまとまった作品となっていました。
『僕のニューヨークライフ』以来のアレン出演作ですが、
さすがにもう恋愛モノの主人公になるには年を取りすぎと自覚したのか、
せっかく愛しのスカジョをキャスティングしても、
役柄は事件解決のための彼女の相棒であり、表向きには”パパ”になるハメに。
これって内心は悔しかったりするのかな?
まあでも、相変わらずの好きな女優に対するストレートな愛情表現というのか、
ヒッチコックみたいに屈折してないところは憎めない。
実は今回、アレンが思いっきりヘタクソなマジシャンっぷりで登場した時は、
なぜかものすごく嬉しい気持ちになってしまいました。
なんだかすっかりおじいちゃんで、そのおじいちゃんぶりが可愛くて愛おしくて。
観るまではヒュー・ジャックマンが一番楽しみだったりしたのですが、
私、こんなにウディ・アレン好きだったかなあ?と自分で自分が不思議なくらいでした。
恋しちゃいました
連続殺人事件の真相を追ってにわか探偵となるサンドラとシド。
でも、スリルやサスペンスや凶器や死体なんかはまるっきり登場せず、
誰が犯人かなんて謎解きも実はほとんどどうでもよくて、
ただただ、ニセ父娘の2人がしゃべりまくり、ドタバタしまくる様子が楽しくてしょうがない。
二言も三言も多いシドはあちこちでカードマジックを披露し、
つい出てしまうジョークや言い訳でおろおろしたり、
簡単な数字が思い出せなくて、あ〜もう!な感じになって、
そんな"父親"の様子を横で睨みつけるナタリーも最初の目的を忘れ、
徐々にピーターに夢中になってしまいます。
スカーレットのしゃべりまくりはちょっと無理して頑張ってる感じではありましたが、
メガネでドジッ子な雰囲気はとても可愛くてハマッていました。
ヒュー・ジャックマンはおそらく狙い通りの上品で良い人そうなピーターを上手に演じてるのですが、
スカジョ&アレンコンビの飛ばしっぷりの前では、かなり影が薄くてかわいそうでした。
犯人逮捕?
相変わらずのユダヤ人ネタとか、イギリス人に対する卑屈な感じとか、
お約束と言っていいぐらいなんですが、本当に心地いい笑いの元がいっぱいで、
ウディ・アレン好きなヒトはこういうところが好きだっていうツボをちゃんと押さえています。
一番のお気に入りは、やはりあの世行きの船!
日本で言うところの三途の川の渡し船?微妙に違う感じですが。
船首に立つ死神とか、妙にリラックスしてる死んじゃった人たちとか、いいなあ。
なんだか、死ぬのもいいかもと思わせるところ、さすがです。
ラストもそう持って行くか!という。わかりやすくてちゃんとオカシイ。
とにかくずっとニコニコの96分でした。
年1本の製作ペースを守り続けているウディ・アレン。
しかも毎回違ったアプローチ(まあいくつかのパターンには分けられるかもですが)で、
どうしてこう次々にアイデアが生まれていくのか、心から尊敬してしまいます。
このところのスカジョのように、お気に入り俳優を続けて使ったりもしますが、
新しい俳優をどんどん起用していく柔軟さもエライなあと思います。
それにしても、もうニューヨークには戻らないのでしょうか?
今回シドに「ロンドンはいいところだけど定住する気はない」なんて言わせてましたが、
これは本音なのかどうなのか。もちろんこれは「車線が逆だから」ということで、
今作のラストの伏線になってるからでもあるんですが。
個人的にはまたいつか、マンハッタンを描いて欲しいです。
Scoop(2006 イギリス/アメリカ)
監督 ウディ・アレン
出演 スカーレット・ヨハンソン ヒュー・ジャックマン ウディ・アレン
イアン・マクシェーン ロモーラ・ガライ
すっかり見忘れていたウディ・アレンの前作をようやく鑑賞。
アメリカ人女子大生サンドラ(スカーレット・ヨハンソン)は、
夏休みに友人のヴィヴィアン(ロモーラ・ガライ)を訪ねてロンドンに遊びに来ていました。
ある日、ヴィヴィアンと一緒に訪れたマジックショーでサンドラは、
マジシャンのスプレンディーニことシド(ウディ・アレン)の舞台に上がり、
人間を消すマジックボックスに入ります。
するとそこに、3日前に急死した新聞記者ストロンベル(イマン・マクシェーン)が現れ、
近頃ロンドン中を震撼させているタロットカード殺人事件の犯人が、
貴族のピーター・ライモン(ヒュー・ジャックマン)であると告げられます。
ジャーナリスト志望であるサンドラはこの世紀の大スクープの裏を取るため、
シドと共にピーターに近づくことにしますが・・・。
とりあえず親子
『マッチポイント』に続いて再び舞台をロンドンにし、
アレンの新ミューズ、スカーレット・ヨハンソンを再び主役に迎えた今作。
でも今回は、重苦しさすら感じられた『マッチ〜』とは一転、
ウディ・アレンお得意の軽やかさが心地よくまとまった作品となっていました。
『僕のニューヨークライフ』以来のアレン出演作ですが、
さすがにもう恋愛モノの主人公になるには年を取りすぎと自覚したのか、
せっかく愛しのスカジョをキャスティングしても、
役柄は事件解決のための彼女の相棒であり、表向きには”パパ”になるハメに。
これって内心は悔しかったりするのかな?
まあでも、相変わらずの好きな女優に対するストレートな愛情表現というのか、
ヒッチコックみたいに屈折してないところは憎めない。
実は今回、アレンが思いっきりヘタクソなマジシャンっぷりで登場した時は、
なぜかものすごく嬉しい気持ちになってしまいました。
なんだかすっかりおじいちゃんで、そのおじいちゃんぶりが可愛くて愛おしくて。
観るまではヒュー・ジャックマンが一番楽しみだったりしたのですが、
私、こんなにウディ・アレン好きだったかなあ?と自分で自分が不思議なくらいでした。
恋しちゃいました
連続殺人事件の真相を追ってにわか探偵となるサンドラとシド。
でも、スリルやサスペンスや凶器や死体なんかはまるっきり登場せず、
誰が犯人かなんて謎解きも実はほとんどどうでもよくて、
ただただ、ニセ父娘の2人がしゃべりまくり、ドタバタしまくる様子が楽しくてしょうがない。
二言も三言も多いシドはあちこちでカードマジックを披露し、
つい出てしまうジョークや言い訳でおろおろしたり、
簡単な数字が思い出せなくて、あ〜もう!な感じになって、
そんな"父親"の様子を横で睨みつけるナタリーも最初の目的を忘れ、
徐々にピーターに夢中になってしまいます。
スカーレットのしゃべりまくりはちょっと無理して頑張ってる感じではありましたが、
メガネでドジッ子な雰囲気はとても可愛くてハマッていました。
ヒュー・ジャックマンはおそらく狙い通りの上品で良い人そうなピーターを上手に演じてるのですが、
スカジョ&アレンコンビの飛ばしっぷりの前では、かなり影が薄くてかわいそうでした。
犯人逮捕?
相変わらずのユダヤ人ネタとか、イギリス人に対する卑屈な感じとか、
お約束と言っていいぐらいなんですが、本当に心地いい笑いの元がいっぱいで、
ウディ・アレン好きなヒトはこういうところが好きだっていうツボをちゃんと押さえています。
一番のお気に入りは、やはりあの世行きの船!
日本で言うところの三途の川の渡し船?微妙に違う感じですが。
船首に立つ死神とか、妙にリラックスしてる死んじゃった人たちとか、いいなあ。
なんだか、死ぬのもいいかもと思わせるところ、さすがです。
ラストもそう持って行くか!という。わかりやすくてちゃんとオカシイ。
とにかくずっとニコニコの96分でした。
年1本の製作ペースを守り続けているウディ・アレン。
しかも毎回違ったアプローチ(まあいくつかのパターンには分けられるかもですが)で、
どうしてこう次々にアイデアが生まれていくのか、心から尊敬してしまいます。
このところのスカジョのように、お気に入り俳優を続けて使ったりもしますが、
新しい俳優をどんどん起用していく柔軟さもエライなあと思います。
それにしても、もうニューヨークには戻らないのでしょうか?
今回シドに「ロンドンはいいところだけど定住する気はない」なんて言わせてましたが、
これは本音なのかどうなのか。もちろんこれは「車線が逆だから」ということで、
今作のラストの伏線になってるからでもあるんですが。
個人的にはまたいつか、マンハッタンを描いて欲しいです。
Scoop(2006 イギリス/アメリカ)
監督 ウディ・アレン
出演 スカーレット・ヨハンソン ヒュー・ジャックマン ウディ・アレン
イアン・マクシェーン ロモーラ・ガライ
タグ:映画
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