探偵<スルース> [映画感想−た]
1972年製作のイギリス映画。
ジュード・ロウ主演でリメイクされたものを観たくて、
その前に名作と名高いオリジナルを鑑賞しました。
世界的に有名な推理作家アンドリュー・ワイク(ローレンス・オリヴィエ)は、
自分の妻の愛人である美容師マイロ・ティンドル(マイケル・ケイン)を自宅に呼びます。
妻とマイロの関係を既に承知しているワイクは、
マイロに保険金目当てのニセの強盗話を持ちかけます。
そのことで妻はマイロに譲り、自分は愛人のティアと一緒になるというもの。
マイロは戸惑いながらもその話に乗るのですが・・・。
ワイクと親友?ジャック・ター
ジョセフ・L・マンキーウィッツ最後の監督作で、
ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインは今作でアカデミー賞主演男優賞にダブルノミネート。
・・・などなど、タイトルやこういった諸々のことの知識だけはあったのですが、
詳しい内容は知らず、ほぼまっさらな状態で観たので心の底から楽しめました。
元は『フレンジー』や『ウィッカーマン』『ナイル殺人事件』などの脚本家、
アンソニー・シェーファーの戯曲だそうで、出演者はオリヴィエとケインの2人のみ。
(と、こう書くと若干ネタバレに触れてしまうのですが、
まあ昔の作品だし、オープニングから注意深く観ていれば、
その他の登場人物については容易に気が付くことなので、まあ、いいかな)
舞台は屋敷内(と庭が少し)だけという密室劇で、2人の激しいセリフの応酬が続きますが、
138分、まったく飽きさせることなく一気に見せてくれます。
いかにも舞台劇のような、少々オーバーアクトな感じに最初はちょっと戸惑いましたが、
その過剰さは2人のゲームの中で必要な"演技"であるからだとわかると、ああなるほどと納得します。
マイロはピエロ
二転三転、どんでん返しなんて言葉が生易しいくらい。
2人は互いに騙し騙され、そして観ているこちらも騙し続けます。
オープニングのタイトルロールのところから既にトリックがあるし、
意味ありげに映し出されるものに意味があるのか、
見えているものは果たして思っている通りのものなのかとか、
オチがわかったあとでも何度でも見直してみたくなります。
ワイクはゲームが大好きで、屋敷内にはあらゆるゲームや仕掛けがあり、
いわゆるからくり人形の類がそこらじゅうにあって、2人の騙し合いを冷めた目で見つめています。
この時折挿入される人形たちの表情がすごくいい。
ワイクとマイロだけのやり取りを、彼らがすべて見つめ続けている。
人形たちは少ない登場人物を補う、良い脇役となっていました。
それにしてもよくこんなに集めたなあと感心します。
ちょっと不気味さもあるけど、この屋敷で一日遊んでみたいなあ。
ゲームは続く
そんなワイクが仕掛けた究極のゲーム。
最初はマイロを貶めることのみが目的だったはずで、そしてそれは一応成功します。
しかしそのゲームを始めた結果がどうなるのかまでワイクには思いが至らなかったのか、
次のゲームでは形勢逆転・・・かと思うとさらに逆転と、
2人のゲームはどこまでもどこまでも終わらないように思えます。
どちらが主導権を握り、どちらが優位に立つか、
そしてどうなれば勝敗が決まりゲームオーバーとなるのか。
ラストシーンになっても、まだどんでん返しがあるんじゃないかと思ってしまうし、
ずっとずっと続いて欲しいような気すらしました。
この面白さを今まで知らなかったなんて。
ぜひ1人でも多くの人に観て欲しい・・・と思ったらDVD未発売!
リメイク版の発売と同時に出して欲しかった。
でもそうするとリメイクのほうがかすむと思ったのでしょうか?
あまり評判のよろしくないジュード・ロウ版の感想は明日にでも。
Sleuth(1972 イギリス)
監督 ジョセフ・L・マンキーウィッツ
出演 ローレンス・オリヴィエ マイケル・ケイン
ジュード・ロウ主演でリメイクされたものを観たくて、
その前に名作と名高いオリジナルを鑑賞しました。
世界的に有名な推理作家アンドリュー・ワイク(ローレンス・オリヴィエ)は、
自分の妻の愛人である美容師マイロ・ティンドル(マイケル・ケイン)を自宅に呼びます。
妻とマイロの関係を既に承知しているワイクは、
マイロに保険金目当てのニセの強盗話を持ちかけます。
そのことで妻はマイロに譲り、自分は愛人のティアと一緒になるというもの。
マイロは戸惑いながらもその話に乗るのですが・・・。
ワイクと親友?ジャック・ター
ジョセフ・L・マンキーウィッツ最後の監督作で、
ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインは今作でアカデミー賞主演男優賞にダブルノミネート。
・・・などなど、タイトルやこういった諸々のことの知識だけはあったのですが、
詳しい内容は知らず、ほぼまっさらな状態で観たので心の底から楽しめました。
元は『フレンジー』や『ウィッカーマン』『ナイル殺人事件』などの脚本家、
アンソニー・シェーファーの戯曲だそうで、出演者はオリヴィエとケインの2人のみ。
(と、こう書くと若干ネタバレに触れてしまうのですが、
まあ昔の作品だし、オープニングから注意深く観ていれば、
その他の登場人物については容易に気が付くことなので、まあ、いいかな)
舞台は屋敷内(と庭が少し)だけという密室劇で、2人の激しいセリフの応酬が続きますが、
138分、まったく飽きさせることなく一気に見せてくれます。
いかにも舞台劇のような、少々オーバーアクトな感じに最初はちょっと戸惑いましたが、
その過剰さは2人のゲームの中で必要な"演技"であるからだとわかると、ああなるほどと納得します。
マイロはピエロ
二転三転、どんでん返しなんて言葉が生易しいくらい。
2人は互いに騙し騙され、そして観ているこちらも騙し続けます。
オープニングのタイトルロールのところから既にトリックがあるし、
意味ありげに映し出されるものに意味があるのか、
見えているものは果たして思っている通りのものなのかとか、
オチがわかったあとでも何度でも見直してみたくなります。
ワイクはゲームが大好きで、屋敷内にはあらゆるゲームや仕掛けがあり、
いわゆるからくり人形の類がそこらじゅうにあって、2人の騙し合いを冷めた目で見つめています。
この時折挿入される人形たちの表情がすごくいい。
ワイクとマイロだけのやり取りを、彼らがすべて見つめ続けている。
人形たちは少ない登場人物を補う、良い脇役となっていました。
それにしてもよくこんなに集めたなあと感心します。
ちょっと不気味さもあるけど、この屋敷で一日遊んでみたいなあ。
ゲームは続く
そんなワイクが仕掛けた究極のゲーム。
最初はマイロを貶めることのみが目的だったはずで、そしてそれは一応成功します。
しかしそのゲームを始めた結果がどうなるのかまでワイクには思いが至らなかったのか、
次のゲームでは形勢逆転・・・かと思うとさらに逆転と、
2人のゲームはどこまでもどこまでも終わらないように思えます。
どちらが主導権を握り、どちらが優位に立つか、
そしてどうなれば勝敗が決まりゲームオーバーとなるのか。
ラストシーンになっても、まだどんでん返しがあるんじゃないかと思ってしまうし、
ずっとずっと続いて欲しいような気すらしました。
この面白さを今まで知らなかったなんて。
ぜひ1人でも多くの人に観て欲しい・・・と思ったらDVD未発売!
リメイク版の発売と同時に出して欲しかった。
でもそうするとリメイクのほうがかすむと思ったのでしょうか?
あまり評判のよろしくないジュード・ロウ版の感想は明日にでも。
Sleuth(1972 イギリス)
監督 ジョセフ・L・マンキーウィッツ
出演 ローレンス・オリヴィエ マイケル・ケイン
タグ:映画
これは素晴らしいですよね。
はるか昔に見たのでかなり忘れていますが、また見てみたいと思います。
by きさ (2009-06-13 13:20)
面白いと風の噂に聞いてるので、これは一度見てみたいと思ってる作品なのですが、なかなか機会がなくて残念。今やすっかりおじいちゃんとなったマイケル・ケインしか知らないので、若かりし頃のケインも見てみたいですね。
by 堀越ヨッシー (2009-06-13 17:08)
きささん、初めまして。
残念ながらDVDも出ていなくて簡単に観られないのが残念ですよね。
この面白さをたくさんの人に知って欲しいです。
by dorothy (2009-06-14 01:03)
ヨッシーさん、こんにちは。
若い頃のアルフレッドはイイですよ〜。大好き!
今回は特に意識して観たせいか、ジュード・ロウにすごく似ててびっくりしました。
ジュード・ロウのほうが意識してるんだと思いますけどね。
機会があったらぜひ観てみてください。
by dorothy (2009-06-14 01:08)