マイ・ブルーベリー・ナイツ [映画感想−ま]
昨年、ブログを始めて間もない頃に、
こんな記事を書いておきながら、結局観る機会がなかった作品。
ようやく観ることが出来ました。
ニューヨーク。ジェレミー(ジュード・ロウ)の経営するカフェに、
ある晩、恋人を捜す1人の女が訪れます。
彼女の名前はエリザベス(ノラ・ジョーンズ)。
恋人の心変わりをその店で知った彼女は、
傷心を紛らわすようにこのカフェに通い始め、2人は親しくなっていきますが、
ある日突然、姿を見せなくなります。
やがて、ジェレミーの元へエリザベスからハガキが届くようになり・・・。
ジェレミーとエリザベスは出会う
ポスターでドキッとした美しい色づかい、
スローやボカシを多用した映像は相変わらずのウォン・カーウァイ調。
(でもカメラはクリストファー・ドイルじゃないんですね!)
その昔、『恋する惑星』にはキチンとハマったし、
『花様年華』も十分堪能したクチなんですが、
彼の初めての英語劇はさてどうなることやら・・・と思ったら、
色やディテールなど映像の濃厚さは印象的なのですが、
ストーリーはというとアッサリしてるというか物足りなさを感じました。
ジェレミーのカフェの雰囲気はすごく好み。
エリザベスからの電話を受けていた時は相当忙しそうだったのに、
そんなピークが過ぎ、店を閉めようとする時は、
料理やお酒のニオイが染み込んでるような店内、
疲れた雰囲気のジェレミーの様子など、リアルですごく引き込まれました。
わかったようなわからないような鍵のエピソードも程良いアクセントを出しているし、
エリザベスの傷心っぷりも実に雰囲気に溶け込んでいる。
ノラ・ジョーンズの演技はどんなもんかと心配しましたが、
なかなか堂々としたものでした。
まあ特別演技してます!という感じでもなかったですけど。
傷心の警官、アーニー
さて、この後エリザベスはまさに自分探しの旅へ出ます。
ここからロードムービーとなるのかと思いましたが、
ハッキリ言ってロードムービーとはちょっと言い難い。
約1年の間に彼女が過ごすのはメンフィスとネヴァダ。
失恋の悲しみを紛らわせるためにダイナーやバーで昼夜働く彼女は、
その時々の思いをジェレミーにハガキで一方的に知らせます。
ここで主役は彼女からデヴィッド・ストラザーンとレイチェル・ワイズの夫婦、
そしてギャンブラーのナタリー・ポートマンに移ります。
エリザベスはそれぞれに関わりはするのですが、
結果的に彼女がどれほど彼らに影響を受けたかということはあまり伝わってきませんでした。
例えばあと30分長くてもいいから、もう1エピソードぐらいあっても良かったかな。
それほど、この2つの話の印象は薄く(どちらも死人まで出るというのに!)、
役者さんたちはなかなかの熱演なのに、なんとももったいない気がしました。
まあいろんな人の感想や批評を読むと、
その行き当たりばったり感や内容の浅い感じがウォン・カーウァイらしいという、
褒めてるんだかけなしてるんだかというのが多かったのが面白い。
あまり深くプロットも決めず撮ったのかなというのは感じました。
ギャンブラーは相手の心を読む?
結局例のポスターにもなってるノラ・ジョーンズとジュード・ロウのキスシーン、
これだけを撮りたかった、それもノラ・ジョーンズの曲に乗せて、
ということなのかなあと思いました。
ちょっとあざとさを感じなくもないですが、確かに美しく印象的なキスシーン。
これは予告編では使わないで欲しかった。
まあここがこの作品のキモだったとしたら、
メンフィスとネヴァダの2ヵ所のシーンは必要なかったような気すらします。
そこで豪華なキャストを出してそれっぽい話を作ったりしないで、
単純にエリザベスがアメリカを横断するロードムービーに徹して、
またニューヨークに戻ってくる・・・ということで良かったのでは。
ノラ・ジョーンズを主役にしたかったから舞台がアメリカになってしまったけど、
本当はパリとかロンドンとかのほうが雰囲気はもっと出たんじゃないかとも思いました。
ジュード・ロウなんだから、パブのオーナーでもいいのに。
アメリカを撮ってもカーウァイはカーウァイ、と言ってしまえばそうかも知れないし、
そんな彼の世界が好きな人にはこれでいいのかなと思いますが、
なんだか私には中途半端で惜しい印象でした。
どうしても長い長いCMかミュージックビデオのようだし。
週末の夜にお酒を飲みながら、なんとなく流してるのにはいいかも知れません。
My Blueberry Nights(2007 香港/中国/フランス)
監督 ウォン・カーウァイ
出演 ノラ・ジョーンズ ジュード・ロウ ナタリー・ポートマン
レイチェル・ワイズ デヴィッド・ストラザーン
こんな記事を書いておきながら、結局観る機会がなかった作品。
ようやく観ることが出来ました。
ニューヨーク。ジェレミー(ジュード・ロウ)の経営するカフェに、
ある晩、恋人を捜す1人の女が訪れます。
彼女の名前はエリザベス(ノラ・ジョーンズ)。
恋人の心変わりをその店で知った彼女は、
傷心を紛らわすようにこのカフェに通い始め、2人は親しくなっていきますが、
ある日突然、姿を見せなくなります。
やがて、ジェレミーの元へエリザベスからハガキが届くようになり・・・。
ジェレミーとエリザベスは出会う
ポスターでドキッとした美しい色づかい、
スローやボカシを多用した映像は相変わらずのウォン・カーウァイ調。
(でもカメラはクリストファー・ドイルじゃないんですね!)
その昔、『恋する惑星』にはキチンとハマったし、
『花様年華』も十分堪能したクチなんですが、
彼の初めての英語劇はさてどうなることやら・・・と思ったら、
色やディテールなど映像の濃厚さは印象的なのですが、
ストーリーはというとアッサリしてるというか物足りなさを感じました。
ジェレミーのカフェの雰囲気はすごく好み。
エリザベスからの電話を受けていた時は相当忙しそうだったのに、
そんなピークが過ぎ、店を閉めようとする時は、
料理やお酒のニオイが染み込んでるような店内、
疲れた雰囲気のジェレミーの様子など、リアルですごく引き込まれました。
わかったようなわからないような鍵のエピソードも程良いアクセントを出しているし、
エリザベスの傷心っぷりも実に雰囲気に溶け込んでいる。
ノラ・ジョーンズの演技はどんなもんかと心配しましたが、
なかなか堂々としたものでした。
まあ特別演技してます!という感じでもなかったですけど。
傷心の警官、アーニー
さて、この後エリザベスはまさに自分探しの旅へ出ます。
ここからロードムービーとなるのかと思いましたが、
ハッキリ言ってロードムービーとはちょっと言い難い。
約1年の間に彼女が過ごすのはメンフィスとネヴァダ。
失恋の悲しみを紛らわせるためにダイナーやバーで昼夜働く彼女は、
その時々の思いをジェレミーにハガキで一方的に知らせます。
ここで主役は彼女からデヴィッド・ストラザーンとレイチェル・ワイズの夫婦、
そしてギャンブラーのナタリー・ポートマンに移ります。
エリザベスはそれぞれに関わりはするのですが、
結果的に彼女がどれほど彼らに影響を受けたかということはあまり伝わってきませんでした。
例えばあと30分長くてもいいから、もう1エピソードぐらいあっても良かったかな。
それほど、この2つの話の印象は薄く(どちらも死人まで出るというのに!)、
役者さんたちはなかなかの熱演なのに、なんとももったいない気がしました。
まあいろんな人の感想や批評を読むと、
その行き当たりばったり感や内容の浅い感じがウォン・カーウァイらしいという、
褒めてるんだかけなしてるんだかというのが多かったのが面白い。
あまり深くプロットも決めず撮ったのかなというのは感じました。
ギャンブラーは相手の心を読む?
結局例のポスターにもなってるノラ・ジョーンズとジュード・ロウのキスシーン、
これだけを撮りたかった、それもノラ・ジョーンズの曲に乗せて、
ということなのかなあと思いました。
ちょっとあざとさを感じなくもないですが、確かに美しく印象的なキスシーン。
これは予告編では使わないで欲しかった。
まあここがこの作品のキモだったとしたら、
メンフィスとネヴァダの2ヵ所のシーンは必要なかったような気すらします。
そこで豪華なキャストを出してそれっぽい話を作ったりしないで、
単純にエリザベスがアメリカを横断するロードムービーに徹して、
またニューヨークに戻ってくる・・・ということで良かったのでは。
ノラ・ジョーンズを主役にしたかったから舞台がアメリカになってしまったけど、
本当はパリとかロンドンとかのほうが雰囲気はもっと出たんじゃないかとも思いました。
ジュード・ロウなんだから、パブのオーナーでもいいのに。
アメリカを撮ってもカーウァイはカーウァイ、と言ってしまえばそうかも知れないし、
そんな彼の世界が好きな人にはこれでいいのかなと思いますが、
なんだか私には中途半端で惜しい印象でした。
どうしても長い長いCMかミュージックビデオのようだし。
週末の夜にお酒を飲みながら、なんとなく流してるのにはいいかも知れません。
My Blueberry Nights(2007 香港/中国/フランス)
監督 ウォン・カーウァイ
出演 ノラ・ジョーンズ ジュード・ロウ ナタリー・ポートマン
レイチェル・ワイズ デヴィッド・ストラザーン
マイ・ブルーベリー・ナイツ スペシャル・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- メディア: DVD
タグ:映画
くじ いただきます
by かあふ (2009-04-07 21:19)
かあふさん、こんにちは。
何か当たるといいですね。
よかったらまた遊びに来てください。
by dorothy (2009-04-08 01:27)
あのキスシーンがすべてだったのかもしれませんね。
by クリス (2009-04-15 00:04)
クリスさん、こんにちは。
ベストキスシーンとして記憶されそうな作品です。
でもかなり無理のある体勢だと思ってしまいましたが。
コメント& nice!ありがとうございました。
by dorothy (2009-04-15 00:27)