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寝取られ男のラブ♂バカンス [映画感想−な]

昨年末の劇場公開は予想通り観に行くことは出来ませんでしたが、
結構お客さん入ったらしくてヨカッタ!
このちょっとなんだかなあな邦題に怯まず、
1人でも多くの人に観て欲しい佳作・・・です。


ピーター(ジェイソン・シーゲル)の職業はミュージシャン。
TVドラマ『クライムシーン』の音楽を担当しており、
そのドラマの主演女優であるサラ・マーシャル(クリスティン・ベル)と、
かれこれ5年間も付き合っています。
しかしある日、ピーターはサラから一方的に別れを告げられます。
傷心のピーターは義弟ブライアン(ビル・ヘイダー)の勧めでハワイへ行くことに。
しかしそこで、新しい恋人アルダス(ラッセル・ブランド)を連れた、
サラとバッタリ会ってしまい・・・。


傷心に追い打ち
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ジャド・アパトーの一貫したテーマと言える、情けない男のラブストーリー。
今回の主人公ピーターは、一応仕事もちゃんとしてて女優の恋人もいたりしますが、
サラがいないと部屋は散らかしっぱなし、一週間同じスウェット着てたり、
ボウルいっぱいのシリアルが好物でそればっかり食べてたりと、
やはりどちらかというとだらしなく困ったキャラクター。
ハリウッド映画の男前スーパーヒーローでないことは確かです。
主演のジェイソン・シーゲル自身が脚本を書いていて、
彼の実体験がたくさん盛り込まれているそうで、
冒頭で素っ裸の時に別れ話を切り出されるシーンが登場しますが、これも実話とのこと。
それを実際に映画にしちゃうなんて大した吹っ切れ方!
このあたり『スーパーバッド 童貞ウォーズ』のセス・ローゲンと同じく、
実話の強みというか、リアルさにはやはりかなわないということでしょうか。

さて、ではなぜピーターはサラにフラれてしまったのか。
実はサラは別れる前の1年間、既にアルダスと付き合っていたことがわかります。
では、サラはサイテーな女なのかというと・・・そういうことでもない。
サラがなぜピーターを捨てたのかが彼女の口から語られるのですが、
これは結構一理あったりします。
サラを"寝取った"イギリスのロックミュージシャン、アルダス。
飲むとコカインが欲しくなるから酒を断ってるとか、
自分大好きなカンジとか、その言動は相当にアヤシイ。
サラを本当に愛しているのかどうかもアヤシイ。
そういうアヤシイ脇キャラのようでいて、
実は彼も根はイイ奴であることも微妙ながらわかってきます。


サラの本心は?
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ハワイでピーターは、ホテルで働くレイチェル(ミラ・クニス)という女性と出会います。
ピーターとサラの微妙な状況を目の当たりにした彼女は、ピーターをデートに誘います。
あくまで最初は同情だけでしかなかったレイチェルでしたが、
彼女も過去に深く傷ついた経験があり、
やがて、ピーターへの気持ちが本気になってきます。
サラのピーターに対する感情にも気がつき、一層彼女の気持ちに火を付けます。
このあたりの気持ちの揺れ方もなかなかリアル。

アパトー作品では共通して言えることなんですが、
登場人物に根っからの悪人はいません。
みんなどこかしら弱いところやイタイところは持ってるけど、
根は優しかったり、相手を深く思いやっていたりします。
モテない男を主人公にして、出てくる女性たちはいずれも美人だったりして、
そうすると単純に女を性悪に描きがちだったりするんですが、
そういうことは絶対にない。
確実に男性向けのラブコメなんですが、女である私も惹きつけてしまうのは、
そういう、女性キャラクターに対しての描写や視線の向け方が、
決して手抜きすることなく、丁寧に描かれてるからなんじゃないかなと思います。


レイチェルの気持ちは?
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『ヴェロニカ・マーズ』や『ヒーローズ』でお馴染みのクリスティン・ベル。
結構スキな女優サンなんですが、
今回は彼女と見た目も性格もまるっきり対照的なもう1人のヒロイン、
レイチェル役のミラ・クニスに目が釘付け!
雰囲気とか表情とか、こういう感じの人すっごくスキなんです。
さてピーターは最後にどちらを選ぶのか、どちらからもフラれるのか、
結構ドキドキしながら観てました。
義弟役のビル・ヘイダーは今回は結構出番が多くてヨカッタ!
あやしいサーフィンインストラクターで登場のポール・ラッド、
アルダスに夢中?のホテルマン、ジョナ・ヒルとか、
アパトーギャングの面々が脇でちらちらと活躍してくれるのもお約束で楽しかったです。

男性が一連のアパトー作品を観てどういう風に感じるのかは、
女の私には実際のトコロはわかりません。
"男たちよもっと大人になれ!"というメッセージに、
"そうだそうだ!"と乗っかることは出来ますが、
女には言われたくないって人も多いと思います。
誰にどう言われようと言われまいと頑張る人は頑張るんだろうし、
一生ルーザーでいい、あるいは男だけの、または自分だけの世界でいいやって人は、
それはそれでいいと思う。
でもきっと、女にどうこう言われるよりは、
同性の先輩たちに「俺たちもこんなだったんだからお前らもガンバレよ!」
と言われるほうが何倍も心強かったり、リアルに感じるところは大きいんだと思います。
それが、アパトー作品がアメリカで支持され続けている理由なのかも知れません。
コメディといってもギャグで大爆笑!というのではなく、
笑わせて、そしてちょっと胸をキュンとさせるという、まさにラブコメの王道。
まあどうしても下ネタ方向に行ってしまうのが男性向けということなんでしょうけど、
女性が観てもイヤな気持ちにはならないと思う・・・私だけかしらん?
ジェイソン・シーゲルのヌードはちょっとカンベンして欲しいですけど。


Forgetting Sarah Marshall(2008 アメリカ)
監督 ニコラス・ストーラー
出演 ジェイソン・シーゲル クリステン・ベル ミラ・クニス ラッセル・ブランド
   ビル・ヘイダー ジョナ・ヒル ポール・ラッド



寝取られ男のラブ・バカンス

寝取られ男のラブ・バカンス

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD


タグ:映画
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コメント 2

minoes

99niceだったんで、寝取られの方で100キリバン踏みました。
なんか。。うれしい。。
by minoes (2009-03-29 21:38) 

dorothy

minoesさん、キリ番おめでとう&ありがとうございます!
全然気がついてませんでした・・・。
何のプレゼントもできませんが、
明日、すっごくいいことが起こるようにお祈りしています!
by dorothy (2009-03-29 21:50) 

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