ウィッカーマン [映画感想−あ]
ニコラス・ケイジ主演でリメイクされた最新作ではなく、
1973年のオリジナル版イギリス映画です。
スコットランド本土から孤島であるサマーアイル島へやって来た、
警察官ニール・ハウイー(エドワード・ウッドワード)。
彼は、この島で行方不明になった少女がいるという匿名の手紙を受け取り、
その捜査のために単身、飛行艇でこの島を訪れたのでした。
しかし、島民たちに尋ねても、誰一人この少女の存在自体を知らないと言います。
島の領主サマーアイル卿(クリストファー・リー)の元、
異様な古代宗教を信じ日々の生活を送る島民の姿に、
敬虔なクリスチャンであるハウイーは嫌悪感を憶えながらも捜査を進めて行きますが・・・。
謎の島に1人で立ち向かう・・・
だいぶ前にWOWOWで放送された時に観て、
とにかくなんとも言えない衝撃を受けた作品。
この時、やりくりテープに録画したので保存版にできず、
そのうちまたやってくれるかなあと思っていたけれど放送されず。
その後、特別完全版という限定版DVDが発売されたものの、
確か7,000円ぐらいと高価で、ためらっているうちに完売。
このDVDはその後、オークションでは数万円で取り引きされていたりして、
もう観ることはできないなあとあきらめかけていたら、
やっとこの夏、廉価版が発売になりました。
今回はためらうことなく購入。さて、数年ぶりの再会となったわけですが・・・。
宿屋の主人とその娘
こういう古代信仰とか因習とか、そこに暮らしていないものにとっては、
実に奇妙で滑稽で、また恐ろしさも感じられます。
日本では横溝正史とかの世界にありそうな(あまり詳しくないですが)、
また、今でも各地に奇祭と呼ばれるようなものがたくさんあるので、
キリスト教信仰のイギリス人より日本人には親しみ(?)があるかも知れません。
でも、この作品の主人公ハウイーは非常に厳格なクリスチャンであるため、
この反キリスト教的な信仰をとても受け入れることはできません。
島民の信仰とそれに基づく風習は、実にあっけらかんとした性的なもので、
子どももかまわずキワドイ歌を歌うし、学校の授業もずいぶんなものだったりするのですが、
これは信仰がどうこうと言うより、70年代初頭という時代の影響も大きいように思えます。
いわゆるヒッピーとかフリーセックスとかいった言葉が映像からは感じられました。
全体を通してミュージカルと言っていいぐらい、いろんな歌が歌われますが、
どれものどかなフォークソングで、それが一層、不気味な感じを出しています。
クリストファー・リーはなかなか登場しないのですが、
いったいどんなにおどろおどろしく出てくるかと思えば、
なんだか爽やかと言ってもいいような紳士、あるいは上品な貴族という雰囲気です。
どうもドラキュラかサルマンのような格好での登場を期待してしまうのですが、
そんなわけはなく、この謎の島の中では比較的冷静というか聡明な様子に見えるのです。
そこが当然コワイところでもあるのですが・・・。
サマーアイル卿は紳士のようで・・・
そして物語は恐ろしいエンディングに進んでいきます。
普通のハリウッド映画ばかり観ていると、こんなバッドエンディングはありえない!のですが、
救いのない、恐ろしい終わり方はかえって笑ってしまいそうなぐらいです。
最初に観たときは本当にショックで、まさに悪い夢を見た感じで、
しばらく頭を離れませんでした。
今回観たものは88分という、たぶん一番カットされた劇場公開版で、
ほかに前に発売されたDVDに収録されていた99分のバージョンや96分版、
そもそもオリジナルは120分あったとか。
こういったいくつものバージョンが存在するあたりもカルト作品らしいです。
ちなみにニコラス・ケイジの新しいほうは、あまりにも評判が悪いのでまだ観ていません。
でも今回久しぶりにオリジナルを観て、ハウイーがニコラス・ケイジになって、
きっと終始困った顔してるんだろうなと思うと、ちょっと観てみたい気もしてきました。
The Wicker Man(1973 イギリス)
監督 ロビン・ハーディ
出演 エドワード・ウッドワード クリストファー・リー ダイアン・シレント ブリット・エクランド
イングリッド・ピット リンゼイ・ケンプ
1973年のオリジナル版イギリス映画です。
スコットランド本土から孤島であるサマーアイル島へやって来た、
警察官ニール・ハウイー(エドワード・ウッドワード)。
彼は、この島で行方不明になった少女がいるという匿名の手紙を受け取り、
その捜査のために単身、飛行艇でこの島を訪れたのでした。
しかし、島民たちに尋ねても、誰一人この少女の存在自体を知らないと言います。
島の領主サマーアイル卿(クリストファー・リー)の元、
異様な古代宗教を信じ日々の生活を送る島民の姿に、
敬虔なクリスチャンであるハウイーは嫌悪感を憶えながらも捜査を進めて行きますが・・・。
謎の島に1人で立ち向かう・・・
だいぶ前にWOWOWで放送された時に観て、
とにかくなんとも言えない衝撃を受けた作品。
この時、やりくりテープに録画したので保存版にできず、
そのうちまたやってくれるかなあと思っていたけれど放送されず。
その後、特別完全版という限定版DVDが発売されたものの、
確か7,000円ぐらいと高価で、ためらっているうちに完売。
このDVDはその後、オークションでは数万円で取り引きされていたりして、
もう観ることはできないなあとあきらめかけていたら、
やっとこの夏、廉価版が発売になりました。
今回はためらうことなく購入。さて、数年ぶりの再会となったわけですが・・・。
宿屋の主人とその娘
こういう古代信仰とか因習とか、そこに暮らしていないものにとっては、
実に奇妙で滑稽で、また恐ろしさも感じられます。
日本では横溝正史とかの世界にありそうな(あまり詳しくないですが)、
また、今でも各地に奇祭と呼ばれるようなものがたくさんあるので、
キリスト教信仰のイギリス人より日本人には親しみ(?)があるかも知れません。
でも、この作品の主人公ハウイーは非常に厳格なクリスチャンであるため、
この反キリスト教的な信仰をとても受け入れることはできません。
島民の信仰とそれに基づく風習は、実にあっけらかんとした性的なもので、
子どももかまわずキワドイ歌を歌うし、学校の授業もずいぶんなものだったりするのですが、
これは信仰がどうこうと言うより、70年代初頭という時代の影響も大きいように思えます。
いわゆるヒッピーとかフリーセックスとかいった言葉が映像からは感じられました。
全体を通してミュージカルと言っていいぐらい、いろんな歌が歌われますが、
どれものどかなフォークソングで、それが一層、不気味な感じを出しています。
クリストファー・リーはなかなか登場しないのですが、
いったいどんなにおどろおどろしく出てくるかと思えば、
なんだか爽やかと言ってもいいような紳士、あるいは上品な貴族という雰囲気です。
どうもドラキュラかサルマンのような格好での登場を期待してしまうのですが、
そんなわけはなく、この謎の島の中では比較的冷静というか聡明な様子に見えるのです。
そこが当然コワイところでもあるのですが・・・。
サマーアイル卿は紳士のようで・・・
そして物語は恐ろしいエンディングに進んでいきます。
普通のハリウッド映画ばかり観ていると、こんなバッドエンディングはありえない!のですが、
救いのない、恐ろしい終わり方はかえって笑ってしまいそうなぐらいです。
最初に観たときは本当にショックで、まさに悪い夢を見た感じで、
しばらく頭を離れませんでした。
今回観たものは88分という、たぶん一番カットされた劇場公開版で、
ほかに前に発売されたDVDに収録されていた99分のバージョンや96分版、
そもそもオリジナルは120分あったとか。
こういったいくつものバージョンが存在するあたりもカルト作品らしいです。
ちなみにニコラス・ケイジの新しいほうは、あまりにも評判が悪いのでまだ観ていません。
でも今回久しぶりにオリジナルを観て、ハウイーがニコラス・ケイジになって、
きっと終始困った顔してるんだろうなと思うと、ちょっと観てみたい気もしてきました。
The Wicker Man(1973 イギリス)
監督 ロビン・ハーディ
出演 エドワード・ウッドワード クリストファー・リー ダイアン・シレント ブリット・エクランド
イングリッド・ピット リンゼイ・ケンプ
ウィッカーマン (ユニバーサル・ザ・ベスト2008年第4弾)
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- メディア: DVD
タグ:映画
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