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ランナウェイズ [映画感想−ら]

元ランナウェイズのシェリー・カーリーの自伝を元にジョーン・ジェットがプロデュースした今作。
撮影中やプレミア等の写真で二人とダコタ&クリステン一緒の写真をたくさん目にしたし、
公認とかいうレベルじゃないぐらいご本人たちが認知している作品だと思えば、
結局この程度にしかならないんだろうなあという、予想通りの”軽さ”でした。


1975年ロサンゼルス。
ロックスターになることを目指す15歳のジョーン(クリステン・スチュワート)は、
音楽プロデューサーのキム・フォウリー(マイケル・シャノン)に自分を売り込みます。
さっそくキムは十代の女の子だけのバンドを思い立ちメンバーを集めますが、
何か物足りなさを感じ、ジョーンと共に新たなボーカリストを探すことに。
そうしてある晩、クラブでジョーンは同じく15歳のシェリー(ダコタ・ファニング)を見つけ、
彼女をバンドに誘います。
こうしてランナウェイズが誕生しますが・・・。


シェリー
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もう30年以上前の話ですが、まだ30年前とも言えるのかも知れません。
そうなとなると関係者も多くが存命だし、遠慮やいろんなしがらみなどもたくさんあって、
何より前述のように本人たちが製作に関わっているとなるとヘタなことは言わず/言えず、
かなり美化されているところが多いんだろうなといじわるな想像をしてしまいます。
このあたりが実在した人物の映画化の難しく、そして大抵つまらなくなるところだと思います。
今作もそういう意味で登場するエピソードがサラッとうわべをなぞっていくような感じで、
もう一歩踏み込んでくれたらなあという、どこか欲求不満の残る作品になっていました。
ランナウェイズといいながらシェリーとジョーン以外のメンバーの描写が少ないのも、
仕方ないのかも知れませんがちょっと残念だし、成功するまでのトントン拍子ぶりも、
実際にそうだったのかも知れませんが、やはりかなり駆け足過ぎます。
デビュー前、キムが客のブーイングに立ち向かう練習と言って、
そこいらの少年たちを集めて演奏中に彼女たちに向かって空き缶を投げさせるという、
スポ根ドラマみたいなエピソードなんかはバカバカしくも面白く、
こういうのももうちょっと観たかった気がします。


ジョーン
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シェリーが学校の発表会でブーイングを受けながらボウイの口パクをやったり、
バンドのオーディション時にはペギー・リーの『フィーバー』を歌いたがったり、
かと思うと過激な歌詞に拒否反応を示したりするなど、
コルセット姿で歌っていた姿から派手で過激なイメージを持っていたので、
そのあたりはとても意外に感じました。
一方ジョーンは最初からロック一筋、ストレートなハードロックやパンクを愛し、
とにかく自分たちの音楽を真剣に考えていたことがわかります。
だから徐々にランナウェイズがシェリーのビジュアルばかりクローズアップされるようになると、
自然にバンドはうまくいかなくなっていきます。

私はランナウェイズはもちろん知ってはいましたが全然詳しくはなくて、
音楽的なことよりなんとなく色モノ的な印象を持っていた記憶があるのですが、
それはこのあたりのシェリーだけがクローズアップされていたせいだと納得しました。
来日時のエピソードが結構重要な要素となって登場し(トンデモ日本描写はお約束!)、
実際、日本に於いて彼女たちがどう受け止められてたのか、
あんなに女子高生が熱狂するような感じだったのかどうかは知りませんが、
その前の、某シノラマの人と思われる日本人カメラマンのエピソードも含めて、
なるほどなあと興味深かったです。
そういえば、来日時の飛行機着陸前におクスリを証拠隠滅するとかいうのは、
外タレさんによくあることなのか、現物がなければ問題なく入国できちゃうのかあ、
なんてことも単純に感心してしまいました。


キム・フォウリー!
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いまいち盛り上がりに欠けるストーリーではありますが、
それでもこの作品が美しいものになっているのは、
やはり主人公二人の美しさと頑張りがあるからだと思いました。
ダコタ・ファニングは撮影当時、実際にシェリーがランナウェイズに加入した時と同じ15歳。
子役時代を知っている者としては、演技はもちろん、
歌やパフォーマンスの体当たりぶりにただただ驚くばかり。
クリステン・スチュワートは本当にジョーン・ジェットに見た目そっくりで、
彼女も実際に歌とギター演奏をこなしていてすごくサマになっていました。
シェリーのエピソードに比べるとジョーンのパートが少ないのがちょっと物足りなかったです。
似ているというと、シェリーの双子の妹マリーを演じているライリー・キーオという人が、
ヘンな話ですがダコタ・ファニングよりシェリーに似ている気がして、
もしかして実際に血縁関係があるとか?と思ったらそんなことは全然なくて、
というかこの人、お母さんはリサ・マリー・プレスリーで、つまりエルヴィス・プレスリーの孫!
なんだこちらのほうがロックの血が流れてるのでは?と思いましたが、
本職はモデルさんで今作が映画デビューだそうです。
それとこの双子の母親役がテータム・オニールというのもなんだか70年代を思わせるキャスティング。
それから忘れてならないのがプロデューサー、キム・フォウリーを演じているマイケル・シャノン!
胡散臭くていい加減でエキセントリックで、見た目も喋りからも目が離せません。
アッサリし過ぎの今作中、一人頑張り過ぎな気がしてなんというかもったいない気すらしてしまいました。


The Runaways(2010 アメリカ)
監督 フローリア・シジスモンディ
出演 クリステン・スチュワート ダコタ・ファニング マイケル・シャノン
   ステラ・メイヴ スカウト・テイラー=コンプトン アリア・ショウカット
   ライリー・キーオ テータム・オニール



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コメント 2

ぷーちゃん

チェリーボンブのランナウェイズ、
懐かしいけど。
映画は、・・・かな。
by ぷーちゃん (2011-06-23 20:31) 

dorothy

ぷーちゃんさん、こんにちは。
ぷーちゃんさんはご覧になってないのかな?
音楽好きな方の感想は聞いてみたいのですけどね。
by dorothy (2011-07-01 05:09) 

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