コララインとボタンの魔女 [映画感想−か]
愛して止まない『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリック新作。
といってもなかなか日本公開の話が出てこなくて本当にやきもきしていました。
11歳の少女コララインは両親とともに、
郊外にあるピンクパレスという古いアパートに引っ越して来たばかり。
友だちもいないし、両親は仕事ばかりで彼女にかまってくれず退屈していました。
ある日、彼女は家の中で鍵のかかった小さな扉を発見します。
母親に頼んで開けてもらうと中はレンガで塞がれていました。
しかしその夜、眠っていたコララインはふいに目を覚まし、
ネズミたちが例の小さな扉に入って行くのを目撃します。
扉を開くとそこは長いトンネル。そのトンネルを抜けると、
なぜか元の部屋にそっくりな場所へ出てしまいます。
そして、目がボタンになった両親が彼女に優しく接してくれます。
昼間とは違う優しい両親との時間が楽しいコララインでしたが・・・。
コラライン危機一髪!
待って待って待ちこがれ過ぎたのがアダにならないといいななんて思いながら、
始まってみるともう、完全に入り込んでしまいました。
大好物のストップモーションアニメ、それが3Dで!
冒頭の人形を作る(正確には作り直している)針で出来たアヤシイ指、
糸や布目、中綿の毛羽立った感じが本当に美しくリアルで、
その人形がポーンと放り出される夜空のダークさにドキドキ。
コララインなどの人間の造形が、最初スチールで見たときは、
なんだかアニメチックに感じて、はっきり言ってカワイゲがないと思っていました。
でも映画が始まってみるとそんなことは全然なくて、
ナマイキそうだったりあどけなかったり寂しげだったりと実に表情豊か。
ほかのキャラクターも、例えば両親のくたびれ方なんてリアルでオカシイし、
その分もう一方の両親の怪しさが際立ちます。
大家さんの孫ワイビーはいたずら少年っぽくてこれまたイイ。
その一方、上階に住んでいるロシア人のボビンスキーや、
地階に住む元女優のミス・スピンクとミス・フォーシブルは、
かなりデフォルメされていて、これはこれでまたチャーミング。
ワイビーは口は悪いけど
ストーリーは、親にかまってもらえない少女の寂しさと、
そこからくる夢想世界という、まあよくあるようなといえばそうなのですが、
少女の甘い夢が徐々に恐怖感へと変わっていくダークさが、
十分大人の鑑賞に耐えうるというか、むしろ子どもにはちょっと怖すぎるかも、と思いました。
コララインにとってもうひとつの世界は楽しいけれど、そこにずっと居るためには、
瞳をボタンに変えなくてはならないと両親に言われてしまいます。
当然のように怯んで、そこから逃げ出すコラライン。
目をボタンに替えさせられる恐怖・・・それはイコール、瞳に針を突き刺されるということ。
その痛みを想像させられる恐怖は、ちょっと私にも耐えられないものです。
そして逆にボタンの目を持つ人を見ると、その瞳はまったくの無表情であり、
どんなに優しく接してくれても、まさに目が笑っていない人は不気味で恐ろしい。
そして、ピンクパレスにまつわる秘密、さらに本物の両親の危機、と、
幼い少女にとって重すぎる試練は続き、コララインはついに、
"ボタンの魔女"と闘わなくてはならなくなります。
まさにハラハラドキドキの連続!
しかし残念ながら、画面の端々まで大好きな世界で、
何時間でもずっと浸っていたい!というぐらいの気持だったのですが、
鑑賞中、だんだん苦痛になって、早く終わって欲しい!という事態になってしまいました。
今作は基本的に3D日本語吹き替えのみの公開で、字幕版公開は国内でたった3館のみ。
私はどうしても字幕で観たかったので、その内の1つのTOHOシネマズ六本木ヒルズで観たのですが、
このTOHOシネマズの3Dメガネは、いくつかある3D方式の中で一番重く、
そのため、途中からメガネのツルが当たる耳のあたりが痛くなってしまい、
だんだん映画に集中出来なくなってしまいました。
『カールじいさんの空飛ぶ家』で一度経験していたので、
出来ればTOHOシネマズの3Dは避けたいと思っていたのですが、
ほかに選択肢がないので仕方なく、で、やはりつらい思いをしてしまったということです。
別のママとパパは優しいけど
そんな思いをしながらでしたが、それでも3Dを意識して作られたという映像は、
夢のように美しく楽しかったです。
これまで『カールじいさんの空飛ぶ家』『アバター』と来て、
私の3D体験も3作目となったのですが、『カールじいさん〜』はフルCGアニメ、
『アバター』はCG+実写、そして今回はストップモーションアニメと、
それぞれベースの手法が違うので比較するのはちょっと無理がありますが、
ストップモーションアニメと3Dの相性はとても良かったと思いました。
宙を舞う鳥やトンボ、大量に飛び出すネズミ、
サーカスのシーンはスピード感があって見応えがあったし、
"向こうの部屋"に行くトンネルの奥行き感、
空の上から見下ろす花でいっぱいの庭の造形など、
本当にいつまでも観ていたかった。ああこのメガネさえなければ!
ソフトが発売されたらたぶん繰り返し繰り返し観ることになると思います。
でも家で観る場合、赤青の3Dメガネになっちゃうのかな?
うーん、でも3Dじゃなくてもこの予告編の映像でも十分美しいし。
ああ本当にコマ撮りアニメ好物過ぎです!
あ、あとひとつ言い忘れてた・・・黒猫!その動き、そのセリフ、最高!
Coraline(2009 アメリカ)
監督 ヘンリー・セリック
声の出演 ダコタ・ファニング テリー・ハッチャー ジェニファー・ソーンダース ドーン・フレンチ
キース・デイヴィッド ジョン・ホッジマン ロバート・ベイリー・Jr. イアン・マクシェーン
といってもなかなか日本公開の話が出てこなくて本当にやきもきしていました。
11歳の少女コララインは両親とともに、
郊外にあるピンクパレスという古いアパートに引っ越して来たばかり。
友だちもいないし、両親は仕事ばかりで彼女にかまってくれず退屈していました。
ある日、彼女は家の中で鍵のかかった小さな扉を発見します。
母親に頼んで開けてもらうと中はレンガで塞がれていました。
しかしその夜、眠っていたコララインはふいに目を覚まし、
ネズミたちが例の小さな扉に入って行くのを目撃します。
扉を開くとそこは長いトンネル。そのトンネルを抜けると、
なぜか元の部屋にそっくりな場所へ出てしまいます。
そして、目がボタンになった両親が彼女に優しく接してくれます。
昼間とは違う優しい両親との時間が楽しいコララインでしたが・・・。
コラライン危機一髪!
待って待って待ちこがれ過ぎたのがアダにならないといいななんて思いながら、
始まってみるともう、完全に入り込んでしまいました。
大好物のストップモーションアニメ、それが3Dで!
冒頭の人形を作る(正確には作り直している)針で出来たアヤシイ指、
糸や布目、中綿の毛羽立った感じが本当に美しくリアルで、
その人形がポーンと放り出される夜空のダークさにドキドキ。
コララインなどの人間の造形が、最初スチールで見たときは、
なんだかアニメチックに感じて、はっきり言ってカワイゲがないと思っていました。
でも映画が始まってみるとそんなことは全然なくて、
ナマイキそうだったりあどけなかったり寂しげだったりと実に表情豊か。
ほかのキャラクターも、例えば両親のくたびれ方なんてリアルでオカシイし、
その分もう一方の両親の怪しさが際立ちます。
大家さんの孫ワイビーはいたずら少年っぽくてこれまたイイ。
その一方、上階に住んでいるロシア人のボビンスキーや、
地階に住む元女優のミス・スピンクとミス・フォーシブルは、
かなりデフォルメされていて、これはこれでまたチャーミング。
ワイビーは口は悪いけど
ストーリーは、親にかまってもらえない少女の寂しさと、
そこからくる夢想世界という、まあよくあるようなといえばそうなのですが、
少女の甘い夢が徐々に恐怖感へと変わっていくダークさが、
十分大人の鑑賞に耐えうるというか、むしろ子どもにはちょっと怖すぎるかも、と思いました。
コララインにとってもうひとつの世界は楽しいけれど、そこにずっと居るためには、
瞳をボタンに変えなくてはならないと両親に言われてしまいます。
当然のように怯んで、そこから逃げ出すコラライン。
目をボタンに替えさせられる恐怖・・・それはイコール、瞳に針を突き刺されるということ。
その痛みを想像させられる恐怖は、ちょっと私にも耐えられないものです。
そして逆にボタンの目を持つ人を見ると、その瞳はまったくの無表情であり、
どんなに優しく接してくれても、まさに目が笑っていない人は不気味で恐ろしい。
そして、ピンクパレスにまつわる秘密、さらに本物の両親の危機、と、
幼い少女にとって重すぎる試練は続き、コララインはついに、
"ボタンの魔女"と闘わなくてはならなくなります。
まさにハラハラドキドキの連続!
しかし残念ながら、画面の端々まで大好きな世界で、
何時間でもずっと浸っていたい!というぐらいの気持だったのですが、
鑑賞中、だんだん苦痛になって、早く終わって欲しい!という事態になってしまいました。
今作は基本的に3D日本語吹き替えのみの公開で、字幕版公開は国内でたった3館のみ。
私はどうしても字幕で観たかったので、その内の1つのTOHOシネマズ六本木ヒルズで観たのですが、
このTOHOシネマズの3Dメガネは、いくつかある3D方式の中で一番重く、
そのため、途中からメガネのツルが当たる耳のあたりが痛くなってしまい、
だんだん映画に集中出来なくなってしまいました。
『カールじいさんの空飛ぶ家』で一度経験していたので、
出来ればTOHOシネマズの3Dは避けたいと思っていたのですが、
ほかに選択肢がないので仕方なく、で、やはりつらい思いをしてしまったということです。
別のママとパパは優しいけど
そんな思いをしながらでしたが、それでも3Dを意識して作られたという映像は、
夢のように美しく楽しかったです。
これまで『カールじいさんの空飛ぶ家』『アバター』と来て、
私の3D体験も3作目となったのですが、『カールじいさん〜』はフルCGアニメ、
『アバター』はCG+実写、そして今回はストップモーションアニメと、
それぞれベースの手法が違うので比較するのはちょっと無理がありますが、
ストップモーションアニメと3Dの相性はとても良かったと思いました。
宙を舞う鳥やトンボ、大量に飛び出すネズミ、
サーカスのシーンはスピード感があって見応えがあったし、
"向こうの部屋"に行くトンネルの奥行き感、
空の上から見下ろす花でいっぱいの庭の造形など、
本当にいつまでも観ていたかった。ああこのメガネさえなければ!
ソフトが発売されたらたぶん繰り返し繰り返し観ることになると思います。
でも家で観る場合、赤青の3Dメガネになっちゃうのかな?
うーん、でも3Dじゃなくてもこの予告編の映像でも十分美しいし。
ああ本当にコマ撮りアニメ好物過ぎです!
あ、あとひとつ言い忘れてた・・・黒猫!その動き、そのセリフ、最高!
Coraline(2009 アメリカ)
監督 ヘンリー・セリック
声の出演 ダコタ・ファニング テリー・ハッチャー ジェニファー・ソーンダース ドーン・フレンチ
キース・デイヴィッド ジョン・ホッジマン ロバート・ベイリー・Jr. イアン・マクシェーン
コララインとボタンの魔女 3Dプレミアム・エディション<2枚組>(初回限定生産) [DVD]
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- メディア: DVD
コララインとボタンの魔女 3Dプレミアム・エディション<2枚組>(初回限定生産) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- メディア: Blu-ray
dorothyさん、こんにちは。
遂にご覧になれましたね、おめでとうございます!(^皿^)。
やっぱり人形アニメーションの持つ魅力には、たまらないものがありますよね。3Dとの相性も確かに合うのかもしれません。問題はやっぱりあの眼鏡ですよねえ...。
オイラは男性なので、やっぱりワイビーに感情移入しちゃうものがありました(あー、男の子って!って感じ)。映像プラス(だったかな?)という雑誌にコラライン特集が載っていたので、もし興味がありましたらご一読を!。
さあ、次は「父さんギツネ、ばんざい!』ですよ!。
あと....ソフトが発売されたら、是非吹き替えもご覧下さい(^皿^)。
by 堀越ヨッシー (2010-03-23 10:10)
堀越ヨッシーさん、こんにちは。
私もワイビーはもしかしたら一番好きなキャラだったかも、ですよ。
カッコイイ?登場の仕方とか、ナメクジのとことかも。
映像+はウワサを聞いてたので本屋さんに行ったんですが、
地元の田舎の本屋では発見できず・・・amazonで買おうかと思ったんですが、
ちょい高めだし、中身を見てからと思ってたんですよね。買ってソンはないのかな?
吹き替えは評判良いみたいだし、ギリギリまで吹き替え版に行くつもりだったのですが、
ダコタたんファンなものでねーw ディスク買ったら吹き替え版観ますよ!
劇団ひとりの黒猫がちょっと楽しみだったりします。
by dorothy (2010-03-24 03:27)
この映画、当然観た事ないんですが
Dorothyさんのレビュー見て
引き込まれました。
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」は
観た事あるのですが。
by ぷーちゃん (2010-03-28 23:13)
ぷーちゃんさん、こんにちは。
そう言っていただけるとウレシイです。
機会があったらぜひ観てみてください。
『ナイトメア〜』がお好きだったら絶対気に入ると思いますよ。
by dorothy (2010-03-31 01:18)