40男のバージンロード [映画感想−や]
こんな邦題が付けられていたとは全然知らず、
ポール・ラッドとジェイソン・シーゲルという名前を見て、
「ああ『I love you, man』のことね!」とわかった次第・・・。
ピーター(ポール・ラッド)は恋人のゾーイ(ラシダ・ジョーンズ)にプロポーズ。
ゾーイはそれを喜んで受け入れ、二人は幸せの絶頂にいました。
しかしある時、ピーターは自分には結婚式で付き添い役を務めてくれるような、
親友と呼べる人がいないことに気付きます。
そこで結婚式までに親友探しを始めることに。
家族にも手伝ってもらいいろんな人に会いますが、なかなかうまくいきません。
そんなある日、ピーターは少し風変わりなシドニー(ジェイソン・シーゲル)という男と出会います。
ちょっとヘンなやつ
『I love you, man』ときて男2人のポスターなので、
最初はてっきりゲイの話?と思ってしまいました。
でも、ピーターの弟ロビーなどゲイは何人か登場しストーリーに絡みはしますが、
主人公2人はストレート。本当に単純に男同士の友情物語なのです。
でもこのピーター、いわゆるものすごく"イイ人"で、
恋人や周囲にとにかく優しいし気配り満点。
そしてなんというか、ゲイだって言われても納得しそうな雰囲気なのです。
会社では男性社員より女性社員とキャッキャッて感じで仲良しだったり、
不動産業者である彼はオープンハウスに置くサンドウィッチにすごく凝ってみたり、
家に遊びに来たゾーイの女友達にスペシャルドリンクを作って出したりとか、ものすごくマメ。
ですが、そんなイイ人の彼なのになぜか親友がいない。
会社や趣味のフェンシングクラブでも親しい人は何人かいても、
なぜか彼だけ飲みに誘ってもらえなかったりとか、深い付き合いをしてる人がいないのです。
ピーター自身がそういう関係を無意識に求めていなかったんだと思うのですが、
おそらくこのピーターって、人から見たら意外に何考えてるかわからないというか、
同性からだとなんだかつまらない、よくわかんないヤツと思われるんじゃないでしょうか。
イイ人ぶりが誰にでもイイ顔してるようにも見えちゃうし、
そのために逆に心を開いてくれない、本心が見えないようにも見える。
男性が友だちに何を求めるのか、どういうきっかけで親しくなるのかわかりませんが、
たいていの人がピーターにそんな印象を持ってしまうんじゃないのかな、
なんてぼんやり考えながら観ていました。
恋人が一番
そこに偶然現れるのがシドニー。見た目も行動もナゾが多くてちょっとアヤシイ。
でも、ピーターは何か感じるものがあってシドニーに電話をかけます。
この、電話をかけるまで悩みまくる様子、最初にゲイの話じゃないと言いましたが、
まるで恋愛関係の始まりのような雰囲気なんですよね。
誰にでも似たような経験があるんじゃないかと思うんですが、
初めて相手に電話をする時、デートに誘う時のドキドキみたいな、
何度も何度もセリフを練習して、でもあくまでさりげない風を装ったりして、
あのどうしようもなく緊張して恥ずかしくて気まずくて・・・という感情が入り交じった瞬間。
で、かかってきた方も内心すごくウレシイのに何でもないようなフリをしてみたりとか。
そうして初めて2人で食事に行くことになり、話をしてみると結構気が合う。
付き合っていくうちに音楽の趣味(RUSH!)が同じだということがわかって一気に意気投合。
当然シドニーの方が会話などにも余裕があるし、
ピーターにもっと心を開けよ!って感じでリラックスしています。
遊び人風なシドニーには元々友だちもたくさんいそうなのですが、
でも彼の友だちも年齢的に家庭や仕事を優先するような人ばかりになって来て、
独り者の彼も実はたびたび寂しい思いをしてたりもする。
そうなんですよね。大人になると親しくなってから先もいろいろ付き合い方が難しい。
このあたり、あーアルアルと思うような話がたくさん出て来ます。
我を忘れてしまいました
コメディと言ってもギャグで大爆笑というような内容ではなく、
結婚前にいろいろ悩むという話でもあるあたり、
ちょっと前ならジュリア・ロバーツなんかがやってたようなものの男版という感じです。
しかしこの邦題、結婚そのものは多少いろいろありますが基本的に順調に進むので、
(ゾーイーがとにかく良く出来たお嫁さん!)どうなの?と思うんですが。
確かに花婿の付添人というのが日本だとちょっとわかりにくい習慣だし、とは思います。
でも"バージンロード"とか言うと、なんかマリッジブルーな話かも?とも思ったり。
それにだいたいピーターが40歳だという話はどこかに出てきた?
確かにポール・ラッドは実年齢40歳だし、
まあ『40歳の童貞男』の流れで持って来たんだろうなとは思いますけど。
ところで一方のジェイソン・シーゲルはまだ29歳なんですけど、
ポール・ラッドとそんなに年齢差があるように見えません。
長身なのにちょっとたるんだカラダが、どうにもオッサンくさいというのか。
『寝取られ男のラブ♂バカンス』の時より、ちょっと髪の毛長くなって若干カワイ・・・くはないか。
短パン+ブーツは不思議ちゃん風ですが。
彼のキャラクターがもうちょっとはじけてたり、もっとミステリアスでも良かったかな?
まあゾーイやピーターの家族の前で爆弾発言しちゃう空気読めない感じは面白かったです。
この作品、脇がまたすごく豪華で良い!
ジェイミー・プレスリー演じるゾーイの親友デニスの、その夫バリーにジョン・ファヴロー。
コイツがとことんピーターを嫌っていて、そのイヤミな感じがすごくオカシイ。
ピーターの弟ロビーにアンディ・サムバーグ、そして父親がJ・K・シモンズ!
この2人がすごく良い父と息子・・・というか"親友同士"なのです。
ピーターの母親(ジェーン・カーティン)もすごくいいお母さんで、なんというか、
ピーターの人の良さはこの良い家庭環境によるんだろうな、とすごく思わされます。
ほかにアバトー作品などにたびたび登場する”エルモ声”のジョー・ロー・トルグリオや、
オリジナル超人ハルク、ルー・フェリグノが本人役で登場、これがなかなか大事な役!
ちょっとイヤミなピーターの同僚(ロブ・ヒューベル)なんかも登場しますが、
基本的に良い人ばかりなのが全体に良い雰囲気を出していて、
見終わってすごくあったかい気持ちになりました。
親友とか友だちとか友情とかって何だろう?
なぜか大人になるほどわからなくなってしまう不思議なモノ。
そういえば自分には親友と呼べる人はいないな・・・と思い当たったら、
何か答えが見つけられるかもしれません。
私はかなーり胸に染みましたよ!
I love you, man(2009 アメリカ)
監督 ジョン・ハンバーグ
出演 ポール・ラッド ジェイソン・シーゲル ラシダ・ジョーンズ ジョン・ファヴロー
ジェイミー・プレスリー サラ・バーンズ アンディ・サムバーグ
J・K・シモンズ ジェーン・カーティン
ポール・ラッドとジェイソン・シーゲルという名前を見て、
「ああ『I love you, man』のことね!」とわかった次第・・・。
ピーター(ポール・ラッド)は恋人のゾーイ(ラシダ・ジョーンズ)にプロポーズ。
ゾーイはそれを喜んで受け入れ、二人は幸せの絶頂にいました。
しかしある時、ピーターは自分には結婚式で付き添い役を務めてくれるような、
親友と呼べる人がいないことに気付きます。
そこで結婚式までに親友探しを始めることに。
家族にも手伝ってもらいいろんな人に会いますが、なかなかうまくいきません。
そんなある日、ピーターは少し風変わりなシドニー(ジェイソン・シーゲル)という男と出会います。
ちょっとヘンなやつ
『I love you, man』ときて男2人のポスターなので、
最初はてっきりゲイの話?と思ってしまいました。
でも、ピーターの弟ロビーなどゲイは何人か登場しストーリーに絡みはしますが、
主人公2人はストレート。本当に単純に男同士の友情物語なのです。
でもこのピーター、いわゆるものすごく"イイ人"で、
恋人や周囲にとにかく優しいし気配り満点。
そしてなんというか、ゲイだって言われても納得しそうな雰囲気なのです。
会社では男性社員より女性社員とキャッキャッて感じで仲良しだったり、
不動産業者である彼はオープンハウスに置くサンドウィッチにすごく凝ってみたり、
家に遊びに来たゾーイの女友達にスペシャルドリンクを作って出したりとか、ものすごくマメ。
ですが、そんなイイ人の彼なのになぜか親友がいない。
会社や趣味のフェンシングクラブでも親しい人は何人かいても、
なぜか彼だけ飲みに誘ってもらえなかったりとか、深い付き合いをしてる人がいないのです。
ピーター自身がそういう関係を無意識に求めていなかったんだと思うのですが、
おそらくこのピーターって、人から見たら意外に何考えてるかわからないというか、
同性からだとなんだかつまらない、よくわかんないヤツと思われるんじゃないでしょうか。
イイ人ぶりが誰にでもイイ顔してるようにも見えちゃうし、
そのために逆に心を開いてくれない、本心が見えないようにも見える。
男性が友だちに何を求めるのか、どういうきっかけで親しくなるのかわかりませんが、
たいていの人がピーターにそんな印象を持ってしまうんじゃないのかな、
なんてぼんやり考えながら観ていました。
恋人が一番
そこに偶然現れるのがシドニー。見た目も行動もナゾが多くてちょっとアヤシイ。
でも、ピーターは何か感じるものがあってシドニーに電話をかけます。
この、電話をかけるまで悩みまくる様子、最初にゲイの話じゃないと言いましたが、
まるで恋愛関係の始まりのような雰囲気なんですよね。
誰にでも似たような経験があるんじゃないかと思うんですが、
初めて相手に電話をする時、デートに誘う時のドキドキみたいな、
何度も何度もセリフを練習して、でもあくまでさりげない風を装ったりして、
あのどうしようもなく緊張して恥ずかしくて気まずくて・・・という感情が入り交じった瞬間。
で、かかってきた方も内心すごくウレシイのに何でもないようなフリをしてみたりとか。
そうして初めて2人で食事に行くことになり、話をしてみると結構気が合う。
付き合っていくうちに音楽の趣味(RUSH!)が同じだということがわかって一気に意気投合。
当然シドニーの方が会話などにも余裕があるし、
ピーターにもっと心を開けよ!って感じでリラックスしています。
遊び人風なシドニーには元々友だちもたくさんいそうなのですが、
でも彼の友だちも年齢的に家庭や仕事を優先するような人ばかりになって来て、
独り者の彼も実はたびたび寂しい思いをしてたりもする。
そうなんですよね。大人になると親しくなってから先もいろいろ付き合い方が難しい。
このあたり、あーアルアルと思うような話がたくさん出て来ます。
我を忘れてしまいました
コメディと言ってもギャグで大爆笑というような内容ではなく、
結婚前にいろいろ悩むという話でもあるあたり、
ちょっと前ならジュリア・ロバーツなんかがやってたようなものの男版という感じです。
しかしこの邦題、結婚そのものは多少いろいろありますが基本的に順調に進むので、
(ゾーイーがとにかく良く出来たお嫁さん!)どうなの?と思うんですが。
確かに花婿の付添人というのが日本だとちょっとわかりにくい習慣だし、とは思います。
でも"バージンロード"とか言うと、なんかマリッジブルーな話かも?とも思ったり。
それにだいたいピーターが40歳だという話はどこかに出てきた?
確かにポール・ラッドは実年齢40歳だし、
まあ『40歳の童貞男』の流れで持って来たんだろうなとは思いますけど。
ところで一方のジェイソン・シーゲルはまだ29歳なんですけど、
ポール・ラッドとそんなに年齢差があるように見えません。
長身なのにちょっとたるんだカラダが、どうにもオッサンくさいというのか。
『寝取られ男のラブ♂バカンス』の時より、ちょっと髪の毛長くなって若干カワイ・・・くはないか。
短パン+ブーツは不思議ちゃん風ですが。
彼のキャラクターがもうちょっとはじけてたり、もっとミステリアスでも良かったかな?
まあゾーイやピーターの家族の前で爆弾発言しちゃう空気読めない感じは面白かったです。
この作品、脇がまたすごく豪華で良い!
ジェイミー・プレスリー演じるゾーイの親友デニスの、その夫バリーにジョン・ファヴロー。
コイツがとことんピーターを嫌っていて、そのイヤミな感じがすごくオカシイ。
ピーターの弟ロビーにアンディ・サムバーグ、そして父親がJ・K・シモンズ!
この2人がすごく良い父と息子・・・というか"親友同士"なのです。
ピーターの母親(ジェーン・カーティン)もすごくいいお母さんで、なんというか、
ピーターの人の良さはこの良い家庭環境によるんだろうな、とすごく思わされます。
ほかにアバトー作品などにたびたび登場する”エルモ声”のジョー・ロー・トルグリオや、
オリジナル超人ハルク、ルー・フェリグノが本人役で登場、これがなかなか大事な役!
ちょっとイヤミなピーターの同僚(ロブ・ヒューベル)なんかも登場しますが、
基本的に良い人ばかりなのが全体に良い雰囲気を出していて、
見終わってすごくあったかい気持ちになりました。
親友とか友だちとか友情とかって何だろう?
なぜか大人になるほどわからなくなってしまう不思議なモノ。
そういえば自分には親友と呼べる人はいないな・・・と思い当たったら、
何か答えが見つけられるかもしれません。
私はかなーり胸に染みましたよ!
I love you, man(2009 アメリカ)
監督 ジョン・ハンバーグ
出演 ポール・ラッド ジェイソン・シーゲル ラシダ・ジョーンズ ジョン・ファヴロー
ジェイミー・プレスリー サラ・バーンズ アンディ・サムバーグ
J・K・シモンズ ジェーン・カーティン
40男のバージンロード スペシャル・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- メディア: DVD
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