シャレード [映画感想−さ]
休日の午後、ぼんやりテレビを見ていたら始まったので思わず鑑賞。
子どもの時に一回、大人になってから一回で今回がおそらく三回目の鑑賞ですが、
何度観ても、この頃の映画はいいですね。
富豪の妻レジーナ(オードリー・ヘプバーン)はスキー旅行先で夫との離婚を決意します。
しかしパリの自宅に戻ると家財道具はすべて無くなっており、やがて夫の死亡を知らされます。
葬式にはギデオン(ネッド・グラス)、テックス(ジェームズ・コバーン)、
そしてスコビー(ジョージ・ケネディ)という三人の奇妙な男たちが現れ、
また、アメリカ大使館のバーソロミュー(ウォルター・マッソー)は、
夫が軍の資金を横領していたと彼女に告げます。
わずかに残された夫の遺品を前に途方に暮れるレジーナは、
スキー場で知り合ったピーター(ケーリー・グラント)に助けを求めますが・・・。
夫に何が?
ヘプバーンの作品はいろいろありますが、今作の彼女は本当に美しい!
『ローマの休日』の輝くばかりの美しさはやはり別格ですが、
それからちょうど10年、34歳の今作の彼女は少女と大人の女の両方の顔を併せ持ち、
当時59歳のケイリー・グラントを相手にすると、その両方の顔で相手を翻弄し、
そして守ってあげたいと思わせるという、彼女ならではの魅力を放っています。
まず殺人事件が起こり、罪のない主人公が巻き込まれるという、
どう見てもヒッチコック的なストーリー。
製作当時のことはわかりませんが、ケイリー・グラントを引っ張り出してきたところで、
ヒッチコック風なものを作ろうとしたであろうことは想像できます。
しかし、当時すでにトップスターであった二人の共演とは言え、
ヒッチコックもどきとして失敗作になりかねない危険性はあったと思います。
けれどそこにオードリーの魅力とスタンリー・ドーネンらしい軽さがプラスされ、
そこはきっちり、かつ軽い雰囲気でまとめあげたなあという職人技のようなものを感じます。
あらゆることがすべてプラスに作用したと言ってもいいかも知れません。
本当の名前は?
死人が何人も出るようなストーリーでありながら、基本的にはコメディタッチ。
それとジェームズ・コバーンにジョージ・ケネディ、
そしてウォルター・マッソーという個性的な役者を揃えたのも正解。
ケーリー・グラントも含めみんな怪しくて、誰が犯人と言われてもおかしくない。
まあさすがにケーリー・グラントが犯人ということはないだろうなとは思うんですが、
それでも彼の正体は最後の最後までわからない。
"シャレード"というのは偽装とか茶番とかいう意味なのだそうで、
そんなタイトルが付いているのだから、一筋縄でいかないのは最初からわかっていること。
でも、謎解きだけの作品になってないのがさすがだと思うし、
50年近く経った今観ても、魅力溢れる作品になっている理由だと思います。
この人は味方?
そしてオードリー映画にかかせないオシャレ要素も、
これでもか!というぐらいてんこもりです。
舞台はパリ。セーヌ川の川べりを優雅に歩き、川下りのボートでディナー。
メトロの追いかけっこもなんだかステキと思ってしまいます。
衣装はお馴染みジバンシィ。レジーナは家財道具すべてを失って、
持ち物は旅行時のスーツケースだけになったハズなのに、
どこからそんなに次々とドレスが出てくるの!?・・・と言うのはまあ目をつぶりましょう。
ジェームズ・コバーンに電話ボックスの中でマッチで脅されるシーンは、
怖いというより「ジバンシィが焦げる!」と思ってしまいました。
オレンジリレーとかケーリー・グラントの服のまんまのシャワーとか、
あんまりストーリーと関係ないお遊びなシーンも微笑ましい。
オードリーが「どうやってここをシェーブするの?」と、
唐突にケーリー・グラントのあの特徴的なアゴを触りながら聞いてみたり、
ケーリー・グラントの名前が変わるたびに「ミセス○○は?」と聞くお約束とか、
イキでスウィートなセリフは満載。
どんなに人が残酷な死に方をしても、悲鳴をあげてもあくまでも上品。
映画というものが夢を見させてくれるものだった時代の、とびきり夢のような作品。
こういうのは昔からある美味しい老舗の店のケーキみたいな、
いつもそこにあって、時々味わっては確実に幸せな気持ちにしてくれるもの・・・という感じです。
たまには、いかがですか?
Charade(1963 アメリカ)
監督 スタンリー・ドーネン
出演 ケーリー・グラント オードリー・ヘプバーン ウォルター・マッソー ジェームズ・コバーン
ジョージ・ケネディ ドミニク・ミノット ネッド・グラス ジャック・マラン
子どもの時に一回、大人になってから一回で今回がおそらく三回目の鑑賞ですが、
何度観ても、この頃の映画はいいですね。
富豪の妻レジーナ(オードリー・ヘプバーン)はスキー旅行先で夫との離婚を決意します。
しかしパリの自宅に戻ると家財道具はすべて無くなっており、やがて夫の死亡を知らされます。
葬式にはギデオン(ネッド・グラス)、テックス(ジェームズ・コバーン)、
そしてスコビー(ジョージ・ケネディ)という三人の奇妙な男たちが現れ、
また、アメリカ大使館のバーソロミュー(ウォルター・マッソー)は、
夫が軍の資金を横領していたと彼女に告げます。
わずかに残された夫の遺品を前に途方に暮れるレジーナは、
スキー場で知り合ったピーター(ケーリー・グラント)に助けを求めますが・・・。
夫に何が?
ヘプバーンの作品はいろいろありますが、今作の彼女は本当に美しい!
『ローマの休日』の輝くばかりの美しさはやはり別格ですが、
それからちょうど10年、34歳の今作の彼女は少女と大人の女の両方の顔を併せ持ち、
当時59歳のケイリー・グラントを相手にすると、その両方の顔で相手を翻弄し、
そして守ってあげたいと思わせるという、彼女ならではの魅力を放っています。
まず殺人事件が起こり、罪のない主人公が巻き込まれるという、
どう見てもヒッチコック的なストーリー。
製作当時のことはわかりませんが、ケイリー・グラントを引っ張り出してきたところで、
ヒッチコック風なものを作ろうとしたであろうことは想像できます。
しかし、当時すでにトップスターであった二人の共演とは言え、
ヒッチコックもどきとして失敗作になりかねない危険性はあったと思います。
けれどそこにオードリーの魅力とスタンリー・ドーネンらしい軽さがプラスされ、
そこはきっちり、かつ軽い雰囲気でまとめあげたなあという職人技のようなものを感じます。
あらゆることがすべてプラスに作用したと言ってもいいかも知れません。
本当の名前は?
死人が何人も出るようなストーリーでありながら、基本的にはコメディタッチ。
それとジェームズ・コバーンにジョージ・ケネディ、
そしてウォルター・マッソーという個性的な役者を揃えたのも正解。
ケーリー・グラントも含めみんな怪しくて、誰が犯人と言われてもおかしくない。
まあさすがにケーリー・グラントが犯人ということはないだろうなとは思うんですが、
それでも彼の正体は最後の最後までわからない。
"シャレード"というのは偽装とか茶番とかいう意味なのだそうで、
そんなタイトルが付いているのだから、一筋縄でいかないのは最初からわかっていること。
でも、謎解きだけの作品になってないのがさすがだと思うし、
50年近く経った今観ても、魅力溢れる作品になっている理由だと思います。
この人は味方?
そしてオードリー映画にかかせないオシャレ要素も、
これでもか!というぐらいてんこもりです。
舞台はパリ。セーヌ川の川べりを優雅に歩き、川下りのボートでディナー。
メトロの追いかけっこもなんだかステキと思ってしまいます。
衣装はお馴染みジバンシィ。レジーナは家財道具すべてを失って、
持ち物は旅行時のスーツケースだけになったハズなのに、
どこからそんなに次々とドレスが出てくるの!?・・・と言うのはまあ目をつぶりましょう。
ジェームズ・コバーンに電話ボックスの中でマッチで脅されるシーンは、
怖いというより「ジバンシィが焦げる!」と思ってしまいました。
オレンジリレーとかケーリー・グラントの服のまんまのシャワーとか、
あんまりストーリーと関係ないお遊びなシーンも微笑ましい。
オードリーが「どうやってここをシェーブするの?」と、
唐突にケーリー・グラントのあの特徴的なアゴを触りながら聞いてみたり、
ケーリー・グラントの名前が変わるたびに「ミセス○○は?」と聞くお約束とか、
イキでスウィートなセリフは満載。
どんなに人が残酷な死に方をしても、悲鳴をあげてもあくまでも上品。
映画というものが夢を見させてくれるものだった時代の、とびきり夢のような作品。
こういうのは昔からある美味しい老舗の店のケーキみたいな、
いつもそこにあって、時々味わっては確実に幸せな気持ちにしてくれるもの・・・という感じです。
たまには、いかがですか?
Charade(1963 アメリカ)
監督 スタンリー・ドーネン
出演 ケーリー・グラント オードリー・ヘプバーン ウォルター・マッソー ジェームズ・コバーン
ジョージ・ケネディ ドミニク・ミノット ネッド・グラス ジャック・マラン
シャレード【ユニバーサル・セレクション1500円キャンペーン/2009年第4弾:初回生産限定】 [DVD]
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- メディア: DVD
おお、オードリーに”シャレード”ですか。
何度も見ているはずなのに、もうストーリーの
大半を忘れている。かなり、アルツの進行が
進んだかも。。。どうしよう。♪(* ̄∇ ̄)/
by ぷーちゃん (2009-10-28 20:49)
ぷーちゃんさん、こんにちは。
大丈夫、私も今回観るまで『おしゃれ泥棒』とかが微妙に混ざったりしてましたから・・・。
by dorothy (2009-10-29 01:25)
はじめまして!お邪魔します。
今年はオードリー・ヘプバーン生誕80年なんですね。
『シャレード』、私は中学生の頃、テレビかビデオで観たと
思います。
ストーリーはなんとなくおしゃれな感じ(笑)…の記憶なので
もう一度観てみたいです。
by クローヴ (2009-11-03 00:27)
クローヴさん、初めまして。
おしゃれな感じ、で間違ってませんよ!
でもこんな昔の映画が今でもおしゃれってスゴイことだと思います。
コメント& nice!ありがとうございました。
by dorothy (2009-11-03 02:58)