サイレンサー [映画感想−さ]
のんびり地味にやってます、ジョセフ・ゴードン=レヴィット祭り。
その第二弾は二大オスカー俳優共演の話題作!・・・だったと記憶してたんですが。
殺し屋のローズ(ヘレン・ミレン)は末期ガンに侵されており、
パートナーのマイキー(キューバ・グッディング・Jr.)と共に仕事の引退を考えていました。
その最後の仕事はある組織のボス、クレイトン(スティーヴン・ドーフ)が依頼した、
彼の部下と妻ヴィッキー(ヴァネッサ・ファーリト)の暗殺。
決行の夜、屋敷に忍び込み次々にターゲットを殺していくローズとマイキー。
しかし、臨月のヴィッキーを前にした時、ローズの取った行動は・・・。
ローズとマイキー
監督のリー・ダニエルズは『チョコレート』などのプロデューサーとして知られた人で、
今作が初監督作・・・というのがなんとなく納得できそうな、
ぎこちないというか、どうも焦点が定まっていないというか、
新しいものを作りたいという意欲は感じられるのですが、結果は空回りしてしまった感じです。
ヘンに映像に凝っていたり、でもムダなサービスカット(?)も多い。
(キューバ・グッディング・Jr.のヌード多すぎ!ファンにはたまらないと思いますが)
その凝った映像はなかなか美しくて良いところもあるのですが、
もうちょっと描くべき、語るべき部分があるのでは?
そもそも、ストーリー自体がなんだかよくわかりません。
クレイトンはものすごく暴力的でアブナイ男。
気に入らないヤツはあっさり殺すようなヤツ・・・なのに、
なぜ妻と部下を消すのにわざわざ殺し屋を雇うのかが謎。
自分の手を汚したくない、特に自分の奥さんは殺せない・・・とかいうのならわかるんですが、
でも普段から自分で、ちょっとしたことでバンバン殺しまくってるのに。
そこが「?」と思ってしまった途端、話に乗れなくなってしまいました。
街中で仕事の依頼をする車椅子の男もなんだか思わせぶりなだけという感じだし、
マイキーたちは基本的に仕事には銃を使うんですが、
あるターゲットの時にはなぜか回りくどく毒殺?してみたりもする。
うーん、あそこは笑うところなの?と思ってしまいました。
ストーリー自体は二の次で、ひたすらスタイリッシュな映像のみを追求した、
・・・というようなことでもないようで、なんだか途方に暮れてしまいました。
アブナイ男、クレイトン
おそらく、監督の狙いは”ハズし”なのかも知れません。
ローズとマイキーのカップルは、人種も違い年齢も離れていてどういう関係かわからない。
最初は殺し屋の先輩後輩かなんかなのかな?とか、あるいは何かわけありの母と息子かもとか、
で、だんだんと、もしかして恋人同士・・・?となるのです。
実際二人は愛し合ってるわけなのですが、確かにそんなカップル!という驚きがあります。
それはそれでいいと思うんですが、個人的には表現としてもう少し、
その恋愛関係は匂わす程度でも良かったのではと思いました。
リアルなラブシーンがあったって別にいいけれど、何度も登場し、結構生々しい。
二人がそういう男女の関係に、いつ、どこでなったかはわからないまま。
じゃあ最後までハッキリ見せなくても良かったのかもと思うわけです。
そのほうがいろいろ想像できるし、ドラマに奥行きが出た気がします。
それと、ローズらを助けるドクター・ドン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と、
プレシャス(モニーク)のカップルも、映像的に見ていてどうも落ち着かない。
別にこんなカップルがいたっていいと思うけど、
これも単になんか映像的に"狙った"っていう感じしか受けません。
ドクター・ドンはフツーに若造な医者で、これもハズしの1つと言えそう。
普通ならあんなヤクザなヤツらのお抱え医者なら、
もっとギラギラした俗っぽいオヤジとか、あるいはインテリヤクザ風なヤツにしそうなものですが。
まあでもこれはこれでアリかな。贔屓目かもですが。
命を狙われる妻、ヴィッキー
そして一番のハズしというのが、この作品の主人公なんですが、
私はてっきりローズのほうだと思っていたのです。でも違いました。
ビリング通り、キューバ・グッディング・Jr.の映画だったんですね。
これは結構衝撃です。
まあでもそんな衝撃もあまりチカラになることもなく、
意識的な"ハズし"は単純に映画自体がハズレた印象のままで終わる感じ。
脚本自体がつまらないのか、演出力に問題があるのか。難しいところです。
せっかくこんないい役者を揃えてるのに・・・。
ハズしといえば音楽もハズしてる気がします。今さら『リベルタンゴ』?
これが合ってるんだかなんだか、監督の趣味なのでしょうか。
これだけ黒人キャラクター満載の映画なのにR&Bやヒップホップ系を多用しないのは、
たぶん意識してなのかなと思いますが、それも含めて音楽の使い方はイマイチ。
このあたりが凝ってると個人的にはオッと思うところなんですが。
せっかくメイシー・グレイが出ているのに・・・と関係ないですが。
でも彼女、出番は少ないですがなかなか印象的なキャラクターでした。
ダニエルズ監督の次回作『Precious』はマライア・キャリーやレニー・クラヴィッツが出演の話題作で、
カンヌ映画祭で好評だったそうです。
これを観ると、ちょっとその好評が信じられないのですが。
さて、ジョセフ・ゴードン=レヴィット祭りですので。
今作のジョー君はこんな感じ。
いつもどおりのような、別人なような。
これまでになくなかなかのヨゴレ役ではあります。白衣姿はちょっとグッと来ました。ハイ。
Shadowboxer(2005 アメリカ)
監督 リー・ダニエルズ
出演 キューバ・グッディング・Jr. ヘレン・ミレン ヴァネッサ・ファーリト メイシー・グレイ
ジョセフ・ゴードン=レヴィット モニーク スティーヴン・ドーフ
その第二弾は二大オスカー俳優共演の話題作!・・・だったと記憶してたんですが。
殺し屋のローズ(ヘレン・ミレン)は末期ガンに侵されており、
パートナーのマイキー(キューバ・グッディング・Jr.)と共に仕事の引退を考えていました。
その最後の仕事はある組織のボス、クレイトン(スティーヴン・ドーフ)が依頼した、
彼の部下と妻ヴィッキー(ヴァネッサ・ファーリト)の暗殺。
決行の夜、屋敷に忍び込み次々にターゲットを殺していくローズとマイキー。
しかし、臨月のヴィッキーを前にした時、ローズの取った行動は・・・。
ローズとマイキー
監督のリー・ダニエルズは『チョコレート』などのプロデューサーとして知られた人で、
今作が初監督作・・・というのがなんとなく納得できそうな、
ぎこちないというか、どうも焦点が定まっていないというか、
新しいものを作りたいという意欲は感じられるのですが、結果は空回りしてしまった感じです。
ヘンに映像に凝っていたり、でもムダなサービスカット(?)も多い。
(キューバ・グッディング・Jr.のヌード多すぎ!ファンにはたまらないと思いますが)
その凝った映像はなかなか美しくて良いところもあるのですが、
もうちょっと描くべき、語るべき部分があるのでは?
そもそも、ストーリー自体がなんだかよくわかりません。
クレイトンはものすごく暴力的でアブナイ男。
気に入らないヤツはあっさり殺すようなヤツ・・・なのに、
なぜ妻と部下を消すのにわざわざ殺し屋を雇うのかが謎。
自分の手を汚したくない、特に自分の奥さんは殺せない・・・とかいうのならわかるんですが、
でも普段から自分で、ちょっとしたことでバンバン殺しまくってるのに。
そこが「?」と思ってしまった途端、話に乗れなくなってしまいました。
街中で仕事の依頼をする車椅子の男もなんだか思わせぶりなだけという感じだし、
マイキーたちは基本的に仕事には銃を使うんですが、
あるターゲットの時にはなぜか回りくどく毒殺?してみたりもする。
うーん、あそこは笑うところなの?と思ってしまいました。
ストーリー自体は二の次で、ひたすらスタイリッシュな映像のみを追求した、
・・・というようなことでもないようで、なんだか途方に暮れてしまいました。
アブナイ男、クレイトン
おそらく、監督の狙いは”ハズし”なのかも知れません。
ローズとマイキーのカップルは、人種も違い年齢も離れていてどういう関係かわからない。
最初は殺し屋の先輩後輩かなんかなのかな?とか、あるいは何かわけありの母と息子かもとか、
で、だんだんと、もしかして恋人同士・・・?となるのです。
実際二人は愛し合ってるわけなのですが、確かにそんなカップル!という驚きがあります。
それはそれでいいと思うんですが、個人的には表現としてもう少し、
その恋愛関係は匂わす程度でも良かったのではと思いました。
リアルなラブシーンがあったって別にいいけれど、何度も登場し、結構生々しい。
二人がそういう男女の関係に、いつ、どこでなったかはわからないまま。
じゃあ最後までハッキリ見せなくても良かったのかもと思うわけです。
そのほうがいろいろ想像できるし、ドラマに奥行きが出た気がします。
それと、ローズらを助けるドクター・ドン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と、
プレシャス(モニーク)のカップルも、映像的に見ていてどうも落ち着かない。
別にこんなカップルがいたっていいと思うけど、
これも単になんか映像的に"狙った"っていう感じしか受けません。
ドクター・ドンはフツーに若造な医者で、これもハズしの1つと言えそう。
普通ならあんなヤクザなヤツらのお抱え医者なら、
もっとギラギラした俗っぽいオヤジとか、あるいはインテリヤクザ風なヤツにしそうなものですが。
まあでもこれはこれでアリかな。贔屓目かもですが。
命を狙われる妻、ヴィッキー
そして一番のハズしというのが、この作品の主人公なんですが、
私はてっきりローズのほうだと思っていたのです。でも違いました。
ビリング通り、キューバ・グッディング・Jr.の映画だったんですね。
これは結構衝撃です。
まあでもそんな衝撃もあまりチカラになることもなく、
意識的な"ハズし"は単純に映画自体がハズレた印象のままで終わる感じ。
脚本自体がつまらないのか、演出力に問題があるのか。難しいところです。
せっかくこんないい役者を揃えてるのに・・・。
ハズしといえば音楽もハズしてる気がします。今さら『リベルタンゴ』?
これが合ってるんだかなんだか、監督の趣味なのでしょうか。
これだけ黒人キャラクター満載の映画なのにR&Bやヒップホップ系を多用しないのは、
たぶん意識してなのかなと思いますが、それも含めて音楽の使い方はイマイチ。
このあたりが凝ってると個人的にはオッと思うところなんですが。
せっかくメイシー・グレイが出ているのに・・・と関係ないですが。
でも彼女、出番は少ないですがなかなか印象的なキャラクターでした。
ダニエルズ監督の次回作『Precious』はマライア・キャリーやレニー・クラヴィッツが出演の話題作で、
カンヌ映画祭で好評だったそうです。
これを観ると、ちょっとその好評が信じられないのですが。
さて、ジョセフ・ゴードン=レヴィット祭りですので。
今作のジョー君はこんな感じ。
いつもどおりのような、別人なような。
これまでになくなかなかのヨゴレ役ではあります。白衣姿はちょっとグッと来ました。ハイ。
Shadowboxer(2005 アメリカ)
監督 リー・ダニエルズ
出演 キューバ・グッディング・Jr. ヘレン・ミレン ヴァネッサ・ファーリト メイシー・グレイ
ジョセフ・ゴードン=レヴィット モニーク スティーヴン・ドーフ
タグ:映画
こんにちは。
スティーヴン・ドーフって、オイラの中ではいつまでもヴァンパイアのイメージなんですが...(「ブレイド」のせいで)。でも、あの無精髭スタイルがすごくかっこ良くて好きな役者さんです。
ジョセフ君は写真だけ見ると、なんだかクボヅカさんのように見えますが...(^皿^)。
by 堀越ヨッシー (2009-10-20 08:16)
またまた知らない作品だ。
ヘレン・ミレンもキューバ・グッディング・Jrも共に
好きな俳優さんなので、気になりますね。
ヽ(^▽^)ノ
by ぷーちゃん (2009-10-20 11:49)
堀越ヨッシーさんこんにちは。
『ブレイド』って観たことないんですよ・・・ゴメンナサイ。
確かにこの写真のジョーくんはクボヅカくんに見えますね。どこか似てるかも!
by dorothy (2009-10-21 03:12)
ぷーちゃんさんこんにちは。
役者はみんなすごくいいです。ヘレン・ミレン、カッコイイです。
でも映画としては・・・微妙です。
by dorothy (2009-10-21 03:16)