ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン! [映画感想−は]
2000人以上の署名を集めてようやく日本公開された今作。
私もはりきって署名したんですが、去年の夏は何故か渋谷が遠かった・・・。
というわけで、ようやく鑑賞いたしました。
ニコラス・エンジェル(サイモン・ペグ)はロンドンで検挙率トップの超エリート警察官。
しかしその優秀さが妬まれ、田舎町サンドフォードに左遷されてしまいます。
そこは過去20年間、事件らしい事件もないのどかな村。
相棒となった署長バターマン(ジム・ブロードベント)の息子で、
映画オタクのダニー巡査(ニック・フロスト)はニコラスを慕って来ますが、
なかなかほかの同僚や住民たちとは馴染めません。
そんな中、村で住民の怪死事件が発生。
ニコラスは不審なものを感じますが、彼以外は単なる事故だと言って取り合いません。
しかし、そんな不審死はその後も続き・・・。
アイス
悲しい副題を付けられて、いわゆる"おバカ映画"の扱いとなってしまってましたが、
確かに細かいギャグがこれでもかと繰り出されるし、
私も不意を突かれる感じで何度も笑わせてもらいました。
ところがストーリーは意外にもホラーな方向に進んでいって、
個人的に苦手な血みどろな表現も何度も出てくるのが予期してなくて参りました。
寂しい田舎町での何も起こらない中での主人公の奮闘、
要するに、逃げた白鳥を追いかけるみたいなことがずっと続くんだと思っていたら、
予期せず『ウィッカーマン』的世界に突入して行ってびっくり。
とにかくテンポがものすごく良い。映像も話の展開も。
早いスピードで切り替わるカットが、いわゆるオシャレ映像を狙ってじゃないのが気に入りました。
次々と詰め込まれる情報がすべて後のストーリーへの布石になってるし、
無駄なシーン、無駄なカットは一切ないと言ってもいいかも知れません。
あらゆる過去の作品の引用やパロディが、ひけらかす感じじゃなく適切に使われている感じで、
ちゃんとストーリーに絡んでるというのが、いちいち"ウマイなあ"と思って観ていました。
とは言っても私が理解できる元ネタなんて知れてるので、
アクションやホラー、警察モノに詳しい人が観たら面白くってしょうがないのでは。
白鳥
村の秘密が明らかになり、事件の真相がわかってくると、
それまで張られていた伏線がどれもこれも"ああなるほど!"とわかる丁寧な作り。
それも"ここでこういうのがあったでしょ?"という風にちゃんと見せてくれる親切設計。
ああ、そうか!おお、そういうこと!が息つく暇もなく交互にやって来る感じで、
その作り方、見せ方にすごくアタマの良さを受けました。
最後の最後まで白鳥ネタ引っ張るのとかすごく好みです。
『ハートブルー』のキアヌはちょっとわかりやすすぎでしたが。
もちろん無茶な話だし、無理が感じられたところも多々。
ずっとニコラスを相手にしてなかったサンドフォード署の刑事や同僚たちが、
アッサリと事の真相を納得しちゃうところなんて納得できませんでした。
最後のドンパチ大会のために、真犯人vs.ポリスメンの図式に無理矢理持って行った感じです。
事件についてニコラスが間違ってるのか、住民たちがあやしいのか、
ニコラスの「自分以外みんな敵?」という恐怖みたいなのがあっても良さそうだし、
同僚たちの説得も、もっと圧倒的な理由みたいなものがあると良かったです。
撃つ!
ラストも二転三転ですんなり終わってくれないところがニクイですが、
終わってみれば手放しで大傑作!ということでもないかな、とも。
ディテールのこだわり方、見せ方があまりに素晴らしいので、
話の筋を考えると、どうしても「もうちょっと頑張って欲しかった!」と思ってしまいます。
それでも普通に傑作。こんなに面白い作品を見逃すところだったなんて!
これの足元にも及ばない、どうしようもない映画がいっぱいロードショー公開されてるのに!
スターが出てない?・・・確かに私も"スター"で観る映画を選びがちですが。
でもスター、出てます。まずケイト・ブランシェット。
でも彼女が出てることは観てる間はまるで忘れてて、
思い当たる女の人といえばあの人だけだなあ、と終わって気が付く始末でした。
もう1人のカメオ、ピーター・ジャクソンに至ってはまるでわかりませんでした。
すごく痛いシーンで登場するんで、思わず目を伏せちゃってたし。
ニコラスを左遷させてしまう上司にマーティン・フリーマン、スティーヴ・クーガン、
そしてビル・ナイがどん!どん!どん!と登場するのなんて御馳走すぎてびっくり。
サイモン・ペグも私にとっては十分スターです。
ところで彼の金髪のせいで、ニコラスは遠目だと華奢なダニエル・クレイグみたいで、
これ、もしダニエル・クレイグだったらだったで面白いだろうなあと妄想してしまいました。
もちろんサイモン・ペグすごく良かったです。堅物で融通が利かない感じがとにかくオカシイ。
さて、ずっと保留にしている『ショーン・オブ・ザ・デッド』観るべきでしょうか。
ゾンビとかって、ホント苦手なんですよね・・・。
Hot Fuzz(2007 イギリス/フランス)
監督 エドガー・ライト
出演 サイモン・ペグ マーティン・フリーマン ビル・ナイ ニック・フロスト
ティモシー・ダルトン ジム・ブロードベント
私もはりきって署名したんですが、去年の夏は何故か渋谷が遠かった・・・。
というわけで、ようやく鑑賞いたしました。
ニコラス・エンジェル(サイモン・ペグ)はロンドンで検挙率トップの超エリート警察官。
しかしその優秀さが妬まれ、田舎町サンドフォードに左遷されてしまいます。
そこは過去20年間、事件らしい事件もないのどかな村。
相棒となった署長バターマン(ジム・ブロードベント)の息子で、
映画オタクのダニー巡査(ニック・フロスト)はニコラスを慕って来ますが、
なかなかほかの同僚や住民たちとは馴染めません。
そんな中、村で住民の怪死事件が発生。
ニコラスは不審なものを感じますが、彼以外は単なる事故だと言って取り合いません。
しかし、そんな不審死はその後も続き・・・。
アイス
悲しい副題を付けられて、いわゆる"おバカ映画"の扱いとなってしまってましたが、
確かに細かいギャグがこれでもかと繰り出されるし、
私も不意を突かれる感じで何度も笑わせてもらいました。
ところがストーリーは意外にもホラーな方向に進んでいって、
個人的に苦手な血みどろな表現も何度も出てくるのが予期してなくて参りました。
寂しい田舎町での何も起こらない中での主人公の奮闘、
要するに、逃げた白鳥を追いかけるみたいなことがずっと続くんだと思っていたら、
予期せず『ウィッカーマン』的世界に突入して行ってびっくり。
とにかくテンポがものすごく良い。映像も話の展開も。
早いスピードで切り替わるカットが、いわゆるオシャレ映像を狙ってじゃないのが気に入りました。
次々と詰め込まれる情報がすべて後のストーリーへの布石になってるし、
無駄なシーン、無駄なカットは一切ないと言ってもいいかも知れません。
あらゆる過去の作品の引用やパロディが、ひけらかす感じじゃなく適切に使われている感じで、
ちゃんとストーリーに絡んでるというのが、いちいち"ウマイなあ"と思って観ていました。
とは言っても私が理解できる元ネタなんて知れてるので、
アクションやホラー、警察モノに詳しい人が観たら面白くってしょうがないのでは。
白鳥
村の秘密が明らかになり、事件の真相がわかってくると、
それまで張られていた伏線がどれもこれも"ああなるほど!"とわかる丁寧な作り。
それも"ここでこういうのがあったでしょ?"という風にちゃんと見せてくれる親切設計。
ああ、そうか!おお、そういうこと!が息つく暇もなく交互にやって来る感じで、
その作り方、見せ方にすごくアタマの良さを受けました。
最後の最後まで白鳥ネタ引っ張るのとかすごく好みです。
『ハートブルー』のキアヌはちょっとわかりやすすぎでしたが。
もちろん無茶な話だし、無理が感じられたところも多々。
ずっとニコラスを相手にしてなかったサンドフォード署の刑事や同僚たちが、
アッサリと事の真相を納得しちゃうところなんて納得できませんでした。
最後のドンパチ大会のために、真犯人vs.ポリスメンの図式に無理矢理持って行った感じです。
事件についてニコラスが間違ってるのか、住民たちがあやしいのか、
ニコラスの「自分以外みんな敵?」という恐怖みたいなのがあっても良さそうだし、
同僚たちの説得も、もっと圧倒的な理由みたいなものがあると良かったです。
撃つ!
ラストも二転三転ですんなり終わってくれないところがニクイですが、
終わってみれば手放しで大傑作!ということでもないかな、とも。
ディテールのこだわり方、見せ方があまりに素晴らしいので、
話の筋を考えると、どうしても「もうちょっと頑張って欲しかった!」と思ってしまいます。
それでも普通に傑作。こんなに面白い作品を見逃すところだったなんて!
これの足元にも及ばない、どうしようもない映画がいっぱいロードショー公開されてるのに!
スターが出てない?・・・確かに私も"スター"で観る映画を選びがちですが。
でもスター、出てます。まずケイト・ブランシェット。
でも彼女が出てることは観てる間はまるで忘れてて、
思い当たる女の人といえばあの人だけだなあ、と終わって気が付く始末でした。
もう1人のカメオ、ピーター・ジャクソンに至ってはまるでわかりませんでした。
すごく痛いシーンで登場するんで、思わず目を伏せちゃってたし。
ニコラスを左遷させてしまう上司にマーティン・フリーマン、スティーヴ・クーガン、
そしてビル・ナイがどん!どん!どん!と登場するのなんて御馳走すぎてびっくり。
サイモン・ペグも私にとっては十分スターです。
ところで彼の金髪のせいで、ニコラスは遠目だと華奢なダニエル・クレイグみたいで、
これ、もしダニエル・クレイグだったらだったで面白いだろうなあと妄想してしまいました。
もちろんサイモン・ペグすごく良かったです。堅物で融通が利かない感じがとにかくオカシイ。
さて、ずっと保留にしている『ショーン・オブ・ザ・デッド』観るべきでしょうか。
ゾンビとかって、ホント苦手なんですよね・・・。
Hot Fuzz(2007 イギリス/フランス)
監督 エドガー・ライト
出演 サイモン・ペグ マーティン・フリーマン ビル・ナイ ニック・フロスト
ティモシー・ダルトン ジム・ブロードベント
タグ:映画
「ショーン・オブ・ザ・デッド」は他のゾンビ映画に比べてだいぶ清潔感があるので、大丈夫だと思いますよ。
でも、ちょっとだけゾンビの食事シーンがあります。
by 江戸 (2009-07-08 17:12)
江戸さん、こんにちは。
清潔感のあるゾンビ、なるほど。ゾンビの食事シーン、それって・・・。
うん、勇気を出して観てみようと思います。
by dorothy (2009-07-08 23:44)