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エージェント・ゾーハン [映画感想−あ]

このところコメディ不足気味だったので、久しぶりにアダム・サンドラーなどを。
それも、とびきり危険なアダム・サンドラーを!


イスラエルの諜報機関モサドに所属するゾーハン(アダム・サンドラー)は、
ずば抜けた身体能力を持つスーパー特殊工作員。
しかし彼の本当の夢はアメリカで美容師になることでした。
夢の実現に向けて機会をうかがっていたゾーハンの前に、
ある日パレスチナのテロリスト、ファントム(ジョン・タトゥーロ)が現れます。
指令を受けファントムを追い詰めるゾーハン。やがて2人は一騎打ちとなり、
激しい戦いの末ゾーハンは死亡・・・と見せかけ、密かにニューヨークへ渡ります。
晴れて美容師への道を歩み始めるゾーハン。しかし彼の時代遅れなセンスに雇ってくれる店はなく・・・。


口も腰も使います
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アダム・サンドラーは『再会の街で』でのシリアス演技が素晴らしく、
でもこれでいよいよコメディ路線と決別してしまうんじゃないかと心配していましたが、
いえいえ、やはりそんなことはなくて、むしろパワーアップして帰ってきてくれました!
最初から最後まで徹底したバカ・・・もちろんホメ言葉ですよ。
もしかしたらこれまで観たサンドラー作品で一番スキかも。
アクションは見応えあるし(もちろんCGとワイヤー駆使ですが)、
下ネタが過ぎる・・・出番の半分ぐらいゾーハンは腰を動かしてたような気もしますが、
いいんです。私は人から軽蔑されようとコレを支持します!

脚本は2000年頃には出来上がっていたんだそうですが、
911テロがあってそこで企画はストップ。
確かにイスラエル対パレスチナのテロリストが主人公のコメディなんて相当微妙。
実際、中東各地出身の俳優たちがたくさん出ていて、現場は最初微妙な空気だったそうです。
でも出来上がったものを観ると、みなさん中東訛り?でやりたい放題!
イスラエルのシーンではゾーハンの凄まじい戦闘能力、
・・・銃弾は軽々避ける、壁は一蹴りでぶち抜く、屋根から屋根へ飛び移ったり、
イルカのように泳いだりとまったくの無敵ぶりを見せながら、
あやしいドリンクが大好きだったり、食べ物はなんでも"ホムス"を付けて食べたりと、
当然ながらゾーハンのキャラクターはちょっとイタイ人になっています。
イスラエルの人に怒られそう。


ファントム!
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そのイタさぶりは舞台がニューヨークに移っていよいよエスカレート。
どこのヘアサロンに行っても雇ってもらえず、仕方なくパレスチナ人が経営する店で働き始めます。
「敵の店で働くなんて」と、最初はこだわっていたゾーハンも、
自分の夢・・・"世界中の人々の髪の毛をサラサラにする"ためには折れるしかない。
で、いざ働きだしたら、持ち前の驚異の身体能力を遺憾なく発揮、
その指使いと腰使い!で、あっという間にサロンは行列が出来る店になってしまいます。
まったくこのあたりのお下劣なカンジはたまりません。
お客さんは全員オバサマ方。そんな彼女たちに対してとにかくやりたい放題で、
最後には個室での濃厚なサービス付き。扉の向こうで何が行われているかは見えませんが。
・・・というか見たくないですが。

そんなゾーハンの活躍の一方で、ゾーハンの正体に気付いた者が登場。
それは過去にゾーハンに"ヤギの恨み"を持つサリーム(ロブ・シュナイダー)で、
彼は仲間たちとゾーハンの命を狙うことに。これがまたデタラメ!
"ヒズボラ電話サービス"にテロ依頼するとか、爆弾の作り方をネットで調べたり、
このあたり相当ヤバイんじゃないかとヒヤヒヤしてしまいます。
それにしてもロブ・シュナイダーの中東人なりきりぶりが凄すぎ!この人ホント天才!
そこに、ゾーハンの生存を知ったファントムも加わり、街の民族間のイザコザもエスカレート。
しかしそんな争いごとも、新たな敵の発覚で意外な方に向かうのですが・・・。


ヤギの仇を
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ジョン・タトゥーロの超人テロリストぶりも見もの。ロッキー並みにカラダ鍛えてます。
ヘアサロンの経営者ダリア(エマニュエル・シューキー)は、
この手の作品に欠かせない美人ヒロイン。ゾーハンと民族を越えた恋愛関係となりますが、
あまりそちらには引っ張らずあっさり目で、ヘンに恋愛話を広げすぎない感じは良かった。
純愛?だし、彼女は実は・・・というオチも一応あるし。
マライア・キャリー、クリス・ロック、ジョン・マッケンローにジョージ・タケイ!と、
脈略ない豪華ゲストも素晴らしいです。マライア、かわいいですよ。
DVDの特典映像がなかなか充実していて、メイキングを見るとホントみなさん楽しそう。
監督のデニス・デューガンがすごくイイ人だというのもわかったし、
そういうイイ空気が作品自体に影響して、こんな際どいテーマを扱いながら、
切羽詰まった風でもなく、おちゃらけ過ぎでもなく、
無理のない作品になったのかな、なんてことも感じました。

民族間の争いなんかやめて、みんな仲良くしようよ〜という、
ゆるーくて、でも直球のテーマを描いているわけで、
そのへんのひねくれてないあたりがサンドラー映画らしいのかも。
いろんな人種の人たちが生きているニューヨークならではの話だし、
実際そんな中で生きていれば、みんな仲良く和気あいあいとはいかなくても、
何かしら折り合いを付けて生きて行かなくちゃいかないんだろうなと、
そんなことまでぼんやり考えてしまいました。
下ネタの好き嫌いでハッキリ評価の分かれるところだと思いますが、
ストーリーもギャグもよく考えられてるし、サンドラー得意の80年代ヒット曲も流れまくり!
ディスコ!ディスコ!グーグー!ですからね。
ところでホムスって食べたことないんですが、おいしいのかなあ。


You Don't Mess with the Zohan(2008 アメリカ)
監督 デニス・デューガン
出演 アダム・サンドラー ジョン・タートゥーロ エマニュエル・シューキー ニック・スウォードソン
   レイニー・カザン イードゥー・モセリ ロブ・シュナイダー デイヴ・マシューズ



エージェント・ゾーハン [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


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