ミスター・ロンリー [映画感想−ま]
困ったなあハーモニー・コリン。
でもディエゴ・ルナ君が観たいしなあという、
それだけの理由で手を出してしまった自分が悪い、と今は思ってます。
幼い頃から自分に違和感を持っていて、
そのためマイケル・ジャクソンとして生きることを決めた"マイケル"(ディエゴ・ルナ)。
今はパリに暮らし、マイケルのモノマネで生計を立てています。
ある日彼は老人ホームの慰問で"マリリン・モンロー"(サマンサ・モートン)と出会います。
彼女はマイケルをスコットランドにある自分の家に誘います。
そこには彼女の夫である"チャップリン"(ドニ・ラヴァン)と娘の"シャーリー・テンプル"、
ほかにもモノマネで生きている人々が大勢暮らしていました。
一方パナマでは、1人の神父(ヴェルナー・ヘルツォーク)が布教活動をしていて、
シスターたちとともに、飛行機で貧しい人々へ食料を投下していました。
マリリンとマイケル
・・・さて。
ディエゴ君、マイケルダンスの特訓したんだろうなあと思うとなんだか微笑ましい。
サマンサ・モートンのマリリンもそうですが、当然顔なんかは全然似てません。
ほかにマドンナとかジェームス・ディーンとかエリザベス女王とかいろいろ登場するんですが、
基本的に誰も似てはいないんですね。
踊りとか動きのモノマネということだと思うんですが、
そのどれもこれもビミョーな感じがものすごく哀愁を感じさせます。
モノマネ自体はラスベガスから日本まで立派なショービズとして成立していると思いますが、
ここに出てくる人たちはそういう一流にはなれない物悲しさというのか、
見せ物という言葉で表現されそうな世界を感じさせ、そしてそこに必ず付いて来るような"哀愁"、
おそらくそんなあたりを狙っているんだろうなという風にまず思えました。
ではそんな哀愁を描く意図とは?・・・そんな意図は無いと言われたら困りますが、
他人として生きる人々の悲哀、というのはわかる。
でも、どうしても「それで?」と思ってしまう。
とにかく今まで一度もハーモニー・コリンの世界を理解出来たことのない自分には、
やはり今回も難解すぎます。
とは言っても、ものすごくわかりやすい話の展開ではあるのですが。
モノマネ屋敷のみなさん
このモノマネ屋敷でのお話と平行して、
パナマの神父とシスターたちのお話が語られるのですが、
ある日食糧配給の飛行機から1人のシスターが空中に投げ出されてしまい、
落ちながら神に祈ったら無事に地面に着地したという奇跡のお話で、
さてこれがどうモノマネ屋敷パートと絡むのかと思うと・・・うーん、絡まない!
というわけで、いよいよどう受け止めていいかわからなくなってきたぞ、と、
だんだん、映画を観ていて一番良くないパターンに自分が向かい始めました。
それは「ダメだコレ」と思ってしまうこと。
頭の上に「?」が浮かんだままで放置されるのは珍しいことではないし、
自分の理解力の無さか相性の悪さだと諦めればいいだけのことなんですが、
せっかくディエゴ・ルナやサマンサ・モートンという良い役者が登場して、
なんか最後にグッと来るものでもあるといいなあ、と思ったら・・・何も来ませんでした。
モノマネ屋敷パートもシスターパートも呆れるぐらい予想通りの展開で、
もうちょっと、もうちょっと何か・・・と求める自分が悪いのかも知れませんが。
フゥーッ!
チャップリン役のドニ・ラヴァンはちょっと衝撃でした。
最近は全然彼の出演作を観ていないので、
私にはアレックスとしての彼しかアタマに残っていなかったもので、
そうかこんなおじいちゃんになっちゃったか、と。
(そうは言ってもまだ40代後半ぐらいだと思いますが。)
ちなみにマイケルのエージェント役でレオス・カラックスが出ています。
ドニ・ラヴァン繋がりなのか、その逆なのかわかりませんが、
神父役のヴェルナー・ヘルツォークといい、この辺のコネクションは強力。
もうひとつ衝撃はサマンサ・モートン。いつのまにこんなドスコイな体型に?
まあ元々ポッチャリした感じの人ではありましたが、ちょっとショック。
でもこの体型が一層このマリリンの役を物悲しいものにしていたと思いました。
ちなみに娘のシャーリー・テンプルちゃんは本当の彼女の娘みたいです。
この子がとにかくカワイイ!時々表情がママ似だなあと思いました。
誰かになりきることでしか生きていけないとか、
何かを信じることの難しさそして素晴らしさとか、
いろんなヒントは見え隠れするんですが、
どうも決定的な答えは差し出されないし見つけられない。
単に何かを感じ取るぐらいでいいだけなのかも知れませんが、
逃げとか小賢しさという言葉も頭に浮かんでしまうし、
最後までハーモニー・コリンだという色眼鏡が外せなかったのかも知れません。
彼が"恐るべき子ども"だった頃にはそれでも良かったのかも知れないけど、
大人になっても結局こんななの?という軽い失望感。
相性が悪い、ということでカンベンしてくださいという感じです。
美しい映像と、それと音楽はすごく良かったです。
好きな人には、ホントごめんなさい。
Mister Lonely(2007 イギリス/フランス)
監督 ハーモニー・コリン
出演 ディエゴ・ルナ サマンサ・モートン ドニ・ラヴァン
ヴェルナー・ヘルツォーク レオス・カラックス
でもディエゴ・ルナ君が観たいしなあという、
それだけの理由で手を出してしまった自分が悪い、と今は思ってます。
幼い頃から自分に違和感を持っていて、
そのためマイケル・ジャクソンとして生きることを決めた"マイケル"(ディエゴ・ルナ)。
今はパリに暮らし、マイケルのモノマネで生計を立てています。
ある日彼は老人ホームの慰問で"マリリン・モンロー"(サマンサ・モートン)と出会います。
彼女はマイケルをスコットランドにある自分の家に誘います。
そこには彼女の夫である"チャップリン"(ドニ・ラヴァン)と娘の"シャーリー・テンプル"、
ほかにもモノマネで生きている人々が大勢暮らしていました。
一方パナマでは、1人の神父(ヴェルナー・ヘルツォーク)が布教活動をしていて、
シスターたちとともに、飛行機で貧しい人々へ食料を投下していました。
マリリンとマイケル
・・・さて。
ディエゴ君、マイケルダンスの特訓したんだろうなあと思うとなんだか微笑ましい。
サマンサ・モートンのマリリンもそうですが、当然顔なんかは全然似てません。
ほかにマドンナとかジェームス・ディーンとかエリザベス女王とかいろいろ登場するんですが、
基本的に誰も似てはいないんですね。
踊りとか動きのモノマネということだと思うんですが、
そのどれもこれもビミョーな感じがものすごく哀愁を感じさせます。
モノマネ自体はラスベガスから日本まで立派なショービズとして成立していると思いますが、
ここに出てくる人たちはそういう一流にはなれない物悲しさというのか、
見せ物という言葉で表現されそうな世界を感じさせ、そしてそこに必ず付いて来るような"哀愁"、
おそらくそんなあたりを狙っているんだろうなという風にまず思えました。
ではそんな哀愁を描く意図とは?・・・そんな意図は無いと言われたら困りますが、
他人として生きる人々の悲哀、というのはわかる。
でも、どうしても「それで?」と思ってしまう。
とにかく今まで一度もハーモニー・コリンの世界を理解出来たことのない自分には、
やはり今回も難解すぎます。
とは言っても、ものすごくわかりやすい話の展開ではあるのですが。
モノマネ屋敷のみなさん
このモノマネ屋敷でのお話と平行して、
パナマの神父とシスターたちのお話が語られるのですが、
ある日食糧配給の飛行機から1人のシスターが空中に投げ出されてしまい、
落ちながら神に祈ったら無事に地面に着地したという奇跡のお話で、
さてこれがどうモノマネ屋敷パートと絡むのかと思うと・・・うーん、絡まない!
というわけで、いよいよどう受け止めていいかわからなくなってきたぞ、と、
だんだん、映画を観ていて一番良くないパターンに自分が向かい始めました。
それは「ダメだコレ」と思ってしまうこと。
頭の上に「?」が浮かんだままで放置されるのは珍しいことではないし、
自分の理解力の無さか相性の悪さだと諦めればいいだけのことなんですが、
せっかくディエゴ・ルナやサマンサ・モートンという良い役者が登場して、
なんか最後にグッと来るものでもあるといいなあ、と思ったら・・・何も来ませんでした。
モノマネ屋敷パートもシスターパートも呆れるぐらい予想通りの展開で、
もうちょっと、もうちょっと何か・・・と求める自分が悪いのかも知れませんが。
フゥーッ!
チャップリン役のドニ・ラヴァンはちょっと衝撃でした。
最近は全然彼の出演作を観ていないので、
私にはアレックスとしての彼しかアタマに残っていなかったもので、
そうかこんなおじいちゃんになっちゃったか、と。
(そうは言ってもまだ40代後半ぐらいだと思いますが。)
ちなみにマイケルのエージェント役でレオス・カラックスが出ています。
ドニ・ラヴァン繋がりなのか、その逆なのかわかりませんが、
神父役のヴェルナー・ヘルツォークといい、この辺のコネクションは強力。
もうひとつ衝撃はサマンサ・モートン。いつのまにこんなドスコイな体型に?
まあ元々ポッチャリした感じの人ではありましたが、ちょっとショック。
でもこの体型が一層このマリリンの役を物悲しいものにしていたと思いました。
ちなみに娘のシャーリー・テンプルちゃんは本当の彼女の娘みたいです。
この子がとにかくカワイイ!時々表情がママ似だなあと思いました。
誰かになりきることでしか生きていけないとか、
何かを信じることの難しさそして素晴らしさとか、
いろんなヒントは見え隠れするんですが、
どうも決定的な答えは差し出されないし見つけられない。
単に何かを感じ取るぐらいでいいだけなのかも知れませんが、
逃げとか小賢しさという言葉も頭に浮かんでしまうし、
最後までハーモニー・コリンだという色眼鏡が外せなかったのかも知れません。
彼が"恐るべき子ども"だった頃にはそれでも良かったのかも知れないけど、
大人になっても結局こんななの?という軽い失望感。
相性が悪い、ということでカンベンしてくださいという感じです。
美しい映像と、それと音楽はすごく良かったです。
好きな人には、ホントごめんなさい。
Mister Lonely(2007 イギリス/フランス)
監督 ハーモニー・コリン
出演 ディエゴ・ルナ サマンサ・モートン ドニ・ラヴァン
ヴェルナー・ヘルツォーク レオス・カラックス
タグ:映画
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