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シューテム・アップ [映画感想−さ]

あちこちで評判がいいので気になっていた作品。
86分という長さは平日の夜とかちょっと時間がある時に観るのにはピッタリ。
それにしても、これは・・・う〜ん・・・。


深夜のニューヨーク。裏通りのベンチに腰掛け、
好物のニンジンをかじっていたスミス(クライヴ・オーウェン)の目の前を、
1人の妊婦が怯えながら通り過ぎ、その女を追って男が現れます。
男が妊婦に銃を向けようとするのを見たスミスは、男を始末し彼女を助けますが、
続々と大勢の刺客たちがやって来て妊婦の命を狙います。
銃撃戦となる中、妊婦は産気づき男の子を出産しますが流れ弾に当たり死亡。
スミスは赤ん坊を抱え、その場を立ち去りますが・・・。


謎の男、スミス
shoot'emup_1.jpg


くだらなすぎ、ふざけすぎ!・・・って、これ、ホメ言葉です。
ここまで徹底してくれると、人死に過ぎとかそんなのどうでもよくなってしまう。
まるっきりマンガというか、ありえないシチュエーションの連続は、
アメコミのスーパーヒーローものでももっとリアルかも。
よくこんなにいろんな銃撃戦のパターンを思いつくモノです。

スミスがまったく素性のわからない男で、
彼がなんでこんなに銃扱いがスゴイのかの説明はまるでナシ。
彼を追う殺し屋のボス、ハーツ(ポール・ジアマッティ)は、
元FBIのプロファイラーだかそうじゃないだかで、
割れたクルマのガラスを見ただけで、これはスミスの仕業だとか判断して、
実際その通りだったりするし、まあ要するに適当でご都合主義な展開なんですが、
そういう細かいことは本当にどうでもいいと思わせるテンポの良い作りで感心します。


謎の男、ハーツ
shoot'emup_2.jpg


スミスの(どうやら)欠かせないものとして、
また武器として重要なアイテムであるのがニンジン。
いったい彼はコートの中に何本ニンジンをしのばせてるの!?と、
観た人全員がツッこむところでしょう。
でもいくら細くて堅いニンジンでもあんな風に刺さらないと思うなあ。
このニンジンネタもこれでもかというぐらいいろんなパターンで出てくるのですが、
そのくだらなさったらないです。

銃の怖さというのは困ったことにあまり実感が湧かないので、
こういう風に映画で観ても恐怖を感じないのですが、
ナイフで(あるいはニンジンで?)刺されるとか、
指をグギッとされるのはやっぱりものすごく痛そうでコワイ。
あと、経験ないですがへその緒を"切る”シーンも・・・無茶。
結構そういうウワッと思う痛いシーンが多いのには辟易だったんですが、
とにかくテンポが早いので、ウワッとか言ってる間に次に行く感じ。
赤ん坊をなぜみんな狙ってるのかとか、一応ちゃんとしたストーリーはあるんですが、
細かい矛盾やツッコミどころも含めて、もうどうでもいい!と思ってしまう。
でも赤ん坊がヘビメタ好きだから妊婦がどこにいたかわかるとか、
博物館の戦車の中が安全だからそこに隠れてるとか、
テキトーでクダラナイ感じなのに、ヘンなこだわりの小ネタがいっぱいで、
そのギャグのようなセンスがいちいちオカシイです。


謎の女、ドンナ
shoot'emup_3.jpg


スミスは"中年男のポニーテール"とか"ウィンカーを出さないドライバー"とか、
ありとあらゆることが気に入らなくてすぐにキレます。
でもその理由は結構マトモというか納得できちゃうことばかりなんですけどね。
クライヴ・オーウェンが終始ほとんどニコリともせず、
必死に赤ん坊を守って孤軍奮闘って、ある意味『トゥモロー・ワールド』と同じ!?
話はまるっきり違いますが、セルフパロディと言えなくもない・・・かも。
悪役ポール・ジアマッティもいいです。
彼のこのところの芸風の広さは、一時期のフィリップ・シーモア・ホフマンかって感じです。
久しぶりに観たモニカ・ベルッチは・・・う〜ん、そろそろこういう役もギリギリかも。
でもここで若くてキャピっとした女の子を出さないところがいい。
イタリア訛りの英語、怯えた顔、これが意図してなのか自然になのか、
なんだかどれもこれもオーバーアクト気味に見えて、
クライヴ・オーウェンの仏頂面と合わせて、ほとんどギャグの域に達しています。
そんなもろもろを狙ってのキャスティングなのかも知れません。

ものすごくセンスの良いB級作品、というところでしょうか。
アクション・コメディとも言えそうなぐらいの、
思わず笑っちゃうトンデモな銃撃戦の数々。
映像作りに凝りすぎな感じもありますが、時間も短くて本当に軽〜く観られる作品。
最近ストレスたまってるなーって時には、こういう1本があると便利?です。


Shoot 'Em Up(2007 アメリカ)
監督 マイケル・デイヴィス
出演 クライヴ・オーウェン ポール・ジアマッティ モニカ・ベルッチ



シューテム・アップ

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
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