ブラザーサンタ [映画感想−は]
これてっきりビデオスルーだと思ってたら、去年ちゃんと公開されていたのですね。
かなりの限定公開だったようですが。
なかなか豪華なキャストだし、まあ公開されてもおかしくはないですが・・・。
フレッド・クロース(ヴィンス・ヴォーン)は、口ばかり達者な取立屋。
恋人のワンダ(レイチェル・ワイズ)にも調子のいいことばかり言って、
ついに愛想を尽かさる始末。
ある日、ある事件がきっかけでフレッドは留置所に入れられてしまいます。
ワンダとは連絡が取れず、仕方なく弟のニコラス(ポール・ジアマッティ)に電話をし、
保釈金を出してくれるよう頼み込みます。
ニコラスは妻アネット(ミランダ・リチャードソン)の反対を押し切り、
北極のオモチャ工場で働くことを条件に、保釈金を出すことを了承します。
そう、このリッパな弟ニコラスは、なんとサンタクロースなのでした・・・。
兄弟ツーショット
まず最初に、フレッドとニコラスの兄弟の確執の発端、
なぜフレッドはダメなヤツで弟は聖人となったかが説明されるのですが、
そりゃあこんなじゃアニキはグレるよなあというエピソードで、
ここはサンタがどうこうというより、兄弟って難しいもんだなあとしみじみ思います。
母親(キャシー・ベイツ)はニコラスばかりを褒め、
フレッドには、あなたもしっかりなさいと小言ばかり。
ニコラスにも母親にも悪気はないので、余計に始末が悪い。
で、これが何百年も前のお話。
後に聖人となるニコラスのおかげで、家族全員年をとらなくなってしまうのです!
というわけで、お話は現代へと移るわけですが、
そうなってくると、どうもいろいろ矛盾点が気になってしょうがない。
北極に暮らしているニコラスはいいとして、
フレッドはいつからシカゴに住み始めたのか・・・という説明はあったかな?
30歳後半ぐらいの状態で年はとらない・・・のかな?
それで恋人なんか作って、いずれは結婚?・・・それは無茶!
あ、結婚するとニコラスの家族になるからワンダも永遠の命をもらえるのかな!?
そこんとこ、ワンダは理解してたのかな?
・・・まあ、どうでもいいことと言えばどうでもいいことなんですが、
このあたりの話をもうちょっと膨らませてもいいような気もしました。
両親と、アヤシイ調査員クライド
それと、謎の調査員クライド。ケヴィン・スペイシーがなかなかハマってます。
彼はおもちゃ工場のここ数年の作業効率が悪いことで、工場を調査しに来たのですが、
最後に彼がなぜそこまでおもちゃ工場を閉鎖させたいかの理由がわかります。
そういうことかあと納得しつつも、それだけの理由で!?とも思ってしまいました。
でも、このことが"この世に悪い子はいない"に繋がるわけだし、これでいいのかなと無理矢理納得。
監督のデヴィッド・ドブキンという人は、
『シャンハイ・ナイト』や『ウェディング・クラッシャーズ』を作った人。
この人の作品ってなんだか、どれもいまいちテンポが悪くて、
どうでもいいようなことをチョイスして肝心なことを切ってしまって、
その結果、なんだか消化不良な感じになっている気がするのです。
印象的なシーンもたくさんあるんですが、全体で観るとどうもバランスが悪い。
特典映像の未公開シーンを観て初めて、ああそういうことだったのね!と、
やっとわかるようなことがあったり。
これをカットするなら採用されたこっちのほうがよっぽどいらないのでは?
というのが多すぎる気がします。
今作だと、エルフのウィリー(ジョン・マイケル・ヒギンズ)と、
サンタの秘書シャーリーン(エリザベス・バンクス)の恋物語なんて入れないで、
フレッドとニコラスと家族、プラス、ワンダとの関係ぐらいに絞れば、
もうちょっとビシッとしたんじゃないかと思います。
もしかして、エリザベス・バンクスにサンタコスプレをさせたいっていうだけで、
あの役を作ったんじゃないかという気もしてしまうんですが・・・。
いやまあ、カワイイですけどね・・・
もうひとつ。これは逆に無くてもいいようなのに意外に見ものなシーンがあります。
それは、フレッドがニコラスとの関係に悩んで、
「兄弟間の葛藤を乗り越える会」だかなんだかいうのに参加するのですが、
この参加メンバーに、兄弟が超有名人という3人が実名で登場するのです。
某有名俳優Sの弟、元アメリカ大統領C(!)の弟・・・は、
確かに大変な思いしてるだろうなあと思うんですが、
(大統領の弟の情けない感じは申し訳ないけど結構笑えます。)
俳優4兄弟B家の末っ子・・・スティーヴン!
君はそこそこ頑張ってると思うんだけど。
確かにアレックが一番稼いでるかもとは思いますが。
こんな人たちを引っ張って来たアイデアは面白いと思いました。
小さいエルフの中にデカいヴィンス・ヴォーン・・・というのは、
まるっきり『エルフ ~サンタの国からやってきた~』と同じ図式なので、
ハッキリ言ってあまり新鮮味はありません。
人の縮尺の違いは子どもや小さい人を使って撮影されてるようですが、
CG合成もかなり多用されています。
エルフのウィリーやエルフDJドニー(リュダクリス)はところどころ顔だけすげ替えで、
これはちょっと違和感。仕方ないことだとは思いますが・・・。
ポール・ジアマッティのニコラスはピッタリ。
長髪+ヒゲで目ぐらいしか見えないし、全身膨らませちゃってるけど、
いつもの「困ったなあ」って感じの表情がよく活かされてたと思います。
いろいろ惜しいところの多い今作。
そもそも、サンタの物語というのはファンタジーであるわけで、
矛盾があるのは当たり前、その前提で話は進むことはわかっているので、
できればもっと上手くウソをついて欲しかったです。
矛盾とか考えさせる間もないぐらいに、もうちょっとコンパクトにまとめて欲しかった。
着眼点は面白いと思うんですが、生かし切れてない感じがすごく残念。
でも豪華なキャスト、それとカラフルでキラキラなサンタランドの映像は一見の価値アリです。
それとオープニングのワーナーのロゴ、エンドロール最初のキャストやスタッフの名前の出し方は、
クリスマスのカラフル&光り物好きにはたまりません!
Fred Claus(2007 アメリカ)
監督 デヴィッド・ドブキン
出演 ヴィンス・ヴォーン ポール・ジアマッティ ジョン・マイケル・ヒキンズ ミランダ・リチャードソン
レイチェル・ワイズ キャシー・ベイツ エリザベス・バンクス ケヴィン・スペイシー リュダクリス
かなりの限定公開だったようですが。
なかなか豪華なキャストだし、まあ公開されてもおかしくはないですが・・・。
フレッド・クロース(ヴィンス・ヴォーン)は、口ばかり達者な取立屋。
恋人のワンダ(レイチェル・ワイズ)にも調子のいいことばかり言って、
ついに愛想を尽かさる始末。
ある日、ある事件がきっかけでフレッドは留置所に入れられてしまいます。
ワンダとは連絡が取れず、仕方なく弟のニコラス(ポール・ジアマッティ)に電話をし、
保釈金を出してくれるよう頼み込みます。
ニコラスは妻アネット(ミランダ・リチャードソン)の反対を押し切り、
北極のオモチャ工場で働くことを条件に、保釈金を出すことを了承します。
そう、このリッパな弟ニコラスは、なんとサンタクロースなのでした・・・。
兄弟ツーショット
まず最初に、フレッドとニコラスの兄弟の確執の発端、
なぜフレッドはダメなヤツで弟は聖人となったかが説明されるのですが、
そりゃあこんなじゃアニキはグレるよなあというエピソードで、
ここはサンタがどうこうというより、兄弟って難しいもんだなあとしみじみ思います。
母親(キャシー・ベイツ)はニコラスばかりを褒め、
フレッドには、あなたもしっかりなさいと小言ばかり。
ニコラスにも母親にも悪気はないので、余計に始末が悪い。
で、これが何百年も前のお話。
後に聖人となるニコラスのおかげで、家族全員年をとらなくなってしまうのです!
というわけで、お話は現代へと移るわけですが、
そうなってくると、どうもいろいろ矛盾点が気になってしょうがない。
北極に暮らしているニコラスはいいとして、
フレッドはいつからシカゴに住み始めたのか・・・という説明はあったかな?
30歳後半ぐらいの状態で年はとらない・・・のかな?
それで恋人なんか作って、いずれは結婚?・・・それは無茶!
あ、結婚するとニコラスの家族になるからワンダも永遠の命をもらえるのかな!?
そこんとこ、ワンダは理解してたのかな?
・・・まあ、どうでもいいことと言えばどうでもいいことなんですが、
このあたりの話をもうちょっと膨らませてもいいような気もしました。
両親と、アヤシイ調査員クライド
それと、謎の調査員クライド。ケヴィン・スペイシーがなかなかハマってます。
彼はおもちゃ工場のここ数年の作業効率が悪いことで、工場を調査しに来たのですが、
最後に彼がなぜそこまでおもちゃ工場を閉鎖させたいかの理由がわかります。
そういうことかあと納得しつつも、それだけの理由で!?とも思ってしまいました。
でも、このことが"この世に悪い子はいない"に繋がるわけだし、これでいいのかなと無理矢理納得。
監督のデヴィッド・ドブキンという人は、
『シャンハイ・ナイト』や『ウェディング・クラッシャーズ』を作った人。
この人の作品ってなんだか、どれもいまいちテンポが悪くて、
どうでもいいようなことをチョイスして肝心なことを切ってしまって、
その結果、なんだか消化不良な感じになっている気がするのです。
印象的なシーンもたくさんあるんですが、全体で観るとどうもバランスが悪い。
特典映像の未公開シーンを観て初めて、ああそういうことだったのね!と、
やっとわかるようなことがあったり。
これをカットするなら採用されたこっちのほうがよっぽどいらないのでは?
というのが多すぎる気がします。
今作だと、エルフのウィリー(ジョン・マイケル・ヒギンズ)と、
サンタの秘書シャーリーン(エリザベス・バンクス)の恋物語なんて入れないで、
フレッドとニコラスと家族、プラス、ワンダとの関係ぐらいに絞れば、
もうちょっとビシッとしたんじゃないかと思います。
もしかして、エリザベス・バンクスにサンタコスプレをさせたいっていうだけで、
あの役を作ったんじゃないかという気もしてしまうんですが・・・。
いやまあ、カワイイですけどね・・・
もうひとつ。これは逆に無くてもいいようなのに意外に見ものなシーンがあります。
それは、フレッドがニコラスとの関係に悩んで、
「兄弟間の葛藤を乗り越える会」だかなんだかいうのに参加するのですが、
この参加メンバーに、兄弟が超有名人という3人が実名で登場するのです。
某有名俳優Sの弟、元アメリカ大統領C(!)の弟・・・は、
確かに大変な思いしてるだろうなあと思うんですが、
(大統領の弟の情けない感じは申し訳ないけど結構笑えます。)
俳優4兄弟B家の末っ子・・・スティーヴン!
君はそこそこ頑張ってると思うんだけど。
確かにアレックが一番稼いでるかもとは思いますが。
こんな人たちを引っ張って来たアイデアは面白いと思いました。
小さいエルフの中にデカいヴィンス・ヴォーン・・・というのは、
まるっきり『エルフ ~サンタの国からやってきた~』と同じ図式なので、
ハッキリ言ってあまり新鮮味はありません。
人の縮尺の違いは子どもや小さい人を使って撮影されてるようですが、
CG合成もかなり多用されています。
エルフのウィリーやエルフDJドニー(リュダクリス)はところどころ顔だけすげ替えで、
これはちょっと違和感。仕方ないことだとは思いますが・・・。
ポール・ジアマッティのニコラスはピッタリ。
長髪+ヒゲで目ぐらいしか見えないし、全身膨らませちゃってるけど、
いつもの「困ったなあ」って感じの表情がよく活かされてたと思います。
いろいろ惜しいところの多い今作。
そもそも、サンタの物語というのはファンタジーであるわけで、
矛盾があるのは当たり前、その前提で話は進むことはわかっているので、
できればもっと上手くウソをついて欲しかったです。
矛盾とか考えさせる間もないぐらいに、もうちょっとコンパクトにまとめて欲しかった。
着眼点は面白いと思うんですが、生かし切れてない感じがすごく残念。
でも豪華なキャスト、それとカラフルでキラキラなサンタランドの映像は一見の価値アリです。
それとオープニングのワーナーのロゴ、エンドロール最初のキャストやスタッフの名前の出し方は、
クリスマスのカラフル&光り物好きにはたまりません!
Fred Claus(2007 アメリカ)
監督 デヴィッド・ドブキン
出演 ヴィンス・ヴォーン ポール・ジアマッティ ジョン・マイケル・ヒキンズ ミランダ・リチャードソン
レイチェル・ワイズ キャシー・ベイツ エリザベス・バンクス ケヴィン・スペイシー リュダクリス
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