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アイス・ハーヴェスト 氷の収穫 [映画感想−あ]

ジョン・キューザック出演作品にハズレ無し。
・・・と常々思っていたのですが、
でもやっぱりハズレもあるんだろうなあ、と、
観ていなかった、日本では見事にビデオスルーだった作品を鑑賞。
さて、その結果は・・・?


クリスマスイブのカンザス州ウィチタ。
マフィア専門の弁護士チャーリー(ジョン・キューザック)は、
相棒のヴィク(ビリー・ボブ・ソーントン)と共謀し、
顧客であるマフィアのボス、ビル(ランディ・クエイド)の裏金200万ドルを盗み出すことに成功。
チャーリーはこの金を持って、ストリップバーを経営するレナータ(コニー・ニールセン)と共に、
この町を離れようとしていました。
しかし、金を盗まれたことに気づいたビルの手下が彼らを捜し始め、
その上、ヴィクは金を持ったままどこかに姿を消してしまい・・・。


こんな町は早く出よう
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チャーリーとヴィクが奪った大金を持って町を出ることができるか?
・・・というのがメインのお話しなのですが、
ヴィクは途中で姿を消してしまうし、
チャーリーはいろんな出来事に巻き込まれるしで、話は脇に逸れがち。
ストリップバーのバーテン、シドニー(ネッド・ベラミー)はいざこざを起こすし、
元妻の現夫、ピート(オリヴァー・プラット)のこともかまわなくちゃならない。
この脇に逸れた話が最後にひとつになる・・・というのなら面白いのですが、
残念ながらそうはならないのです。

町には氷雨が降り、そこいらじゅうが凍結していて、
人もクルマもツルツルと滑ってしまうぐらい冷え切っています。
これは夏場に観ると涼しくなれて良かったかも。
その暗く凍える空気が、フィルム・ノワール的世界をよく出しているようないないような。
そう、いかにも場末なストリップバー、レナータの服装やヘアスタイル、
マフィアの裏金、ナイフやピストル・・・と、雰囲気はフィルム・ノワールしています。
原作の設定は70年代だったそうで、それを現代劇にしたことの意図もよくわかりません。
現代的なのは携帯電話があることぐらいだし、連絡を取り合うためにはまあ必要ではありますが。


味方なのか裏切り者なのか
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というわけで、この作品をコメディにしたかったのかサスペンスにしたかったのか、
どちらかに絞ればうまくいったのではないかと思います。
その方向性が見えないと、チャーリーとヴィクの湖でのやりとりとか、
彼らの行動1つ1つを笑っていいやら、シリアスに受け止めていいのやら・・・と、
観ているこちら側は置いてけぼり状態になってしまうのです。

世の中には、サスペンスとコメディが上手く融合した作品はたくさんあります。
コーエン兄弟の作品なんか、まさに成功例のオンパレード!だと思うし、
ジョン・キューザック絡みで言えば『ポイント・ブランク』なんかまさにそんな感じ。
そんな路線を目指したのかも知れませんが、見事に外れてしまっています。
こんなに良いキャストを揃えて本当にもったいない。
しかも監督は『恋はデジャ・ブ』や『アナライズ・ミー』のハロルド・ライミス・・・なのにです。
この人、最近はまた俳優業のほうが多いみたいで、
フラットパック映画に出まくったりしてるから腕が鈍ったのかしらん?
アメリカ版の『The Office』の演出したりしてるみたいですけど、大丈夫なのかな?
映画作りって難しいことなんですね。
ちなみに新作はジャック・ブラック主演作で、
『スーパーバッド 童貞ウォーズ』のマイケル・セラとクリストファー・ミンツ=プラッセも出てるし、
オリヴァー・プラットも出てます。期待しても大丈夫かなあ?


オリヴァー・プラット!いいなあ
theiceharvest_3.jpg


ジョン・キューザックとビリー・ボブ・ソーントンは期待通りの仕事ぶり。
ビリー・ボブの使い方はちょっともったいない気もしましたが。
今作で一番良い味を出しているのはオリヴァー・プラット!
いろんな作品でよく見かける人ですが、この人すごくいいなあ。
ずっと酔っぱらってるだけ、とも言えますが。
裏金強奪の話より、この元夫と現夫の話で一本作って欲しかった感じです。
2人の元・現妻の両親とチャーリーの子どもたちのキャラクターとか、
ワンシーンしか出てこないのに、すごいドラマがありそうだったし。
まあそんな風に見せてたのも、オリヴァー・プラットのおかげとも言えそうです。

ジョンキューとビリーボブ好きな人以外にはちょっとオススメできませんが、
オリヴァー・プラットの名前にピンと来た人にはオススメ。
なんだそりゃ?って感じですね。


The Ice Harvest(2005 アメリカ)
監督 ハロルド・ライミス
出演 ジョン・キューザック ビリー・ボブ・ソーントン コニー・ニールセン
   ランディ・クエイド オリヴァー・プラット ネッド・ベラミー



アイス・ハーヴェスト 氷の収穫 (ユニバーサル・セレクション2008年第10弾) 【初回生産限定】

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • メディア: DVD


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コメント 2

堀越ヨッシー

こんにちは(^皿^)。
オリヴァー・プラット、いいですね。「三銃士」の頃はもうちょっと痩せてたような気がしないでもないですが、今じゃぷっくり(笑)。オイラがソフトとして持ってるのは「エグゼクティブ・デシジョン」だけですが、映画を見ていて「お、出てる!」って嬉しくなるような脇役俳優(失礼!)のひとりですね。
甘いマスクに似合わないガラガラ声が魅力のジョン・キューザックも好きですし、機会があればこの作品も見てみたいと思います。
by 堀越ヨッシー (2008-10-19 10:18) 

dorothy

堀越ヨッシーさん、コメント& nice!ありがとうございます。
オリヴァー・プラットもですが、
この作品ではランディ・クエイドもものすごくぷっくりしてました。

もしご覧になる機会があっても、本当に「アレアレ?」っていう出来なので、
期待しないで観てくださいね。
by dorothy (2008-10-19 21:15) 

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