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ウォンテッド [映画感想−あ]

最初に予告編を観たときに思ったのは「今さらマトリックス?」
キャラクターの設定や映像の作り方はどうみても『マトリックス』。
ただ、メインキャラクターが3人とも好きな俳優だし、びっくり映像も大好き、
聞こえてくる評判もなかなか良さそうだったので、これはものすごく期待大でした。


何もかもうまくいかない日々を送っているウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)。
ある日、そんな彼の前に謎の美女フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)が現われます。
彼女はウェスリーの父親を知っていたと言い、彼をある組織のもとへと連れて行きます。
幼い頃に生き別れた父の秘密、そして自分の"素質"を知らされたウェスリーは、
この組織で暗殺者となるべく、訓練を始めますが・・・。


ジェームズ・マカヴォイ、カッコイイ!
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サエない主人公ウェスリーが特訓を受けて目覚めていく、その過程はなかなか楽しめました。
最初に説明される彼のストレス、それによって起こるパニック障害の説明も適切で、
預金残高がなくてATMにバカにされちゃうあたりの演出も面白い。
そんなこんながあって、自分の可能性に目覚めてしまうというのは説得力があります。
特訓だからって、あんなにボコボコにされなきゃなのかなあとは思いますが。

フォックスが登場するドラッグストアの銃撃戦、
そしてそのあとのカーチェイスもかなりの見応えです。
クルマを使うシーンはこのあといくつも出てくるのですが、
これがどれもこれも「そんな無茶な!」なんですが、なかなか見せてくれます。
それから、予告編でも登場する曲がる銃弾。
これは究極の「ありえない!」なんですが、これができるなら百発百中・・・ではないのですね。
スローで見せる銃弾、その銃弾同士がぶつかり合うビジュアルも楽しいです。

そして「ありえない!」というより「これ欲しい!」のが、あっという間に傷を治すお風呂。
これがあるおかげでボコボコにされても翌日には顔の傷もなくなってるという!
そもそも映画では「あんなにケガしたのにもう腫れもカサブタもないの?」というのはよくあることですが、
このお風呂の言い訳が、次のシーンの傷メイクをしなくて済む理由になってる・・・?
あのお風呂、何でできてるのでしょう?全身固まって窒息しちゃいそうですけどね。


アンジー、当然カッコイイ!
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気になる点、気に入らない点もたくさんあります。
ストーリーが破綻しているというのはあまり気にしません。
あの機織り機の意味はまるでわからないけど、そもそも何もかもがありえない設定だし、
そのありえない世界の中ならなんでもアリなわけで、細かいところに箸をつっこむ気はありません。
それより、私がこの作品に大きくマイナスポイントを付けたのは列車事故のシーン。
「1人を倒して1000人を助ける」って話じゃなかったんでしょうか?あれ、乗客全員死亡ですよね。
とりあえず殺される理由がある人は、その理由がどうであれストーリー上死ぬのはかまわない。
でも、まったく関係ない一般人を巻き込むのは絶対にダメ。
せめて「これって死人が出ててもおかしくないよね?」と思わせるぐらいで留めておくべきだと思います。
街中のカーチェイスもたぶん死人は出てるでしょう。思いっきりバスに突っ込んでたし。
でも、これは世の映画のカーチェイスすべてに言えることですが、
クルマが大爆発でも起こさない限り"おそらく、大丈夫"と曖昧なままで終わらせられます。
でも、あの列車のシーンは絶対ダメ。あれで一気に気分が悪くなりました。

それと、あの組織内にいた人たちの立場もどうなのでしょう?
憎むべきはスローンだけなのでは?
でも、そのラストシーンでのフォックスの"判断"は正しい。
さすがアンジーにはいいところを持って行かせました。


モーガン・フリーマン、やっぱりカッコイイ!
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個人的に苦手な刃物バトルとネズミもちょっとカンベンして欲しかったです。
大好きなピーナッツバターが当分食べられそうにない!
豪華なキャストとこれでもかのVFXで誤魔化されてる気がしますが、
作品としては思いっきりB級映画。
ダニー・エルフマンの音楽も高級感を出すのに一役買ってますが、
ちょっと静かで感情的なシーンにも延々流れる音楽の使い方は安っぽいメロドラマ風で、
このあたりもB級っぽさ満点です。
それを悪いとは思わないし、何も考えずに観るストレス解消映画としたらよくできていると思います。
上に書いたようなことを「なんで?」と思いながらも、
終盤でウェスリーが大勢を一人で相手にするシーンは素直にカッコイイ!と思いました。
ストーリーが破綻しているとはいえ、どんでん返しな展開もおおっと思わせられたし、
ちゃんと最初のシーンが伏線になっているオチも納得。
そんなこんなで、結局なんだか中途半端で惜しいというか、
読み捨てられるマンガのような作品、という感じを受けました。
こう考えると『マトリックス』は偉大だったのだなあ。時代もあるのでしょうけど。
これも3部作になる、なんて話もあるようですが、
『マトリックス』でさえあの惨状だったのだから、止めた方がいいのでは・・・。


Wanted(2007 アメリカ)
監督 ティムール・ベクマンベトフ
出演 ジェームズ・マカヴォイ モーガン・フリーマン アンジェリーナ・ジョリー
   テレンス・スタンプ トーマス・クレッチマン コモン 



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