殺したいほどアイ・ラブ・ユー [映画感想−か]
昔の映画を観る楽しみに、もう今となっては実現できない競演や、
二度とこんな役はやらないだろうな、という役柄を見られるということがあります。
1990年のこの作品には、そんな驚きがいっぱい詰まっています。
ピザ屋を営むジョーイ(ケヴィン・クライン)は働き者ですが、大変な浮気性。
妻のロザリー(トレイシー・ウルマン)を愛してはいますが、
何人も愛人を作り、かつナンパを繰り返す日々です。
密かにロザリーに想いを寄せている店員のディーボ(リヴァー・フェニックス)は、
彼女にさりげなくジョーイの浮気を知らせますが、ロザリーは信じません。
しかしある日、彼女は自分の目で夫の浮気現場を目撃してしまいます。
悲しみに暮れるロザリーは、母親のナージャ(ジョーン・プローライト)に相談。
そして、ジョーイの殺害を決意するのですが・・・。
愛すべき浮気男、ジョーイ
大好きな大好きなケヴィン・クライン。
イタリア人で敬虔なクリスチャンで”ホルモンが有り余っている”浮気男という、
実に胡散臭く、彼得意のキャラクターとも言えます。
冒頭、告解室で神父に何人と浮気したかを告白するシーンからおかしい。
仕事も浮気もエネルギッシュ。子どもたちには愛情いっぱい。
妻ロザリーに対してはかなりの亭主関白ぶり。
イタリア人男性ってこんなイメージなんでしょうか?
そんな彼を一途に信じ続ける妻ロザリー。
これを見た目イマイチなトレイシー・ウルマンが演じているところが絶妙です。
ユーゴスラビア人という設定で、母親とは時々自国語(正しいのかどうかは謎ですが)で話したりします。
この母親役のジョーン・プローライトがまた怪演。
なまりのある英語で、いつも怪しいタブロイド記事のスクラップをしていて、
ハンダ持って何か作ったり、自動車に細工したりといった不思議な才能を持っています。
娘婿とは気が合わなくて、誰よりもジョーイを殺す気まんまんです。
浮気はするけど愛してる
店員ディーボを演じるリヴァー・フェニックス。
ロザリーのことが好きなので、夫殺しをあっさり引き受けてしまったりします。
でももちろんうまくいきません。
『インディ・ジョーンズ』と『マイ・プライベート・アイダホ』の間に位置する出演作なのですが、
彼がこのようなコメディ作品に出演していたというのは貴重に思えます。
コメディセンスがあるかどうかと言われると「?」ですが。
私はあまり彼に対して深い思い入れはなかったんですが、
こういうのを観ると、やはり貴重な役者を失ってしまったんだなあとしみじみ思います。
この時20歳ぐらいである彼は、長髪でヒッピー風ないでたちでとにかくキュート。
何かの拍子でロザリーの胸に顔を埋めてしまうシーンがあるのですが、
もう一度、今度は故意にムギュッとしちゃうところがすごくカワイイ。
そして、ディーボが連れてくるのが、
ジャンキーのハーラン(ウィリアム・ハート)とマーロン(キアヌ・リーヴス)。
2人は従兄弟同士なんですが、とにかくずっとラリッていて挙動不審。
長髪のウィリアム・ハートはまだ多少しっかりしているのですが、
わけのわからないヘアスタイルのキアヌはかなりアブナイ。
でも、このキアヌ君もすごく可愛い!
彼はこういう役が意外に合ってると思うのですが、もうやってはくれないのでしょうか。
この作品での競演が縁でキアヌとリヴァーは仲良くなり、
このあと『マイ・プライベート・アイダホ』が待っているわけですが、
あの作品の前にコレというのはなかなか興味深いものがあります。
ジョーイを殺したい人たち
続々登場するジョーイの浮気相手も見応えポイント。
ビックリするぐらい可愛いヘザー・グレアムに、
ほとんど顔は映らない上にノンクレジットなのが、
ローラ・パーマーことシェリル・リー。(おお、ツインピークス繋がり?)
そして当時、ケヴィン・クラインと結婚したばかりのフィービー・ケイツ。
この夫婦競演シーンだけ意味もなく長い気がするのですが・・・。
この後、『イカとクジラ』のオーウェン・クライン君が誕生するのかと思うと、
感慨深いものがあります。
殺されても殺されてもなかなか死なないジョーイ。
血やスパゲティにまみれながらフラフラ生きている彼の姿はまるでホラー映画。
これなんと、実話だって言うんですね。
ママ・ナージャがスクラップするタブロイド紙レベルの話のような気もしますが。
公開当時、評価も興行成績もあまり良くなかったらしく、
十数年ぶりに観ましたが、もうちょっと面白かったような記憶があったのですが、
確かに作品としてはもうひとつ物足りなさを感じます。
出演者たちが全員好演しているのでちょっと残念ですが、
この豪華な競演を楽しむ作品として記憶に留めておきたい作品。
キアヌ・リーヴスのファンは絶対に必見だし。
また何年かして観たら、新たな発見があるかも・・・ないかな?
I Love You to Death(1990 アメリカ)
監督 ローレンス・カスダン
出演 ケヴィン・クライン トレイシー・ウルマン ジョーン・プローライト リヴァー・フェニックス
ウィリアム・ハート キアヌ・リーヴス ヘザー・グレアム フィービー・ケイツ
二度とこんな役はやらないだろうな、という役柄を見られるということがあります。
1990年のこの作品には、そんな驚きがいっぱい詰まっています。
ピザ屋を営むジョーイ(ケヴィン・クライン)は働き者ですが、大変な浮気性。
妻のロザリー(トレイシー・ウルマン)を愛してはいますが、
何人も愛人を作り、かつナンパを繰り返す日々です。
密かにロザリーに想いを寄せている店員のディーボ(リヴァー・フェニックス)は、
彼女にさりげなくジョーイの浮気を知らせますが、ロザリーは信じません。
しかしある日、彼女は自分の目で夫の浮気現場を目撃してしまいます。
悲しみに暮れるロザリーは、母親のナージャ(ジョーン・プローライト)に相談。
そして、ジョーイの殺害を決意するのですが・・・。
愛すべき浮気男、ジョーイ
大好きな大好きなケヴィン・クライン。
イタリア人で敬虔なクリスチャンで”ホルモンが有り余っている”浮気男という、
実に胡散臭く、彼得意のキャラクターとも言えます。
冒頭、告解室で神父に何人と浮気したかを告白するシーンからおかしい。
仕事も浮気もエネルギッシュ。子どもたちには愛情いっぱい。
妻ロザリーに対してはかなりの亭主関白ぶり。
イタリア人男性ってこんなイメージなんでしょうか?
そんな彼を一途に信じ続ける妻ロザリー。
これを見た目イマイチなトレイシー・ウルマンが演じているところが絶妙です。
ユーゴスラビア人という設定で、母親とは時々自国語(正しいのかどうかは謎ですが)で話したりします。
この母親役のジョーン・プローライトがまた怪演。
なまりのある英語で、いつも怪しいタブロイド記事のスクラップをしていて、
ハンダ持って何か作ったり、自動車に細工したりといった不思議な才能を持っています。
娘婿とは気が合わなくて、誰よりもジョーイを殺す気まんまんです。
浮気はするけど愛してる
店員ディーボを演じるリヴァー・フェニックス。
ロザリーのことが好きなので、夫殺しをあっさり引き受けてしまったりします。
でももちろんうまくいきません。
『インディ・ジョーンズ』と『マイ・プライベート・アイダホ』の間に位置する出演作なのですが、
彼がこのようなコメディ作品に出演していたというのは貴重に思えます。
コメディセンスがあるかどうかと言われると「?」ですが。
私はあまり彼に対して深い思い入れはなかったんですが、
こういうのを観ると、やはり貴重な役者を失ってしまったんだなあとしみじみ思います。
この時20歳ぐらいである彼は、長髪でヒッピー風ないでたちでとにかくキュート。
何かの拍子でロザリーの胸に顔を埋めてしまうシーンがあるのですが、
もう一度、今度は故意にムギュッとしちゃうところがすごくカワイイ。
そして、ディーボが連れてくるのが、
ジャンキーのハーラン(ウィリアム・ハート)とマーロン(キアヌ・リーヴス)。
2人は従兄弟同士なんですが、とにかくずっとラリッていて挙動不審。
長髪のウィリアム・ハートはまだ多少しっかりしているのですが、
わけのわからないヘアスタイルのキアヌはかなりアブナイ。
でも、このキアヌ君もすごく可愛い!
彼はこういう役が意外に合ってると思うのですが、もうやってはくれないのでしょうか。
この作品での競演が縁でキアヌとリヴァーは仲良くなり、
このあと『マイ・プライベート・アイダホ』が待っているわけですが、
あの作品の前にコレというのはなかなか興味深いものがあります。
ジョーイを殺したい人たち
続々登場するジョーイの浮気相手も見応えポイント。
ビックリするぐらい可愛いヘザー・グレアムに、
ほとんど顔は映らない上にノンクレジットなのが、
ローラ・パーマーことシェリル・リー。(おお、ツインピークス繋がり?)
そして当時、ケヴィン・クラインと結婚したばかりのフィービー・ケイツ。
この夫婦競演シーンだけ意味もなく長い気がするのですが・・・。
この後、『イカとクジラ』のオーウェン・クライン君が誕生するのかと思うと、
感慨深いものがあります。
殺されても殺されてもなかなか死なないジョーイ。
血やスパゲティにまみれながらフラフラ生きている彼の姿はまるでホラー映画。
これなんと、実話だって言うんですね。
ママ・ナージャがスクラップするタブロイド紙レベルの話のような気もしますが。
公開当時、評価も興行成績もあまり良くなかったらしく、
十数年ぶりに観ましたが、もうちょっと面白かったような記憶があったのですが、
確かに作品としてはもうひとつ物足りなさを感じます。
出演者たちが全員好演しているのでちょっと残念ですが、
この豪華な競演を楽しむ作品として記憶に留めておきたい作品。
キアヌ・リーヴスのファンは絶対に必見だし。
また何年かして観たら、新たな発見があるかも・・・ないかな?
I Love You to Death(1990 アメリカ)
監督 ローレンス・カスダン
出演 ケヴィン・クライン トレイシー・ウルマン ジョーン・プローライト リヴァー・フェニックス
ウィリアム・ハート キアヌ・リーヴス ヘザー・グレアム フィービー・ケイツ
タグ:映画
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