エバン・オールマイティ

ジム・キャリー主演『ブルース・オールマイティ』のスピンオフ。
『ブルース〜』で主人公ブルースのライバルキャスターだった、
スティーヴ・カレル演じるエバンが今回は主人公。
そして今回も神様モーガン・フリーマンが登場！さて今回、彼がエバンに与える試練とは？


TVキャスターのエバン・バクスター（スティーヴ・カレル）は、
"世界を変えよう"を公約に掲げ、みごと下院議員に当選。
ヴァージニア州の郊外へ家を買い、妻ジョーン（ローレン・グレアム）と、
3人の息子たちと共に引っ越して来ます。
さっそくベテラン議員のロング（ジョン・グッドマン）から、
新法案の共同提案者の話を持ちかけられるなど、前途は洋々。
ところが、そんな彼の前に突然神（モーガン・フリーマン）が現われ、
エバンに箱舟を造るよう告げます。


うぉあっ！？



前作のブルースは「神の仕事をしろ」と言われ、
まさにオールマイティなパワーを与えられましたが、
今回は箱舟造りに焦点を絞られていて、そのためには議員の仕事はさせてもらえないし、
髪やヒゲはどんどん伸びて来ちゃうし、本当に"オールマイティ"と言っていいのか。
ちょっと気の毒ですらあります。
でも、それまでの彼は「国民の目があるからね」とか言って新車がハマーだったり、
熱帯雨林の破壊にも無関心。
仕事優先で家族はないがしろという、ちょっとイヤなヤツでもあり、
ここはひとつ、心を入れ替えてもらいたい気もします。

"世界を変える"と言っても、結局エバンが家を買った住宅地の周囲を"変える”だけなのですが、
それなのに、ノアの箱舟どおりにつがいの動物がどんどん集まって来ちゃいます。
ライオンやキリン、パンダまでいたりして、そこだけ世界規模。
だんだんと箱舟造りが世間のニュースになっていきますが、
この動物たち全員集合のほうがよっぽど事件だと思います。
クマとかワニとか大蛇とかが普通にいるんだから、
まずはそんな危険動物の捕獲が先に行われると思うのですが・・・。
まあ、そんな細かいことはどうでもいいことで。


コレ使って箱舟を造りなさい



後半、だんだんとマジになっていくエバン・・・というのも、
真っ白い長髪にヒゲも伸びきって、目しか見えないせいもあるんですが、
これがちょっとジェレミー・アイアンズに似てる気もして、
なんだか荘厳な雰囲気すら感じられます。
予言通り（？）に起こる大洪水、その理由はかなりくだらないですが、大迫力！
動物のシーンも含めて、CGは相当お金かかってそうで見応えがあります。

モーガン・フリーマンの神様は相変わらず飄々としてて暖かくて、
そして何より本人が楽しそうに演じているのが見ていて楽しい。
ジョン・グッドマンの人の良さそうな悪人もさすがにウマイ！
エバンのアシスタントのワンダ・サイクスやジョン・マイケル・ヒギンズ、
"歩く検索男"ジョナ・ヒルらの演技も適切で、観ていて安心感があります。


ロング議員は敵？味方？



宗教色はそれなりに濃いですが、知識がなくてもまったく問題ありません。
繰り出されるギャグに大爆笑の連続・・・といかないところが残念ではありますが、
不思議に飽きずに観ていられます。
スティーヴ・カレルはそれなりに飛ばしてはいますが、
ジム・キャリーに比べればさすがにおとなしめ。
でも、その飛ばし加減が適切というか、彼のキャラクターに良く合っていて、
それが全体に良い雰囲気を出しているような気がしました。
ジム・キャリーはキライではないのですが、作品によってはどうしてもクドさが気になって、
彼のキャラクターに引っ張られすぎてお腹いっぱいな感じになってしまいます。
『ブルース〜』はそのくどさが感じられて、個人的にはイマイチでした。
テーマはよくある"家族愛"だし、先は読めちゃうし、
でも個人的には『ブルース〜』よりこちらのほうが楽しめました。
予想通りの展開なのに楽しい、というのは、意外に難しいことなのかも知れないと、
この作品の"楽しい予定調和"ぶりを観ていて思いました。


Evan Almighty（2007　アメリカ）
監督　トム・シャドヤック
出演　スティーヴ・カレル　モーガン・フリーマン　ローレン・グレアム　ジョン・グッドマン
　　　ワンダ・サイクス　ジョン・マイケル・ヒギンズ　ジョナ・ヒル　モリー・シャノン

エバン・オールマイティ

• 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
• メディア: DVD

タグ：映画