スキャナー・ダークリー [映画感想−さ]
“物質D”と呼ばれる強力なドラッグが蔓延している近未来のアメリカ。
覆面麻薬捜査官のボブ・アークター(キアヌ・リーブス)は、
物質Dの供給源を探るため自らジャンキーを装い、
ジャンキーのバリス(ロバート・ダウニー・Jr,)、ラックマン(ウディ・ハレルソン)、
フレック(ロリー・コクレイン)、そして売人のドナ(ウィノナ・ライダー)に接近します。
しかし、ボブ自身が何者かにジャンキーとして密告され、
彼は自分自身を監視することになり・・・。
キアヌはキアヌ
フィリップ・K・ディックの『暗闇のスキャナー』を、
リチャード・リンクレイターが『ウェイキング・ライフ』で使用した、
デジタル・ペインティングで映画化。
『ウェイキング・ライフ』のトリップしたような世界観に、
ドラッグをテーマにした原作が合わさるのだから、
どんなにラリラリな世界が展開するかと思いきや・・・意外に普通の映像でちょっと拍子抜けしました。
『ウェイキング・ライフ』は常に画面がぐらぐらと揺れていて、
画風もどんどん変わるし、フワフワとした浮遊感が不思議な世界を見せていましたが、
今作ではそんなグラグラ感はほとんどなく、登場人物も元が誰かちゃんとわかるし、
ハッキリ言ってこの手法を採る必要があったのかな?とまで思ってしまいました。
確かに"スクランブル・スーツ"と呼ばれる迷彩服の表現や、
ワラワラと出てくるアリマキ、相手が虫や怪物になったり違う人に見えたり・・・という表現には、
この手法は有効だと思うのですが、そういうシーンは思ったより登場しません。
そうなってくると、純粋にキアヌ・リーブスやウィノナ・ライダーの素顔を観たい、
ロバート・ダウニー・Jr.とウディ・ハレルソンのジャンキー演技なんか、
ぜひぜひナマで観たいと思ってしまいました。
元気そうでなにより
実生活でもヘビーな体験をした人ばかりよくキャスティングしたなあと感心してしまいますが、
それだけにジャンキー表現はリアリティがあるのでしょうか?
"18段変速"のマウンテンバイクの話とか、貼り紙をして家の玄関を開けておく・・・とか、
バリスとラックマンのやりとりはくだらなくて面白く、
こんなのをずっと観ていたいような気もしました。
ただこういうエピソードを面白がってばかりではいけないというのがテーマでもあり、
それがわかる・・・いわゆるオチが登場すると、
ストーリーはあっという間にエンディングに向かってしまう感じで、そこがちょっと物足りなくもありました。
とても切なく哀しく、また恐ろしくもあるエンディングなのですが、
この大変な加工作業に息切れしたのでしょうか?
実写での表現は難しいと思われる最後の風景ですが、それがただの"絵"になってしまっていて、
ここは普通のCGででも見せてくれたほうが良かったかもと思いました。
加工されてもよくわかる2人
昔、原作は読んだのですが、ほとんど記憶ナシ。
観る前に読み返そうかと本棚を探したのですが、見つからない!
引っ越しの時に処分した?・・・いや、そんなはずはないなあと思いつつ、
ネットで調べていたら、山形浩生さんのサイトで全文読めることを発見しました。
また、浅倉久志さんの訳で『スキャナー・ダークリー』のタイトルでも原作本が出ています。
できればこれらの原作を読んでから観るほうが、理解に役立つかも知れません。
A Scanner Darkly(2006 アメリカ)
監督 リチャード・リンクレイター
出演 キアヌ・リーブス ロバート・ダウニー・Jr. ウィノナ・ライダー ウディ・ハレルソン ロリー・コクレイン
覆面麻薬捜査官のボブ・アークター(キアヌ・リーブス)は、
物質Dの供給源を探るため自らジャンキーを装い、
ジャンキーのバリス(ロバート・ダウニー・Jr,)、ラックマン(ウディ・ハレルソン)、
フレック(ロリー・コクレイン)、そして売人のドナ(ウィノナ・ライダー)に接近します。
しかし、ボブ自身が何者かにジャンキーとして密告され、
彼は自分自身を監視することになり・・・。
キアヌはキアヌ
フィリップ・K・ディックの『暗闇のスキャナー』を、
リチャード・リンクレイターが『ウェイキング・ライフ』で使用した、
デジタル・ペインティングで映画化。
『ウェイキング・ライフ』のトリップしたような世界観に、
ドラッグをテーマにした原作が合わさるのだから、
どんなにラリラリな世界が展開するかと思いきや・・・意外に普通の映像でちょっと拍子抜けしました。
『ウェイキング・ライフ』は常に画面がぐらぐらと揺れていて、
画風もどんどん変わるし、フワフワとした浮遊感が不思議な世界を見せていましたが、
今作ではそんなグラグラ感はほとんどなく、登場人物も元が誰かちゃんとわかるし、
ハッキリ言ってこの手法を採る必要があったのかな?とまで思ってしまいました。
確かに"スクランブル・スーツ"と呼ばれる迷彩服の表現や、
ワラワラと出てくるアリマキ、相手が虫や怪物になったり違う人に見えたり・・・という表現には、
この手法は有効だと思うのですが、そういうシーンは思ったより登場しません。
そうなってくると、純粋にキアヌ・リーブスやウィノナ・ライダーの素顔を観たい、
ロバート・ダウニー・Jr.とウディ・ハレルソンのジャンキー演技なんか、
ぜひぜひナマで観たいと思ってしまいました。
元気そうでなにより
実生活でもヘビーな体験をした人ばかりよくキャスティングしたなあと感心してしまいますが、
それだけにジャンキー表現はリアリティがあるのでしょうか?
"18段変速"のマウンテンバイクの話とか、貼り紙をして家の玄関を開けておく・・・とか、
バリスとラックマンのやりとりはくだらなくて面白く、
こんなのをずっと観ていたいような気もしました。
ただこういうエピソードを面白がってばかりではいけないというのがテーマでもあり、
それがわかる・・・いわゆるオチが登場すると、
ストーリーはあっという間にエンディングに向かってしまう感じで、そこがちょっと物足りなくもありました。
とても切なく哀しく、また恐ろしくもあるエンディングなのですが、
この大変な加工作業に息切れしたのでしょうか?
実写での表現は難しいと思われる最後の風景ですが、それがただの"絵"になってしまっていて、
ここは普通のCGででも見せてくれたほうが良かったかもと思いました。
加工されてもよくわかる2人
昔、原作は読んだのですが、ほとんど記憶ナシ。
観る前に読み返そうかと本棚を探したのですが、見つからない!
引っ越しの時に処分した?・・・いや、そんなはずはないなあと思いつつ、
ネットで調べていたら、山形浩生さんのサイトで全文読めることを発見しました。
また、浅倉久志さんの訳で『スキャナー・ダークリー』のタイトルでも原作本が出ています。
できればこれらの原作を読んでから観るほうが、理解に役立つかも知れません。
A Scanner Darkly(2006 アメリカ)
監督 リチャード・リンクレイター
出演 キアヌ・リーブス ロバート・ダウニー・Jr. ウィノナ・ライダー ウディ・ハレルソン ロリー・コクレイン
タグ:映画
こんばんは。
>ロバート・ダウニー・Jr.とウディ・ハレルソンのジャンキー演技
見たかったですね~
わざわざ、大金かけてアニメにするなんてもったいないと思ってしまいました。
by hash (2008-08-22 22:05)
hashさん、コメント& nice!ありがとうございます。
デジタルペインティングが手間の割に成功していないというのはホントもったいない。
でも、新しい映像はドキドキさせてくれて大好きです!
この手法がぴったり合うモノが見つかるといいなあと思いました。
by dorothy (2008-08-23 01:33)