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レイヤー・ケーキ [映画感想−ら]

ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンド役に決まったとき、
その見た目の印象やこれまでの役どころなどから賛否両論ありましたが、
その頃、ひっそりと公開された『レイヤー・ケーキ』の彼がとても良い、という噂を聞いていて、
結果的に彼のボンドにノックアウトされた(!)私としては、ずっと観たいと思っていた作品でした。

ロンドンで不動産業を営む一方で麻薬ディーラーとして成功を収めていたXXXX(ダニエル・クレイグ)。
順調なうちにこの裏稼業から足を洗いたいと思っていた矢先、
ボスのジミーから2つの新たな仕事を依頼されます。
1つはジミーの親友エディのドラッグ中毒の娘を探し出すこと。
もう1つはギャングのデュークが手に入れた大量の覚醒剤エクスタシーを売りさばくこと。
いずれも簡単に片付くと思われていた最後の仕事は、どんどんと予期せぬ方向に転がりだし・・・。


楽勝なはずだったのに
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『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』や、
『スナッチ』のプロデューサーだったマシュー・ヴォーンの初監督作品ということで、
犯罪がらみで登場人物たちが複雑に入り組んでいくあたりは『ロック、ストック〜』っぽくもありますが、
それを思いっきりクールかつカッコ良くした感じです。
とにかく映像の作り方が単純にカッコイイ。オープニングからどんどん引き込まれていきます。
これは観ていただくのが一番なんですが、撮影の仕方、場面の繋ぎ方などとにかくキマリ過ぎ。
この手のいわゆるスタイリッシュな映像というのは、
「こーゆーのカッコイイでしょ?」と言わんばかりだったりして、
ちょっとイライラすることもあるのですが、
あまりそういうイヤミさが感じられず、実にテンポ良く、
まさに"クール"という言葉がピッタリです。
それと音楽の使い方もちょっと個人的にツボでした。
ストーンズからXTC、ザ・カルトにデュランデュラン(!)など、
ブリティッシュモノを取り揃えてます。
エンディングのジョー・コッカーは確実にシビレます。

そして噂の、主人公XXXXを演じるダニエル・クレイグが評判どおり確かに良い!
『カジノ・ロワイヤル』でも"悩めるボンド"でしたが、
この作品での彼も、裏稼業でスマートに稼いでいるとはいえ、
悩んだり苦しんだり、命を狙われ怯えたりと、人間的な部分がたくさん出てきます。
失敗もするし、美女にクラクラもしちゃうし、殺人に震えたりもします。
見た目のクールさと裏腹な感じが、この人の魅力と言えるのかも知れません。
彼のファンにはちょっとたまらない、アイドル映画並みの・・・というと言い過ぎかもですが、
とにかく、あんなダニエルこんなダニエルと大サービス!な感じです。


傷だらけでも。
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それにしても登場人物が多い!
いずれも個性的でインパクトはあるのですが・・・名前が憶えられない!!
画面に登場していれば、ああこの人はこっち側の人、
コイツはさっきのアイツの手下で・・・とかなんとか追っていけるのですが、
名前で言われちゃうと「えっと、それって誰だっけ?」と、
自分のアタマの悪さを思い知らされ情けなくなります。

そのたくさんの登場人物たちがまた、魅力的な俳優ばかり。
彼の仕事仲間であるモーティ役のジョージ・ハリス、ジーン役のコルム・ミーニイ、
『ロック、ストック〜』にも出ていたコーディ役のデクスター・フレッチャーなど、
イギリス映画でよく見るあんな人こんな人がいろいろと登場します。
そして、エディ役のマイケル・ガンボンの存在感!
XXXXは何かというといろんな人に"若造"呼ばわりされるのですが、
ダニエル・クレイグは実際それほど若造でもないと思うのですが、
マイケル・ガンボンの前では確かに若造です。


頂点と、中間層?
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シエナ・ミラーの役は必要ないようなあるような・・・まあ、最終的に必要だったかも知れませんが。
私はいつもこの人の顔が憶えられなくて、イマイチ良さもわからないのですが、
(唯一『カサノバ』の時の彼女はちょっといいかなあと思いましたが)
今作での彼女もずっと「?」でした。まあお色気部門は必要ですからね。

ストーリーとしては、ギャングものによくありそうな話なのでしょうか?
まったく観たことないですが『仁義なき戦い』みたいな感じかな?とぼんやり思ってみたりしました。
犯罪組織における階層(=レイヤー)が実にはっきりと表されていて、
けれどそんな階層の中でXXXXは、この時どの位置にいたのでしょう?
ケーキの一番上のフルーツやアイシングがあるおいしい部分に、
たどりつこうと思えばできたのかも知れないけど、
それを望まないのはイマドキのヤクザだったから?
まるで青年実業家みたいな見た目や行動だけど、
やっぱり闇の世界に足を踏み入れてしまったら、そんなに簡単に足は洗えない。
ハリウッド映画だと単にドンパチやって最後はハッピーエンド、となりそうなところですが、
そうならない悲哀のような部分がイギリス映画なのかな、なんてことも思いました。

1時間45分という長さはテンポ良く話が進むことを証明していますが、
そのために話について行けないということも言えるかも。
とにかく、人間関係をよく復習してもう一回ちゃんと見直したいです。


Layer Cake(2004 イギリス)
監督 マシュー・ヴォーン
出演 ダニエル・クレイグ トム・ハーディ コルム・ミーニイ ジョージ・ハリス ベン・ウィショー
   シエナ・ミラー デクスター・フレッチャー ジェイソン・フレミング マイケル・ガンボン






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