もしも昨日が選べたら [映画感想−ま]
相変わらず日本では人気の出ないアダム・サンドラー主演作。
彼の作品は、ちょっと下品な下ネタ系ギャグ(それもかなり子どもレベル)と、
見た目や言動から来る人の良さそうな(実際良い人なのだと思うのだけれど)雰囲気を活かした、
ハートウォーミングっぽさがミックスされているものが多いです。
私が最初に観た彼の作品は確か『ウェディング・シンガー』だったと思います。
これはそのバランスがほぼハートウォーミング方向に傾いている、
完璧なラブコメだったと記憶していますが、
ドリュー・バリモアの可愛らしさにばかり目を奪われて、
サンドラー自体にはあまりピンと来ませんでした。
彼のことは、そのあとに観た『リトル・ニッキー』が衝撃が大きすぎ、
そのバカバカしさにしばらくハマってました。
しかもそのあとはポール・トーマス・アンダーソンの『パンチドランク・ラブ』が来て、
ああ、この人からちょっと目が離せないかも、と思った時期があります。
けれどその後は、どちらかというと人の良い系が多いようで、
それがアメリカ人に求められているのか本人の希望なのかわかりませんが、
私としては、もっとめいっぱいはっちゃけてくれるとか、
極悪キャラとかを期待しています。
この『もしも昨日が選べたら』(それにしてもこの邦題はナイ!)は、
その彼の得意とするファンタジーかつハートウォーミング。
若干下ネタも入ってはいますが、まあカワイイものです。
不思議なリモコンのボタンを押すと・・・
建築家のマイケル(サンドラー)は、いいかげんな上司の下でこき使われ、
忙しすぎて家族を顧みない(顧みることができない)毎日を送っていました。
ある日、家にあるたくさんのリモコン・・・テレビやガレージやシーリングファンなど・・・を使いこなせず、
仕事のイライラも手伝って、夜遅くに"万能リモコン"を求めて出掛けます。
一軒だけ開いていた大型家庭用品店に入ると、
アヤシイ店員モーティ(クリストファー・ウォーケン)から、あるリモコンをタダで譲り受けます。
そのリモコンはなんと、彼の回りのあらゆる物事を、
ビデオのように静止画にしたり早送りしたりミュートできたりする不思議なリモコンで、
やがて、彼はそれを使って自分の人生をどんどん早送りさせるようになり・・・。
ある種のバッドフューチャーもの、というのでしょうか、
タイムトラベルものとも言えるかも知れませんが、
よくある、僕の人生あの時こうしてたら・・・じゃあそれ見せてあげましょう、というのに近く、
ちょっとヒネった『素晴らしき哉、人生!』という感じです。
単に未来に進める、というだけでなく、
”メニュー画面"で過去を見ることが出来る(しかもジェームス・アール・ジョーンズのナレーション付き!)とか、
行動を学習して、早送り時にはオートパイロット状態になる、というのも面白い。
つらい現実から逃げ出したいのを、まさに"先送り"にできるという、
その点では誰もが欲しいリモコンかも知れません。
相変わらずの怪演クリストファー・ウォーケン
このリモコンで彼は一瞬にして"未来"に進んでしまうのですが、
早送りした間の記憶はまったくありません。
メニュー画面から過去のシーンを見ることはできますが、
そこに戻ってやり直すことはできないのです。
しかも、早送り間は本人がオートパイロット状態だったこともあって、
家族にはまったく感情のない、ヒドイ人だと思われているのです。
仕事では成功を収めても、家庭内は不幸。
そんな人生を心から悔やみ、彼が取った行動は・・・?
オチの付け方は正直ちょっと物足りない気もしました。
私はどこかに過去に戻れる隠しボタンでもあるのかな、なんて思ってたんですが。
もうひとひねりぐらい欲しかったところです。
それと、惜しいと言えば、なんだか最後はかわいそうにも思えた隣りの家の男の子。
最初のほうでは結構活躍してたのに。
あの子も未来のどこかで出てきて欲しかったかな。
妻役のケイト・ベッキンセールは、確かにどうしてこんな美人が彼と?と言いたくなるぐらいキレイです。
でも、イマイチ面白味に欠ける感じで残念。
ストーリー上、彼女は唯一マトモで常識人であるべき立場なので仕方ないとも思うのですが、
もうちょっと弾けてくれてもいいかなと思いました。
年を取っても美人、なのがさすがでしたが。
それと、彼らの息子と娘が実にカワイイ。こんなカワイイ子たちを邪険にしちゃイケマセン。
きれいな奥さんと可愛すぎる子どもたち
ところでこの子どもたち、成長してからを演じているメンバーがちょっと面白いです。
息子のベンは、17歳の太った引きこもり気味の時をジョナ・ヒルが演じているのはまあいいとして、
大人になってからはダスティン・ホフマンの息子のジェイク・ホフマンが演じています。
娘のサマンサは、14歳の時をジャック・ニコルソンの娘ロレイン・ニコルソンが、
そして成長してからは『パートリッジ・ファミリー』のデビッド・キャシディ(!!)の娘、
ケイティ・キャシディが演じています。
なんでしょう?この世襲キャスティング(?)。
ここまで来ると、ウケを狙っているような気がするんですけど。
ウケを狙っているといえば、最初のほうに出てくるあやしいアラブの王子様を演じているのはロブ・シュナイダー!
言われてみれば確かに・・・なんですが。
アダム・サンドラー映画は、安心して観られるという点ではハズレなしです。
ちょっと違うかも知れませんが、ギャグの感じは日本でいうと志村けんあたりに近いかも?
下ネタやくだらないギャグに眉をひそめる人もいるかも知れませんが、
それほど極端に過激なことをするわけでもない、という点で。
その上でホロッとさせてくれるところは寅さん的?吉本新喜劇とか?
・・・これは相当違うなあ。
でも、もっと日本で人気が出てもいい気がするんですけどね。
Click(2006 アメリカ)
監督 フランク・コラチ
出演 アダム・サンドラー ケイト・ベッキンセール クリストファー・ウォーケン
デイヴィッド・ハッセルホフ ジェニファー・クーリッジ ショーン・アスティン
↓ブルーレイ版が出てるのも納得。映像がものすごくきれいです。
彼の作品は、ちょっと下品な下ネタ系ギャグ(それもかなり子どもレベル)と、
見た目や言動から来る人の良さそうな(実際良い人なのだと思うのだけれど)雰囲気を活かした、
ハートウォーミングっぽさがミックスされているものが多いです。
私が最初に観た彼の作品は確か『ウェディング・シンガー』だったと思います。
これはそのバランスがほぼハートウォーミング方向に傾いている、
完璧なラブコメだったと記憶していますが、
ドリュー・バリモアの可愛らしさにばかり目を奪われて、
サンドラー自体にはあまりピンと来ませんでした。
彼のことは、そのあとに観た『リトル・ニッキー』が衝撃が大きすぎ、
そのバカバカしさにしばらくハマってました。
しかもそのあとはポール・トーマス・アンダーソンの『パンチドランク・ラブ』が来て、
ああ、この人からちょっと目が離せないかも、と思った時期があります。
けれどその後は、どちらかというと人の良い系が多いようで、
それがアメリカ人に求められているのか本人の希望なのかわかりませんが、
私としては、もっとめいっぱいはっちゃけてくれるとか、
極悪キャラとかを期待しています。
この『もしも昨日が選べたら』(それにしてもこの邦題はナイ!)は、
その彼の得意とするファンタジーかつハートウォーミング。
若干下ネタも入ってはいますが、まあカワイイものです。
不思議なリモコンのボタンを押すと・・・
建築家のマイケル(サンドラー)は、いいかげんな上司の下でこき使われ、
忙しすぎて家族を顧みない(顧みることができない)毎日を送っていました。
ある日、家にあるたくさんのリモコン・・・テレビやガレージやシーリングファンなど・・・を使いこなせず、
仕事のイライラも手伝って、夜遅くに"万能リモコン"を求めて出掛けます。
一軒だけ開いていた大型家庭用品店に入ると、
アヤシイ店員モーティ(クリストファー・ウォーケン)から、あるリモコンをタダで譲り受けます。
そのリモコンはなんと、彼の回りのあらゆる物事を、
ビデオのように静止画にしたり早送りしたりミュートできたりする不思議なリモコンで、
やがて、彼はそれを使って自分の人生をどんどん早送りさせるようになり・・・。
ある種のバッドフューチャーもの、というのでしょうか、
タイムトラベルものとも言えるかも知れませんが、
よくある、僕の人生あの時こうしてたら・・・じゃあそれ見せてあげましょう、というのに近く、
ちょっとヒネった『素晴らしき哉、人生!』という感じです。
単に未来に進める、というだけでなく、
”メニュー画面"で過去を見ることが出来る(しかもジェームス・アール・ジョーンズのナレーション付き!)とか、
行動を学習して、早送り時にはオートパイロット状態になる、というのも面白い。
つらい現実から逃げ出したいのを、まさに"先送り"にできるという、
その点では誰もが欲しいリモコンかも知れません。
相変わらずの怪演クリストファー・ウォーケン
このリモコンで彼は一瞬にして"未来"に進んでしまうのですが、
早送りした間の記憶はまったくありません。
メニュー画面から過去のシーンを見ることはできますが、
そこに戻ってやり直すことはできないのです。
しかも、早送り間は本人がオートパイロット状態だったこともあって、
家族にはまったく感情のない、ヒドイ人だと思われているのです。
仕事では成功を収めても、家庭内は不幸。
そんな人生を心から悔やみ、彼が取った行動は・・・?
オチの付け方は正直ちょっと物足りない気もしました。
私はどこかに過去に戻れる隠しボタンでもあるのかな、なんて思ってたんですが。
もうひとひねりぐらい欲しかったところです。
それと、惜しいと言えば、なんだか最後はかわいそうにも思えた隣りの家の男の子。
最初のほうでは結構活躍してたのに。
あの子も未来のどこかで出てきて欲しかったかな。
妻役のケイト・ベッキンセールは、確かにどうしてこんな美人が彼と?と言いたくなるぐらいキレイです。
でも、イマイチ面白味に欠ける感じで残念。
ストーリー上、彼女は唯一マトモで常識人であるべき立場なので仕方ないとも思うのですが、
もうちょっと弾けてくれてもいいかなと思いました。
年を取っても美人、なのがさすがでしたが。
それと、彼らの息子と娘が実にカワイイ。こんなカワイイ子たちを邪険にしちゃイケマセン。
きれいな奥さんと可愛すぎる子どもたち
ところでこの子どもたち、成長してからを演じているメンバーがちょっと面白いです。
息子のベンは、17歳の太った引きこもり気味の時をジョナ・ヒルが演じているのはまあいいとして、
大人になってからはダスティン・ホフマンの息子のジェイク・ホフマンが演じています。
娘のサマンサは、14歳の時をジャック・ニコルソンの娘ロレイン・ニコルソンが、
そして成長してからは『パートリッジ・ファミリー』のデビッド・キャシディ(!!)の娘、
ケイティ・キャシディが演じています。
なんでしょう?この世襲キャスティング(?)。
ここまで来ると、ウケを狙っているような気がするんですけど。
ウケを狙っているといえば、最初のほうに出てくるあやしいアラブの王子様を演じているのはロブ・シュナイダー!
言われてみれば確かに・・・なんですが。
アダム・サンドラー映画は、安心して観られるという点ではハズレなしです。
ちょっと違うかも知れませんが、ギャグの感じは日本でいうと志村けんあたりに近いかも?
下ネタやくだらないギャグに眉をひそめる人もいるかも知れませんが、
それほど極端に過激なことをするわけでもない、という点で。
その上でホロッとさせてくれるところは寅さん的?吉本新喜劇とか?
・・・これは相当違うなあ。
でも、もっと日本で人気が出てもいい気がするんですけどね。
Click(2006 アメリカ)
監督 フランク・コラチ
出演 アダム・サンドラー ケイト・ベッキンセール クリストファー・ウォーケン
デイヴィッド・ハッセルホフ ジェニファー・クーリッジ ショーン・アスティン
↓ブルーレイ版が出てるのも納得。映像がものすごくきれいです。
タグ:映画
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