ヘンダーソン夫人の贈り物 [映画感想−は]
監督は『クィーン』の、
『ハイ・フィデリティ』の、
『グリフターズ』の、
『マイ・ビューティフル・ランドレット』の・・・うわあ、
なんでオスカーと縁遠いんでしょうイギリス人だから!?のスティーヴン・フリアーズ。
未亡人となったヘンダーソン夫人、
遺産の使い道に悩んだあげく、閉鎖されていた劇場を買い取ることにします。
支配人ヴァンダムを迎え、最初は経営も順調でしたが次第に客が減り始めます。
そこで彼女は、ステージに裸の女性を登場させることを思いつきます。
時は1937年、イギリスではヌードは御法度。
しかし"絵画のように動かない"という条件で許可を受け、
初のヌードレビューが始まり、当然それは大人気となります。
ジュディ・デンチ演じるヘンダーソン夫人。
富豪であり、これまで何不自由ない暮らしをしていた様子。
でも、世間の未亡人みたいに、刺繍を趣味にするなんて!チャリティなんてまっぴら!
と、かなりただのお金持ちの奥様とは違います。
夫の仕事の関係でインドに滞在していたことは彼女の性格形成に影響を与えていたようで、
友だちの未亡人と比べても、かなり型破りな性格です。
人前で涙を見せることも決してありません。
息子を戦争で亡くした悲しい過去もあります。
ディム・ジュディ!
ボブ・ホスキンス演じる支配人ヴァンダムとは何かと対立します。
どちらも頑固で言いたい放題・・・いい大人の二人なのに!
ジュディ・デンチはこういう、ちょっと困ったおばあちゃん役は本当にうまい。
まあ、彼女は何をやっても上手なのですが。
ボブ・ホスキンスも今回少し抑えめな感じではありますが、
興業への情熱、家族を思う気持ちなど、内面から滲み出るものを深い眼差しで表していました。
渋い!
時代は第二次世界大戦へと進み、ロンドン市街も空襲を受け始めます。
それでも「劇場は地下だから安全」という理屈で興業を続けます。
そんな中、ヘンダーソン夫人が一人、建物の屋上にたたずむシーンがあります。
遠くで爆撃の炎がいくつも上がっているのも気にせず。
探しに来たヴァンダムに「あなたは戦争を甘く見ている」と言われますが、
彼女は「甘く見てなんかいない」と言ってその場を離れません。
それは、彼女が戦争なんかに負けたくないという強い意志の現れのように見えました。
前の戦争で息子を亡くし、また今度の戦争でも若い命が失われようとしている。
劇場にやってくる若い兵士はすべて自分の息子に見えて仕方なかったでしょう。
彼女ももちろん恐怖がないわけではなく、けれどそこから逃げることは決してしたくない。
立ち向かい続けること、そして劇場を閉めないで興業をやり続けること、
それが、生き残った自分がすべきことである、という強い意志があるかのように見えました。
この夫人の思いがこのあと不幸な出来事を引き起こすことにもなってしまうのですが、
そこへ至るシーンで『All The Things You Are』という曲が使われます。
たくさんのジャズミュージシャンに取り上げられる名曲ですが、
元は30年代のミュージカルの曲だそうです。
これにはちょっと泣きそうになりました。
歌うのはイギリスの歌手、ウィル・ヤング
ところで、ヌードが当然のように随所に出てくるのですが、
そのたびにボカシの嵐になるのがなんとも許せませんでした。
私はこの作品をWOWOWのエアチェックで観たのですが、
調べてみたところ、なんと劇場公開時やDVDには入っていないとのこと。
WOWOWの自主規制なのですね。
どおりでずいぶん大雑把な入れ方だなあと思いました。
映像は全体に暗いし、局部がアップになるわけでもないのに、
そこにどんな隠したいものがあるの!?と言いたくなるぐらい。
リハーサル中に「見ている人も脱げ!」と言われて全員が裸になるシーンがあるのですが、
もうそこらじゅう白くてウンザリ。
まったく、30年代イギリス以下ではないですか!
Mrs. Henderson Presents(2005 イギリス)
監督 スティーヴン・フリアーズ
出演 ジュディ・デンチ ボブ・ホスキンス ウィル・ヤング クリストファー・ゲスト ケリー・ライリー
『ハイ・フィデリティ』の、
『グリフターズ』の、
『マイ・ビューティフル・ランドレット』の・・・うわあ、
なんでオスカーと縁遠いんでしょうイギリス人だから!?のスティーヴン・フリアーズ。
未亡人となったヘンダーソン夫人、
遺産の使い道に悩んだあげく、閉鎖されていた劇場を買い取ることにします。
支配人ヴァンダムを迎え、最初は経営も順調でしたが次第に客が減り始めます。
そこで彼女は、ステージに裸の女性を登場させることを思いつきます。
時は1937年、イギリスではヌードは御法度。
しかし"絵画のように動かない"という条件で許可を受け、
初のヌードレビューが始まり、当然それは大人気となります。
ジュディ・デンチ演じるヘンダーソン夫人。
富豪であり、これまで何不自由ない暮らしをしていた様子。
でも、世間の未亡人みたいに、刺繍を趣味にするなんて!チャリティなんてまっぴら!
と、かなりただのお金持ちの奥様とは違います。
夫の仕事の関係でインドに滞在していたことは彼女の性格形成に影響を与えていたようで、
友だちの未亡人と比べても、かなり型破りな性格です。
人前で涙を見せることも決してありません。
息子を戦争で亡くした悲しい過去もあります。
ディム・ジュディ!
ボブ・ホスキンス演じる支配人ヴァンダムとは何かと対立します。
どちらも頑固で言いたい放題・・・いい大人の二人なのに!
ジュディ・デンチはこういう、ちょっと困ったおばあちゃん役は本当にうまい。
まあ、彼女は何をやっても上手なのですが。
ボブ・ホスキンスも今回少し抑えめな感じではありますが、
興業への情熱、家族を思う気持ちなど、内面から滲み出るものを深い眼差しで表していました。
渋い!
時代は第二次世界大戦へと進み、ロンドン市街も空襲を受け始めます。
それでも「劇場は地下だから安全」という理屈で興業を続けます。
そんな中、ヘンダーソン夫人が一人、建物の屋上にたたずむシーンがあります。
遠くで爆撃の炎がいくつも上がっているのも気にせず。
探しに来たヴァンダムに「あなたは戦争を甘く見ている」と言われますが、
彼女は「甘く見てなんかいない」と言ってその場を離れません。
それは、彼女が戦争なんかに負けたくないという強い意志の現れのように見えました。
前の戦争で息子を亡くし、また今度の戦争でも若い命が失われようとしている。
劇場にやってくる若い兵士はすべて自分の息子に見えて仕方なかったでしょう。
彼女ももちろん恐怖がないわけではなく、けれどそこから逃げることは決してしたくない。
立ち向かい続けること、そして劇場を閉めないで興業をやり続けること、
それが、生き残った自分がすべきことである、という強い意志があるかのように見えました。
この夫人の思いがこのあと不幸な出来事を引き起こすことにもなってしまうのですが、
そこへ至るシーンで『All The Things You Are』という曲が使われます。
たくさんのジャズミュージシャンに取り上げられる名曲ですが、
元は30年代のミュージカルの曲だそうです。
これにはちょっと泣きそうになりました。
歌うのはイギリスの歌手、ウィル・ヤング
ところで、ヌードが当然のように随所に出てくるのですが、
そのたびにボカシの嵐になるのがなんとも許せませんでした。
私はこの作品をWOWOWのエアチェックで観たのですが、
調べてみたところ、なんと劇場公開時やDVDには入っていないとのこと。
WOWOWの自主規制なのですね。
どおりでずいぶん大雑把な入れ方だなあと思いました。
映像は全体に暗いし、局部がアップになるわけでもないのに、
そこにどんな隠したいものがあるの!?と言いたくなるぐらい。
リハーサル中に「見ている人も脱げ!」と言われて全員が裸になるシーンがあるのですが、
もうそこらじゅう白くてウンザリ。
まったく、30年代イギリス以下ではないですか!
Mrs. Henderson Presents(2005 イギリス)
監督 スティーヴン・フリアーズ
出演 ジュディ・デンチ ボブ・ホスキンス ウィル・ヤング クリストファー・ゲスト ケリー・ライリー
タグ:映画
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